自治体DX支援プラットフォーム展開開始

2021/06/22  コニカミノルタ 株式会社 

自治体DX支援プラットフォーム展開開始
コロナ下で逼迫する自治体職員の働き方改革と市民サービスの向上を支援

2021年6月22日

コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山名 昌衛、以下 コニカミノルタ)は、2021年7月1日から全国地方自治体のDXを支援する「自治体DX支援プラットフォーム」のサービスを開始することを発表しました。

<本件のポイント>

  • 自治体職員自ら業務改革(以下BPR*1 )を検討するために、他自治体との業務フローなどの情報共有をする環境を提供
  • 国の進めるシステム標準化に向けた業務整流化・標準化支援
  • あらゆるパートナーとの協業(2021年6月現在34社)により、2021年度100自治体、2023年度までに1,000自治体への展開

昨今、地方自治体においては、コロナ禍や災害などで職員一人当たりの業務負荷は増える一方、職員の高齢化は待ったなしの状況であり、未曽有の人手不足状態にあるといっても過言ではありません。そのような状況の中、課題解決策として各自治体が注目するのがデジタルトランスフォーメーション(以下DX)による抜本的な生産性向上です。DXを進めていく上で必ず突き当たる大きな課題が業務の整流化・標準化であり、単なる個別最適のシステム化では本質的な課題が解決しないことが明らかになってきています。2021年度からデジタル庁が中心となって進めようとするシステム標準化と業務の整流化・標準化とは表裏一体の関係にあります。

コニカミノルタはシステム標準化と業務の整流化・標準化をセットで考える重要性に着目し、長年製造業で培ってきたBPR手法を役立てることで、50以上の自治体と連携しながら行政の業務の整流化・標準化に応用する手法を開発しました。自治体DX支援プラットフォームでは、徹底して業務量や業務手順を「見える化」することにより、「公務員でなければできない業務」と「公務員でなくてもできる業務」の全庁俯瞰視点での分類が行えるようになります。これにより、従来公務員が担っていた業務のうち「公務員でなくてもできる業務」に関しては、RPA*2 やAI-OCR技術などを活用した自動化、アウトソーシング等「担い手」の転換を推進します。

これにより、公務員は「公務員でなければできない業務」に集中できるようになり、過重労働環境から解放されるだけでなく、市民サービスレベル向上につなげることが可能となります。また何かが起これば最前線で動かなければならない地方自治体職員の事業継続プラン(BCP: Business Continuity Plan)にもつながります。

コニカミノルタは、あらゆるパートナーとの協業(2021年6月現在34社)により、2021年度100自治体、2023年度までに1,000自治体への展開を目指します。

【自治体DX支援プラットフォームが提供する価値】

1.コニカミノルタのモノづくりのノウハウを活用したデータによる課題解決

コニカミノルタは、長年のモノづくりにおいて「測定なくしてコントロールなし」を品質方針とし、あらゆる課題に対し徹底的なデータ収集による可視化を通し、データドリブンでプロセス改善に取り組んできました。今回の自治体DX支援プラットフォームにはそのノウハウが活用されています。現地調査により収集した80万件に及ぶ膨大なデータは業務分類、作業分類から約4,800パターンに類型化され、AI解析を行った結果、可視化、課題抽出、最適化、標準化、共同化の為の支援メニューのテンプレート化に成功しました。


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2.自治体間比較による職員自身によるBPRを支援

自治体DX支援プラットフォームには、可視化サービス、業務分析サービス、最適化サービス、標準化サービスが用意されています。
本サービスの核となるDXコックピットは、インターネットのほか、自治体職員が利用するLGWAN(総合行政ネットワーク)経由で利用可能です。自治体職員は、既にDXコックピット上に格納されている、自分と同じ業務を行う他自治体の業務フローを参照することができ、少しでも効率的な業務遂行モデルをベンチマークできます。当プラットフォーム上で展開するこれらのサービスはいずれも連携50自治体での徹底した可視化に基づくデータを元に設計されており、自身の置かれている環境に応じてどのサービスからでも利用開始出来ます。

3.自治体職員のリモートワークを加速

DXコックピットでは、自身の自治体の業務手順書だけでなく他自治体の業務手順書、法令情報や簿冊*3 ・マニュアルなどを参照することができるため、LGWAN環境にアクセス可能な設備環境さえあれば、役所にいなくともセキュアな環境下で業務遂行に必要な情報にアクセスできます。これにより、コロナ禍で交代勤務、時差出勤などを実施しても市民サービスレベルを向上させながらリモートワークが実現できます。また、ダイバーシティ推進の観点からも必要なインフラとなります。

4.小規模自治体での共同利用が可能

コニカミノルタは、大規模自治体だけではなく、単独自治体では費用対効果が見合わない中小規模自治体のシステム共同利用モデルづくりも積極的に支援していきます。具体的には、2020年度に総務省委託事業で長野県と行った実証実験結果である、「利用する基幹業務システムは違っていても業務フローと帳票を標準化することで、RPAの共同利用は低コストで達成可能である」ことを自治体DX支援プラットフォームの活用を通して水平展開していきます。

