「レンビマ」(レンバチニブ)と「キイトルーダ」(ペムブロリズマブ)の併用療法について進行性腎細胞がんおよび進行性子宮内膜がんに係る申請が米国FDAより優先審査に指定

2021/05/06  エーザイ 株式会社 

「レンビマ」(レンバチニブ)と「キイトルーダ」(ペムブロリズマブ)の併用療法について進行性腎細胞がんおよび進行性子宮内膜がんに係る申請が米国FDAより優先審査に指定臨床第Ⅲ相試験における無増悪生存期間、全生存期間および奏効率のデータに基づく申請

  • 2021年5月6日

エーザイ株式会社

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)とMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(北米以外ではMSD)は、このたび、エーザイ創製の経口チロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ® 」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)とMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体「キイトルーダ® 」(一般名:ペムブロリズマブ)の併用療法について、進行性腎細胞がんおよび進行性子宮内膜がんに係る2つの申請* が米国食品医薬品局(FDA)に受理されるとともに、優先審査に指定されたことをお知らせします。

それぞれの申請は、臨床第Ⅲ相CLEAR試験(307/KEYNOTE-581試験)の無増悪生存期間(Progression-Free Survival: PFS)、全生存期間(Overall Survival: OS)および奏効率(Objective Response Rate: ORR)の結果に基づく進行性腎細胞がんの一次治療、ならびに臨床第Ⅲ相試験(309/KEYNOTE-775試験)のPFS、OS、ORRの結果に基づく治療ラインに関わらず全身療法後に増悪した、根治的手術または放射線療法に不適応な進行性子宮内膜がんの治療に係るものです。これらの申請は、本併用療法に関する臨床第Ⅲ相試験データに基づく米国における初めての申請です。PDUFA (Prescription Drugs User Fee Act)アクション・デート(審査終了目標日)は、進行性腎細胞がんに係る申請については「レンビマ」が2021年8月25日、「キイトルーダ」は同26日に、進行性子宮内膜がんに係る申請については2021年9月3日に設定されました。

Merck & Co, Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. 研究開発本部 オンコロジークリニカルリサーチのバイスプレジデントであるGregory Lubiniecki博士は、「進行性腎細胞がんと進行性子宮内膜がんは急速に進行するがんであり、患者さんは、予後を改善する新たな治療オプションを緊急に必要としています。FDAがこれらのがんにおける深刻なアンメット・ニーズと「キイトルーダ」と「レンビマ」の併用療法のポテンシャルを認識し、両申請を優先審査に指定したことに感謝します」と述べています。

エーザイ株式会社の執行役 オンコロジービジネスグループ チーフメディスンクリエーションオフィサー兼チーフディスカバリーオフィサーである大和隆志博士は、「CLEAR試験(307/KEYNOTE-581試験)と309/KEYNOTE-775試験で確認された良好な成績を受けて、FDAが進行性腎細胞がんおよび進行性子宮内膜がんの両適応における「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法の申請を優先審査に指定したことを嬉しく思います。多くの患者様が、新規の有効な治療法を切望しており、この想いが本併用療法の開発をさらに進捗させるための我々のコミットメントを後押ししています。本マイルストンは、患者様への貢献をめざす私たちの揺るぎない決意をより一層強くするものです」と述べています。

進行性腎細胞がんに係る申請は、CLEAR試験(307/KEYNOTE-581試験)結果に基づいており、本試験において、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法は、対照薬のスニチニブに対して、PFS、OSおよびORRについて、統計学的に有意な改善を示しました。本試験結果は、2021年2月にバーチャル開催された米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウム(ASCO GU)2021で発表されると同時にthe New England Journal of Medicine誌に掲載されました1

