韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置がWTO協定違反と判断されました~WTO紛争処理小委員会報告書が公表されました~

2018年04月12日  経済産業省 

韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置がWTO協定違反と判断されました~WTO紛争処理小委員会報告書が公表されました~

本件の概要

WTOは、本日、我が国の申立てに基づき、WTOで審理されてきた韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置ついて、紛争処理小委員会(パネル)報告書を公表しました。同報告書は我が国の主張を認め、韓国のアンチダンピング課税措置は、損害・因果関係の認定や手続の透明性に問題があり、アンチダンピング協定に整合しないと判断し、韓国に対し措置の是正を勧告しました。

1.概要

我が国は、平成28年3月15日に、韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置ついて、WTO紛争処理小委員会(パネル)設置要請を行い、同年7月4日にパネルが設置されました。

我が国は、韓国による当該措置について、損害・因果関係の認定や手続きの透明性に問題があるとして、「千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定(アンチダンピング協定)」に違反すると主張していました。

その後、平成29年3月及び5月にパネル会合(口頭弁論)が開催され、この度、WTOはパネル報告書を公表しました。同報告書は、韓国のアンチダンピング課税措置は、損害・因果関係の認定や手続の透明性に問題があり、アンチダンピング協定に整合しないとし、韓国に対し措置の是正を勧告しました。

2.パネル報告書の判断内容

パネル報告書は、以下のように判断し、韓国によるアンチダンピング課税はアンチダンピング協定に違反すると認定し、韓国に対して措置をアンチダンピング協定に適合させるよう勧告しました。

  1. 韓国による本件措置の決定は、ダンピング輸出による韓国国内産業への損害・因果関係の認定に瑕疵があり、アンチダンピング協定第3.1条及び第3.5条に整合しない。

  2. 本件措置は、手続面でも、秘密情報の取り扱いに不備があり、アンチダンピング協定第6.5条及び第6.5.1条に整合しない。

  3. 他方、アンチダンピング協定第3.1条、第3.2条、第3.4条の解釈その他に関する日本の主張の一部は認められないか、パネルの付託事項の範囲外であるため、判断しない。

3.今後の予定

当事国は、公表から60日以内にWTO上級委員会に対して上訴することが可能です。上訴がない場合には、パネル報告書の内容でWTOとしての判断が確定することとなります。

4.参考

(1)本件に係る過去のニュースリリース

(2)空気圧伝送用バルブとは

圧縮空気を利用して空圧シリンダーなどを伸縮・旋回等させるために、圧縮空気の流れ具合を制御する部品(バルブ)を指します。半導体、自動車製造工場などの組立装置や搬送装置などに用いられる部品です。

(3)アンチダンピング課税とは

ある商品の輸出向け販売価格が国内向け販売価格よりも安く、その輸出によって輸入国内における競合する産業が損害を被っていることが正式な調査により明らかになった場合に、その商品に対して国内向け販売価格と輸出向け販売価格の差を上限とする関税を賦課することをいいます。

(4)本件対象製品の対韓輸出額について

空気圧伝送用バルブの我が国から韓国への輸出額は、年間約91億円です(平成29年)。

(5)WTOパネルについて

政府間の協議によって問題解決に至らない場合、パネル(第1審)という準司法的な第三者機関が、WTO加盟国の要請により、問題となっている措置のWTO協定整合性について審理・判断し、違反が認められる場合にはその是正を勧告します。パネルに不服のある当事者は、上級委員会(第2審)に審理を要請することができます。

担当

・WTO紛争処理全般について
通商政策局 通商機構部
国際経済紛争対策室長 服部
担当者:猪飼、西村、宮本
電話:03-3501-1511(内線3056~60)
03-3580-6596(直通)
03-3501-5983(FAX)

・空気圧バルブ産業について
製造産業局 産業機械課長 片岡
担当者:工藤、阿部
電話:03-3501-1511(内線3821~4)
03-3501-1691(直通)
03-3580-6394(FAX)

・日韓経済関係について
通商政策局 韓国室長 桐部
電話:03-3501-1511(内線3021~2)
03-3501-1566(直通)
03-3501-6024(FAX)

公表日

平成30年4月12日(木)

配信企業情報

経済産業省
上場区分 -