【ライセンス標準価格】

自治体DX支援プラットフォームは、1パッケージ30アカウント年額90万円(税抜き)のサブスクリプションライセンスを基本として提供します。

*1BPR:「ビジネス・プロセス・リエンジニアリング」業務改革、ビジネスプロセス見直し

*2RPA:「ロボティック・プロセス・オートメーション」作業自動化のためのソフトウェアロボット

*3簿冊:自治体内で管理される帳簿や帳面の冊子

【別紙】

1.自治体の抱える課題とコニカミノルタの対応策

自治体は職員の高齢化が進み労働力の確保が困難になりつつあります。さらにはコロナ禍において、地方自治体の実情として「マニュアルがないから作業分担ができない」「出勤しないと仕事ができない」「電子と紙の混在」等の問題が鮮明になってきています。これらの要因としては、公務員でないとできない仕事(コア業務)/そうでない仕事(ノンコア業務)の区別ができていない、作業手順書が未整備、ノウハウを蓄積する仕組みがない、紙に依存した業務、改善を言い出しにくい文化、予算不足によるICT活用の停滞などが挙げられます。
コニカミノルタはこれらの実情を鑑みて、 (1)現状の仕事負荷・内容の可視化、(2)業務手順書整備、(3)業務プロセスの見直しの3点の施策が、自治体の課題解決には必要であると分析しました。

コニカミノルタは2018年度から50以上の自治体と連携して業務調査を行ってきました。この調査では、職員がどの法令に基づき、どのような手順で業務をこなしているか、その作業の媒体、押印の有無、作業時間、頻度などのデータ採取を行い、80万件に及ぶデータを収集しました。さまざまな角度からデータを分析し、これまで見えていなかった業務構造、業務量を定量的に見える化するとともに、見える化によるBPRの具体的な優先順位付けを可能にしました。

ある自治体では65%がノンコア業務、35%がコア業務となり、公務員におけるノンコア業務は市民サービスの向上に向けて担い手の変更を検討すべき領域であることが明らかになりました。さらに、ノンコア業務の80%は紙に依存しており、脱却する必要性があることも見てきました。このような改善検討すべき領域に対して、RPAやAI-OCR導入により、効果の出せる業務を洗い出し、費用対効果の算定を行うことでBPRを支援します。

2.国が進める情報システム標準化政策との連携

自治体は2021年度上期にEBPM(エビデンス・ベイスト・ポリシー・メイキング)に基づくビジネスプロセス見直し(BPR)とDX推進計画策定を求められており、自治体DX支援プラットフォームはその遂行をサポートすることができます。

自治体DX支援プラットフォームは50自治体のデータを基に、国が優先的に標準化を進めることを明らかにしている17業務のAs-Is(現状)と国の方向性から考えられるTo-Be(あるべき姿)の業務フローを網羅する。自治体は標準化に向けた手引書として利用し、自組織との比較を行うことでCan-Be(あるべき姿へのステップとして今できる事)を明確にでき、具体的な計画立案、予算策定に利用できます。

また、コニカミノルタは、データに基づいた整流化された業務プロセスへの見直しと、国が主導する情報システムの標準化とセットで考えることにより、円滑な移行を実現することを支援します。業務プロセス見直しにおける課題を集約して、法改正や標準仕様の策定など国に対しても対応が必要な課題を提供していきます。

2021年4月より一般社団法人オープンガバメント・コンソーシアム(OGC)に参加し、参加企業と議論しながらOGCとして提言という形で国の政策を支援していきます。

3.今後の事業展開

コニカミノルタは自治体DX支援プラットフォームとして、積極的に地方自治体に関わるコンサルティングファーム、SIer(システムインテグレーター)等30社以上と連携しサービスを展開していきます。

また株式会社チェンジおよび、その子会社の株式会社トラストバンク、株式会社ディジタルグロースアカデミアと連携して、チェンジグループのお客様である多くの自治体に対して自治体DX支援プラットフォームを提供するほか、自治体職員向けデジタル活用能力の教育を行う予定です。

関連リンク

  • 一般社団法人オープンガバメント・コンソーシアム(OGC):
    https://ogc.or.jp/

コニカミノルタのデジタルワークプレイス事業について

コニカミノルタは、社会課題と向き合い、DXにより無形資産と事業の競争力を強化し、持続的な価値提供で企業価値を高めていきます。デジタルワープレイス事業においては、多様な顧客、パートナーがつながるエコシステムを構築し、顧客ワークフロー変革を継続的に支援するビジネスへと進化しています。自社でのものづくりと働き方改革で培ったノウハウを活用して、地方自治体の行政事務の見える化を通じた業務改善の支援にも積極的に取り組んでおり、2021年5月末現在では、愛媛県、札幌市、神戸市などを始めとして、全国の都道府県、政令指定都市、中核市を中心に50以上の自治体のBPRを支援しています。

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