データ連携基盤の共同利用による神戸市民の運動習慣の継続化に関する実証事業について

2024/06/14  BIPROGY 株式会社 

データ連携基盤の共同利用による
神戸市民の運動習慣の継続化に関する実証事業について

神戸市
株式会社アシックス 株式会社アリストル
株式会社 Wellmira
株式会社 NTT データ
三井不動産株式会社
BIPROGY 株式会社
一般社団法人 UDCK タウンマネジメント

神戸市(神戸市長 久元喜造)、株式会社アシックス(代表取締役社長 COO 富永満之、以下 アシックス)、株式会社アリストル(代表取締役 CEO 宮崎学、以下 アリストル)、株式会社 Wellmira(代表取締役 CEO 渡辺敏成、以下 Wellmira)、株式会社 NTT データ(代表取締役社長 佐々木裕、以下 NTT データ)、三井不動産株式会社(代表取締役社長 植田俊、以下 三井不動産)、BIPROGY 株式会社(代表取締役社長 齊藤昇、以下 BIPROGY)、一般社団法人 UDCK タウンマネジメント(代表理事 尾實健、以下 UDCK タウンマネジメント)は、神戸市民の運動習慣の継続化に関する実証事業(以下「本事業」)を、柏の葉スマートシティ(以下「柏の葉 SC」)で展開中の健康管理やフィットネスアプリが利用できるポータルサービス「スマートライフパス」とパーソナルデータ連携基盤「Dot to Dot」を共同利用する形で実施し、一定の効果を確認することができました。

?実証事業の背景
現在デジタル田園都市国家構想を踏まえ、全国の自治体でデータ活用の取り組みが進んでいますが、自治体が個別にサービスおよびデータ連携基盤を構築・運用することで時間とコストがかさみ、大きな負担となっています。

神戸市では、世の中に既にある優良事例に着目し、それらのサービスおよびデータ連携基盤を共同利用することで構築・運用の負担を軽減し、真に市民に価値あるサービス創出に注力したいと考えていました。

?実証事業の概要
「女性の 20~40 代は他の世代と比べて運動実施率が低く、ライフステージの変化における体調不良に直面しやすい。こうした世代の皆さんに運動を通してココロと体を整えるきっかけ作りを提案したい。」 この神戸市の健康増進施策の課題に対して、KOBE スマートシティ推進コンソーシアムの実証事業を実施しました。本事業は、ウェルネスサービスの利用による運動習慣の継続化を目的としています。この目的は『20-40代の女性を対象にした健康増進サポート事業「KOBE Sports & Well-being City Project」(以下「KOBE プロジェ2 クト」)』と同じであることから、「KOBE プロジェクト」共同事業体※と連携して「KOBE プロジェクト」参加者 100 名を対象に、UDCK タウンマネジメントが柏の葉 SC で展開するポータルサービス「スマートライフパス」とパーソナルデータ連携基盤「Dot to Dot」を共同利用する形で、運動習慣の変化を確認しました。本事業は神戸市が解決したい課題に、KOBE スマートシティ推進コンソーシアムに加盟するアシックス、三井不動産、BIPROGY が賛同し、各社が主体的に参加、共創をすることで、準備期間はわずか 2 か月間という産官連携事業としては異例の短期間で実証検証を実現しました(実証検証期間:2024 年 1 月 26 日(金)~3 月 31 日(日))。

※「KOBE プロジェクト」共同事業体
代表:株式会社アシックス
参画団体:学校法人神戸学院 神戸学院大学、西日本電信電話株式会社、株式会社神戸新聞社、株式会社ラスイート 本事業で参加者にスマートライフパスを通して提供された提携サービスは、以下となります。

●パーソナル AI コーチが健康アドバイスを提供するアプリ「カロママ プラス」(サービス提供:Wellmira)
●パーソナルフィットネスアプリ「Beatfit」(サービス提供:アリストル)
●バイタルデータ管理サービス「Health Data Bank」(サービス提供:NTT データ)
●ベビーシッター・家事代行サービス「KIDSLINE」(サービス提供:キッズライン)
KOBE プロジェクトで活用している「ASICS WELLNESS CONSULTANT」(サービス提供:アシックス)も継続して提供しました。

?実証事業の成果
参加者へのアンケート調査(健康意識や行動変容)と提携サービス利用状況(利用実態)を分析したところ、複数のウェルネスサービスの利用機会と利用サポートの提供は、利用者の運動習慣の継続化に役立てられると考えます。また、参加者および提供者の両視点で、共同利用に起因する課題は特に見受けられませんでした。

本事業により、参加者の運動量の増加を確認できた
スマートライフパスの利用前と利用後を比較したところ、参加者の 16%に運動量の増加が確認できました。柏の葉 SC と共同のサービスセットを使うことで、参加者に対する対面によるサポートで初期設定の負担を軽減し、複数のサービスを素早く使える環境を提供でき、利用状況から人気ランキングの提示やメールによる利用促進を実施することで、参加者が運動を行うきっかけにつながりました。アンケートからも、スマートライフパスによるアプリの種類追加や定期的なお知らせが運動を行うきっかけになったことが確認できました。

提携サービスの利用状況から、参加者の行動変容を確認できた
アンケートでは、提携サービスの利用で提供される健康スコアやアドバイス、自分にあったフィットネスコンテンツにより、「やる気が出た」という意見が多数を占めました。また積極的な利用者は一日に複数回提携サービスを利用しており、提携サービスが運動習慣化のきっかけになったことがうかがえました。パーソナルデータ連携基盤「Dot to Dot」を介して提供される疾病リスク予測でも、参加者の行動変容が確認できました。

運動習慣をサポートしてくれるようなメリットが明瞭であれば、参加者は個人データの第三者提供に抵抗
が少ないことを確認できた

本事業では、半数以上の参加者が個人データの提供に同意した上で利用を継続しました。さらにアンケートでは、個人データの第三者提供に関して、8 割近くが「新しい体験ができるなど、自分にメリットがあるなら提供する」と回答し、提供するメリットが明瞭であればデータ提供に前向きな様子が確認できました。一方でデータの第三者提供には、個人情報保護法などの法令に準拠していることや、自分で選んだデータのみ提供したいなどの慎重な意見もあり、個人データの利活用には丁寧な対応が求められていることも把握できました。

?今後の展開
アンケート結果や利用実績を参考に、神戸市、アシックス、三井不動産、BIPROGY、UDCK タウンマネジメントが協力し、神戸市民の健康増進に向けた継続事業を検討していきます。 また本事業の一環として KOBE プロジェクトで活用している「ASICS WELLNESS CONSULTANT」(サービス提供:アシックス)を、三井不動産と BIPROGY が共同開発したデータ連携プラットフォーム「Dot to Dot」に連携し、「Dot to Dot」を活用した新たなサービス開発を目指します。

これらの活動を通して、神戸市と柏の葉 SC が連携し、さらに共同利用に関心のある自治体との連携を拡げていくことで、日本全国で展開されている良いサービスおよびデータ連携事例を地域の枠を超えて相互に使い合える世界を創り、生活者の豊かな暮らしに貢献していきます。

以上

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.biprogy.com/pdf/topics/info_dataplatform_240614.pdf

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