進行性子宮内膜がんに係る申請は、309/KEYNOTE-775試験結果に基づいており、本試験において、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法は、対照薬の治験医師選択化学療法(ドキソルビシンまたはパクリタキセル)に対して、ミスマッチ修復機構の状態に関わらず、PFS、OSおよびORRについて、統計学的に有意な改善を示しました。本試験結果は、2021年3月にバーチャル開催された米国婦人科腫瘍学会(SGO)2021 Annual Meeting on Women’s Cancerで発表されました。本併用療法は、2019年に、111/KEYNOTE-146試験成績に基づき、全身療法後に増悪した、根治的手術または放射線療法に不適応な高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability-high: MSI-H)を有さない、またはミスマッチ修復機構欠損(mismatch repair deficient: dMMR)を有さない進行性子宮内膜がんにおける適応について、迅速承認を取得しています。また、本適応は、FDAのReal-Time Oncology Review(RTOR)パイロットプログラムならびにFDA Oncology Center of Excellenceが主導する複数国の当局による同時申請・審査に向けた国際的な枠組みであるProject Orbisの下、ORRおよび奏効期間(Duration of Response:DOR)の結果に基づいて迅速承認されました。本適応の承認の継続には、検証試験における臨床上の有用性の確認が必要になる場合があり、309/KEYNOTE-775試験は、111/KEYNOTE-146試験の検証試験となります。

両社は、LEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを通じて、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法の14種類のがん(子宮内膜がん、肝細胞がん、メラノーマ、非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頸部扁平上皮がん、尿路上皮がん、胆道がん、大腸がん、胃がん、膠芽腫、卵巣がん、膵臓がん、 トリプルネガティブ乳がん)における20を超える臨床試験を実施中です。

*「レンビマ」は医薬品承認事項変更申請(supplemental New Drug Application: sNDA)、「キイトルーダ」は生物製剤承認一部変更申請(supplemental Biologics License Application: sBLA)

以上


本件に関する報道関係お問い合わせ先

  • エーザイ株式会社

    PR部

    TEL:03-3817-5120

  • Merck & Co., Inc. Kenilworth., N.J., U.S.A.

    Media Relations

    Patrick Ryan: +1(973) 275-7075

    Rebecca Newberry: +1(484) 678-2952


<参考資料>

「レンビマ」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)について

「レンビマ」は、「レンビマ」は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)であるVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4に加え、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のPDGFRα、KIT、RETなどの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対する選択的阻害活性を有する、経口投与可能なエーザイ創製のマルチキナーゼ阻害剤です。

非臨床研究モデルにおいて、「レンビマ」は、がん微小環境における免疫抑制因子として知られている腫瘍関連マクロファージの割合を減少させ、インターフェロンガンマ(IFN-γ)シグナル伝達刺激により活性化細胞傷害性T細胞の割合を増加させることで、抗PD-1モノクローナル抗体併用時は、「レンビマ」および抗PD-1モノクローナル抗体のそれぞれの単剤療法を上回る抗腫瘍活性をもたらします。

現在、本剤は、単剤療法として、甲状腺がんに係る適応で日本、米国、欧州、中国、アジアなど70カ国以上で承認を取得しており(米国では、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんに係る適応)、また、切除不能肝細胞がんに係る適応で日本、米国、欧州、中国、アジアなど70カ国以上で承認を取得しています。加えて、血管新生阻害剤治療後の腎細胞がんに対するエベロリムスとの併用療法に係る適応で米国、欧州、アジアなど60カ国以上で承認を取得しています。欧州での腎細胞がんに係る適応については「Kisplyx® 」の製品名で発売しています。さらに、全身療法後に増悪した、根治的手術または放射線療法に不適応な高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability-high: MSI-H)を有さない、またはミスマッチ修復機構欠損(mismatch repair deficient: dMMR)を有さない進行性子宮内膜がんに対する「キイトルーダ」との併用療法に係る適応で米国、カナダ、オーストラリアなど10カ国以上で承認を取得しています(本承認は奏効率、奏効期間に基づく迅速承認であり、別途検証試験の実施が求められます)。日本においては、単剤療法として胸腺がんに係る適応も取得しています。

