ターメリックエキスの抗炎症作用を発見-11月20日 第28回日本未病学会学術総会にて発表-

2021/11/19  ハウス食品グループ本社 株式会社 

ハウス食品グループ本社とハウスウェルネスフーズは、ターメリックエキス中の成分「ターメロノール類」の機能性を探索し、慢性炎症の改善につながる機能について、一連の研究により科学的に確認しました。 この研究成果を、2021年11月20日から21日まで開催される「第28回日本未病学会学術総会」にて発表します。


■研究の背景
ターメリック(秋ウコン)は、様々な生理活性を有することが知られており、ハウス食品グループはその機能を長年にわたり研究してきました。ターメリックの代表的な機能性成分としてクルクミンが知られていますが、近年それ以外の成分も注目されています。ターメリックの更なる研究を進めていく中で、炎症の改善を促す成分が含まれていることが示唆されたため、抗炎症成分の探索を開始しました。

■抗炎症成分探索へこだわる理由
近年、慢性的な炎症が循環器疾患やがん、糖尿病など多くの疾患の基盤となっていることがわかってきました。慢性炎症は加齢、肥満、及び生活習慣の乱れなど様々な要因が引き金となって起こり、慢性炎症を抑制することは、ヒトの健康維持に寄与する可能性が考えられます。お客様の健康長寿に寄与できることに大きな意義を感じ、ターメリックに含まれる抗炎症成分の探索に注力しました。

■ターメリックに含まれる「ターメロノール類」の新たな機能性を発見
ターメリックエキスの中から抗炎症作用をもつ成分の探索を行い、8つの成分を同定しました。その中でターメロノールAとターメロノールBという成分が特に強い抗炎症作用をもつことがわかりました。どちらの成分も炎症に関わるマクロファージ細胞の炎症性メディエーター(PGE2、NO、TNF-α、IL-1β, IL-6)の産生を抑制することを確認しました。


■ターメリックが炎症マーカーに及ぼす影響
ターメリック(秋ウコン)が慢性炎症に及ぼす影響を確認するため、50~69歳男女を対象に12週間の臨床試験を実施しました。試験方法は、ターメロノール類を含む試験食を摂取するターメリック群とプラセボ群の2つに分けて、炎症の程度を示す指標である「高感度CRP」の測定を行いました。その結果、ターメリック群の方がプラセボ群よりも高感度CRP値が低い傾向であり、12週目は有意に低いことが認められ、ターメリックが慢性炎症を改善する可能性が示唆されました。


■ターメリックが血糖値に及ぼす影響
メタボリックシンドロームの関連因子の1つであり、慢性炎症とも関連のある血糖値に及ぼす影響について確認しました。先行研究※を参考に、高感度CRPのベースライン値(0.098 mg/dL)で2群に分けて層別解析を行ったところ、高感度CRPが高めの集団では、ターメロノール類を含むターメリック群の方がプラセボ群よりも血糖値の改善が認められました。 ※Nutrients. 11: pii: E1822, 2019


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