リチウムイオン二次電池リサイクルの設備投資に関するグリーンボンドを発行

2024/09/09  住友金属鉱山 株式会社 

2024 年9月9日

リチウムイオン二次電池リサイクルの設備投資に関するグリーンボンドを発行

住友金属鉱山株式会社(本社:東京都港区)は、環境課題の解決に資する事業の資金調達のため、2回目となるグリーンボンドを発行することとしました。発行条件の決定は 10 月を予定しています。調達予定額は 100 億円で、本発行により調達した資金は、リチウムイオン二次電池(LIB)リサイクルに向けた設備投資に充当する予定です。

住友金属鉱山は、持続可能な循環型社会の実現を目指して、LIB リサイクルシステムの確立に向けた取り組みを推進しています。使用済み LIB とその製造過程で発生する中間物に含まれる金属を電池材料として再資源化する「電池 to 電池」リサイクル技術を確立し、2024 年3月には、愛媛県の自社工場内に使用済み LIB などから銅、ニッケル、コバルト、リチウムを回収するリサイクルプラントを建設することを決定しました。このたび発行するグリーンボンドは、本プラントの設備投資に充当される予定です。

本社債発行にあたり、国際資本市場協会(ICMA)が定めるグリーンボンド原則(GBP)2021 などに基づき、2022 年9月に策定した「グリーンファイナンス・フレームワーク」を更新しました。また、本フレームワークに対する第三者評価として、株式会社日本格付研究所(JCR)より「JCR グリーンファイナンス・フレームワーク評価」の最上位である「Green 1(F)」を取得しています。

住友金属鉱山はグリーンファイナンスとして、車載二次電池用正極材の増産に向けた設備投資を目的とするグリーンボンドを 2022 年 10 月に発行し、グリーンローンを 2023 年9月に実行してきました。今後も、グリーンファイナンスを活用しながら、社会の持続的発展に貢献する経営課題に取り組み、事業の持続的な成長と企業価値の向上を図ってまいります。

<本社債の概要>
名称
住友金属鉱山株式会社第 36 回無担保社債
(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)
発行総額
100 億円(予定)
発行年限
5年(予定)
発行時期
2024 年 10 月(予定)
資金使途
LIB リサイクルに向けた設備投資に係る新規投資
ストラクチャリング・エージェント
大和証券株式会社
主幹事証券会社
大和証券株式会社、SMBC 日興証券株式会社

※「ストラクチャリング・エージェント」とは、グリーンファイナンス・フレームワークの策定やセカンドオピニオン等の外
部評価の取得に関する助言等を通じて、グリーンボンドの発行支援を行う者のことです。

<資金使途の詳細>
本社債の発行により調達した資金は、以下の適格クライテリアを満たすプロジェクト(以下「適格プロジェクト」)に係る新規投資に充当する予定です。

適格クライテリア
ICMA グリーンボンド原則事業区分
環境適応製品、環境に配慮した生産技術及びプロセス 汚染防止及び抑制
適格クライテリア
リチウムイオン二次電池(LIB)リサイクルに向けた設備投資

■適格クライテリアの詳細
急速かつ長期的な進展が見込まれている自動車の電動化と電池の高容量化に伴い、電動車に搭載される LIB に用いられる銅、ニッケル、コバルト、リチウムの需要は拡大し、リサイクルによる資源循環が求められています。当社は、LIB に含有される銅およびニッケルについて、銅製錬工程とニッケル精錬工程を組み合わせたプロセスによる再資源化を 2017 年から行っています。特に、回収されたニッケルは二次電池の正極材に加工され、日本で初めて使用済み LIB からの“電池 to 電池”の水平リサイクルを実現しています。これに加え、当社では LIB リサイクルの研究開発を進め、資源枯渇が懸念されるコバルトについても回収・高純度化して正極材の原料として再利用できることを 2021 年に実証しました。さらに、リチウムについても、当社と関東電化工業(株)との共同開発により、乾式スラグから高純度リチウム化合物として再資源化する技術を 2022 年に確立し、銅、ニッケル、コバルト、リチウムを水平リサイクルする新プロセス開発に成功しました。現在は電池リサイクルの事業化に向けた検討を進めており、使用済み LIB などから銅、ニッケル、コバルト、リチウムを回収するリサイクルプラントの建設に着手しています。並行して、カーボンニュートラルの観点から CO2排出量削減のための技術開発にも取り組んでいます。この新プロセスで有価金属の再資源化が商業ベースで可能となれば、世界的な資源枯渇に対応する資源循環に一層の貢献が期待できます。今後も当社は“電池 to 電池”の水平リサイクルに積極的に取り組み、持続可能な循環型社会の形成と世界的な資源枯渇に対応する資源循環の推進強化に貢献していきます。

■適格プロジェクト例
2024 年 3 月 28 日付プレスリリース「リチウムイオン二次電池リサイクルプラントの建設を決定」
https://www.smm.co.jp/news/release/2024/03/001822.html

<参考 URL>
■グリーンファイナンス・フレームワーク
https://www.smm.co.jp/sustainability/finance/
■JCR グリーンファイナンス・フレームワーク評価
https://www.jcr.co.jp/greenfinance/

以上

<本件に関する報道関連のお問い合わせ>
住友金属鉱山株式会社 広報 IR 部 TEL: 03-3436-7705

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