「キイトルーダ」(一般名:ペムブロリズマブ)について

「キイトルーダ」は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。「キイトルーダ」はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,400を超える「キイトルーダ」の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。「キイトルーダ」の臨床プログラムでは、さまざまながんにおける「キイトルーダ」の役割や、「キイトルーダ」による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

CLEAR試験(307/KEYNOTE-581試験)について

本試験(ClinicalTrials.gov, NCT02811861)は、進行性腎細胞がんの一次治療を対象に、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用あるいは「レンビマ」とエベロリムスの併用療法をスニチニブと比較する、多施設共同、無作為化、非盲検の臨床第Ⅲ相試験です。主要評価項目は、RECIST v1.1(固形がんに対する腫瘍径の変化を効果判定に用いる評価基準)に基づく独立画像判定による無増悪生存期間です。重要な副次評価項目には、全生存期間、奏効率および安全性が含まれています。1,069人の登録患者様が、「レンビマ」(20 mg、1日1回経口投与)/「キイトルーダ」(200 mg、3週ごと静脈内投与を1サイクルとし最大で24カ月まで投与)の併用、「レンビマ」(18 mg、1日1回経口投与)/エベロリムス (5 mg、1日1回経口投与)併用、または対照薬であるスニチニブ単剤(50 mg、1日1回経口投与、4週間投与後、2週間休薬)に1:1:1で無作為に割り付けられました。

本試験において、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法は、主要評価項目であるRECIST v1.1に基づく独立画像判定によるPFSについて、PFSの中央値が23.9カ月(95%信頼区間[Confidence Interval: CI]: 20.8-27.7)であり、スニチニブの9.2カ月(95%CI: 6.0-11.0)と比較して、増悪また死亡のリスクを61%減少させました(HR=0.39 [95%CI: 0.32–0.49]; p<0.001)。本試験の重要な副次評価項目について、本併用療法は、スニチニブと比較して、死亡のリスクを34%減少させました(HR=0.66 [95%CI: 0.49–0.88]; p=0.005)。中央値27カ月のフォローアップ期間で、OSの中央値は「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法およびスニチニブ両群ともに未達でした。本併用療法は、71.0%(95%CI: 66.3-75.7)のORR、16.1%の完全奏効(Complete Response: CR)率、および54.9%の部分奏効(Partial Response: PR)率を示し、スニチニブは、36.1%(95%CI: 31.2-41.1)のORR、4.2%のCR率、および31.9%のPR率でした(相対リスク=1.97[95%CI: 1.69-2.29])。本併用療法の奏効期間(Duration Of Response: DOR)の中央値は25.8カ月(95%CI: 22.1-27.9)であり、スニチニブは14.6カ月(95%CI: 9.4-16.7)でした。

投与中止に至った治療関連有害事象(Treatment-related adverse events: TRAEs)は、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法において、「レンビマ」は18.5%、「キイトルーダ」は25.0%、両薬剤は9.7%の患者様でみられました。一方、スニチニブでは、10.0%の患者様でみられました。グレード5のTRAEsは、スニチニブでは0.3%の患者様でみられたのに対し、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法では、1.1%でした。グレード3以上のTRAEsは、スニチニブでは58.8%の患者様でみられたのに対し、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法では、71.6%でした。全グレードにおける最も一般的なTRAEs(発現率20%以上)は、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法では、下痢(54.5%)、高血圧(52.3%)、甲状腺機能低下症(42.6%)、食欲低下(34.9%)、疲労(32.1%)、口内炎(32.1%)でした。一方、スニチニブでは、下痢(44.4%)、高血圧(39.1%)、口内炎(37.4%)、手足症候群(35.9%)、疲労(32.1%)、悪心(27.6%)でした。

309/KEYNOTE-775試験について

本試験(ClinicalTrials.gov, NCT03517449)は、ネオアジュバントおよびアジュバントを含むいずれかの治療ラインにおいて、少なくとも1レジメンのプラチナ製剤による前治療歴のある進行性子宮内膜がんを対象とした、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法を評価する、多施設共同、無作為化、非盲検の臨床第Ⅲ相試験です。2つの主要評価項目(デュアルプライマリーエンドポイント)はRECIST v1.1に基づく盲検下独立中央画像判定によるPFSおよびOSです。副次評価項目には、盲検下独立中央画像判定によるORRおよびDORが含まれます。827人の登録患者様は、「レンビマ」(20 mg、1日1回経口投与)/「キイトルーダ」(200 mg、3週ごと静脈内投与)の併用、または治験医師選択化学療法(ドキソルビシン[60 mg/m2 3週ごと静脈内投与]またはパクリタキセル[4週を1サイクルとして80 mg/m2 週 1 回静脈内投与を 3週連続し、1週間休薬])に1:1で割り付けられました。

本試験は、全体集団(pMMRを有する患者様集団およびdMMRを有する患者様集団)ならびにpMMRを有する患者様集団において、RECIST v1.1(固形がんに対する腫瘍径の変化を効果判定に用いる評価基準)に基づく盲検下独立画像判定によるPFSおよびOSの主要評価項目(デュアルプライマリーエンドポイント)、ならびにRECIST v1.1に基づく盲検下独立中央画像判定によるORRの有効性副次評価項目を達成しました。患者様のフォローアップ期間の中央値は、全体集団およびpMMRを有する患者様集団において、11.4カ月でした。全体集団において、本併用療法(n=411)のPFSの中央値は、7.2カ月(95%CI: 5.7–7.6、イベント数=281)であり、TPC(n=416)の3.8カ月(95%CI: 3.6–4.2、イベント数=286)に対して、統計学的に有意な改善を示し、がんの増悪または死亡のリスクを44%減少させました(HR=0.56 [95%CI: 0.47–0.66]; p<0.0001)。また、全体集団において、本併用療法のOSの中央値は、18.3カ月(95%CI: 15.2–20.5、イベント数=188)であり、TPCの11.4カ月(95%CI: 10.5–12.9、イベント数=245)に対して、統計学的に有意な改善を示し、死亡のリスクを38%減少させました(HR=0.62 [95%CI: 0.51–0.75]; p<0.0001)。本試験における本併用療法の安全性プロファイルは、それぞれの単剤療法で確立している安全性プロファイルと同様でした。

全体集団において、本併用療法の有効性副次評価項目であるORRは31.9%(95%CI: 27.4–36.6)であり、CR率は6.6%、PR率は25.3%でした。一方、TPCのORRは14.7%(95%CI: 11.4–18.4)、CR率は2.6%、PR率は12.0%でした(ORRに関するTPCとの差: 17.2パーセンテージポイント、p<0.0001)。奏効を示した患者様におけるDORの中央値は、本併用療法では14.4カ月(範囲: 1.6–23.7)であり、TPCでは5.7カ月(範囲: 0.0–24.2)でした。

本試験成績は、全体集団とpMMRを有する患者様集団で同様でした。pMMRを有する患者様集団において、本併用療法は、PFSの中央値が6.6カ月(95%CI: 5.6–7.4、イベント数=247)であり、TPCの3.8カ月(95%CI: 3.6–5.0、イベント数=238)に対して、がんの増悪または死亡のリスクを40%減少させました(HR=0.60 [95%CI: 0.50–0.72]; p<0.0001)。また、本併用療法は、OSの中央値が17.4カ月(95%CI: 14.2–19.9、イベント数=165)であり、TPCの12.0カ月(95%CI: 10.8–13.3、イベント数=203)に対して、死亡のリスクを32%減少させました(HR=0.68 [95%CI: 0.56–0.84]; p=0.0001)。副次評価項目であるORRについて、本併用療法は30.3%(95%CI: 25.5–35.5)であり、CR率は5.2%、PR率は25.1%でした。一方、TPCは、ORR は15.1%(95%CI: 11.5–19.3)、CR率は2.6%、PR率は12.5%でした(ORRに関するTPCとの差: 15.2パーセンテージポイント、p<0.0001)。奏効を示した患者様において、本併用療法のDORの中央値は9.2カ月(範囲: 1.6–23.7)であり、TPCでは5.7カ月(範囲: 0.0–24.2)でした。

全体集団において、投与中止に至った全グレードにおける有害事象(Treatment-emergent adverse events: TEAEs)は、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法(n=406)において、「レンビマ」は30.8%、「キイトルーダ」は18.7%、両薬剤は14.0%の患者様でみられました。一方、TPC(n=388)では8.0%の患者様においてTEAEsにより投与中止に至りました。あらゆる原因によるグレード5のTEAEsは、本併用療法では5.7%の患者様でみられ、TPCでは4.9%でした。グレード3以上のTEAEsは、本併用療法では88.9%の患者様でみられ、TPCでは72.7%でした。全グレードにおける最も一般的なTEAEs(発現率25%以上)は、本併用療法では、高血圧(64.0%)、甲状腺機能低下症(57.4%)、下痢(54.2%)、悪心(49.5%)、食欲減退(44.8%)、嘔吐(36.7%)、体重減少(34.0%)、疲労(33.0%)、関節痛(30.5%)、蛋白尿(28.8%)、貧血(26.1%)、便秘(25.9%)、および尿路感染(25.6%)でした。TPCでは、貧血(48.7%)、悪心(46.1%)、好中球減少症(33.8%)、脱毛症(30.9%)、および疲労(27.6%)でした。本併用療法の投与期間の中央値は231日(範囲: 1–817)であり、TPCでは104.5日(範囲: 1–785)でした。

腎細胞がんについて2,3,4,5,6,7

腎がんの罹患者数は2020年において、世界で43万1千人以上と推定され、17万9千人以上が亡くなったと推定されています。そのうち、日本では2020年において、2万5千人以上が新たに診断され、8千人以上が亡くなられたと推定されています。米国では2021年において、7万6千人以上が新たに診断され、約1万4千人が亡くなられると推定されています。腎細胞がんは、腎臓における最も発生頻度の高いがんで、腎がんの約9割を占めるとされています。男性は女性の約2倍の頻度で発症するとされています。腎細胞がんは、多くの場合、他の腹部疾患の画像診断時に発見されます。腎細胞がん患者様の約30%は、診断時に転移が確認され、約40%の患者様は局所性腎細胞がんに対する一次外科治療後に再発すると報告されています。生存率は診断時のステージによって大きく変わりますが転移性腎細胞がんの5年生存率は13%と推計されています。

子宮内膜がんについて8,9,10,11,12

子宮内膜がんは、子宮の内層に発生し、子宮における最も発生頻度の高いがんです。子宮体がんの罹患者数は2020年において、世界で41万7千人以上と推定され、約9万7千人以上が亡くなったとされています(これらの推定には子宮内膜がんに加えて子宮肉腫が含まれています。子宮内膜がんは子宮体がんの90%以上を占めるとされていますが、子宮内膜がんのみの数はこの数よりもやや少ないと考えられます)。日本では2020年に約1万7千人以上が新たに子宮体がんと診断され、約3千人以上が亡くなられたとされています。米国では2021年に約6万6千人以上が新たに子宮体がんと診断され、約1万3千人が亡くなると推定されています。転移性子宮内膜がん(stage IV)の5年生存率は約17%と推計されています。

エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による戦略的提携について

2018年3月に、エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)は、「レンビマ」のグローバルな共同開発および共同販促を行う戦略的提携に合意しました。本合意に基づき、両社は、「レンビマ」について、単剤療法およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体「キイトルーダ」の併用療法における共同開発、共同製造、共同販促を行います。

既に実施している併用試験に加え、両社は新たにLEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを開始しました。これにより、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法は14種類のがん(子宮内膜がん、肝細胞がん、メラノーマ、非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頸部扁平上皮がん、尿路上皮がん、胆道がん、大腸がん、胃がん、膠芽腫、卵巣がん、膵臓がん、トリプルネガティブ乳がん)における20を超える臨床試験が進行中です。

エーザイのがん領域の取り組みについて

エーザイは、がん領域において、真の患者様ニーズが満たされておらず、かつ当社がフロントランナーとなり得る機会(立地)として、「ハラヴェン® 」(一般名:エリブリンメシル酸塩)や「レンビマ」での経験知を活かした「がん微小環境」とRNAスプライシングプラットフォーム等を用いた「ドライバー遺伝子変異とスプライシング異常」を標的とした抗がん剤の開発にフォーカスしています。これらの立地から新たな標的や作用機序を有する革新的新薬を創出し、がんの治癒の実現に向けて貢献することをめざしています。

エーザイについて

エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc )」を企業理念としています。当社はグローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、hhc の実現に向けて戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界中の約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

当社はhhc の理念のもと、サイエンス、臨床科学、患者様の視点から、顧みられない熱帯病、持続可能な開発目標(SDGs)を含む世界のアンメット・メディカル・ニーズに対して、革新的なソリューションの提供をめざします。

エーザイ株式会社の詳細情報は、www.eisai.co.jpをご覧ください。Twitterアカウント@Eisai_SDGsでも情報公開しています。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.のがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.では、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じて、がんのポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外の国と地域ではMSD)は、130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。当社はまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けており、世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。詳細については当社ウェブサイトやMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.のTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、最近の新型コロナウィルス(COVID-19)の世界的蔓延、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.に関するForm 10-Kの2020年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

1 Motzer R. et al. Lenvatinib plus Pembrolizumab or Everolimus for Advanced Renal Cell Carcinoma. The New England Journal of Medicine

2 International Agency for Research on Cancer, World Health Organization. “Kidney Fact Sheet.” Cancer Today, 2020.

https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/29-Kidney-fact-sheet.pdf .

3 International Agency for Research on Cancer, World Health Organization. “Japan Fact Sheet.” Cancer Today, 2020.

https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/392-japan-fact-sheets.pdf .

4 American Cancer Society. Key Statistics About Kidney Cancer,

https://www.cancer.org/cancer/kidney-cancer/about/key-statistics.html .

5 Thomas A. Z. et al. The Role Of Metastasectomy In Patients With Renal Cell Carcinoma With Sarcomatoid Dedifferentiation: A Matched Controlled Analysis. The Journal of Urology . 2016 Sep; 196(3): 678–684.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5014677/ .

6 Shinder B. et al. Surgical Management of Advanced and Metastatic Renal Cell Carcinoma: A Multidisciplinary Approach. Frontiers in Oncology . 2017; 7: 107. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5449498/#__ffn_sectitle .

7 Padala, S. A., Barsouk, A., Thandra, K. C., Saginala, K., Mohammed, A., Vakiti, A., Rawla, P., & Barsouk, A. (2020). Epidemiology of Renal Cell Carcinoma. World journal of oncology , 11(3), 79–87. https://doi.org/10.14740/wjon1279 .

8 American Cancer Society, Facts & Figures 2020 pdf:

https://www.cancer.org/research/cancer-facts-statistics/all-cancer-facts-figures/cancer-facts-figures-2020.html

9 International Agency for Research on Cancer, World Health Organization. “Corpus uteri Fact Sheet.” Cancer Today, 2020.

https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/24-Corpus-uteri-fact-sheet.pdf .

10 International Agency for Research on Cancer, World Health Organization. “Japan Fact Sheet.” Cancer Today, 2020.

https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/392-japan-fact-sheets.pdf .

11 Cancer Research Institute website, accessed 3/1/2021:

https://www.cancerresearch.org/immunotherapy/cancer-types/uterine-endometrial-cancer

12 American Cancer Society website, accessed 3/1/2021:

https://www.cancer.org/cancer/endometrial-cancer/detection-diagnosis-staging/survival-rates.html

関連業界