第3回「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査について

2018年03月30日  旭化成 株式会社 

第3回「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査について

2018年3月30日
旭化成建材株式会社
株式会社旭リサーチセンター

温熱環境(あたたかさ、涼しさなど)が優れている住宅の魅力として、「健康的に体調良く過ごせる」という回答の比率が最も高く、全体の6割を超えた。また、温熱環境が優れた住宅と家事行動との関係については「掃除をするのが億劫でなくなる」、「料理をするのが億劫でなくなる」とする女性が4割を超える。

旭化成建材株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堺 正光、以下「旭化成建材」)快適空間研究所※1および株式会社旭リサーチセンター(本社:東京都千代田区、社長:沢山 博史、以下「旭リサーチセンター」)ハビトゥス研究所は、「あたたかい暮らし研究会」※2において、首都大学東京 建築学域 須永研究室、駒沢女子大学 住空間デザイン学科 橘田特任教授と共同で、3回目となる「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査{対象地域 10地域(26都道府県):北海道、宮城県、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)、中京圏(愛知県・三重県・岐阜県・静岡県)、北陸(富山県・石川県・福井県)、阪神圏(京都府・大阪府・兵庫県・奈良県)、山陽・四国(岡山県・広島県・香川県・愛媛県)、福岡県、宮崎県・鹿児島県、沖縄県}を実施しましたので、その結果をお知らせします。

<調査報告トピックス>

  1. 1.温熱環境の満足度について
    • 年間を通じての住まいの温熱環境の満足度(大変満足+やや満足)は、全国(26都道府県)平均で38.1%で、北海道が42.9%で最も高く、ついで首都圏・阪神圏が高く約40%であり、福岡県(31.1%)北陸圏(27.0%)、沖縄県(26.1%)が低い。
    • 夏季の住まいの温熱環境に対する満足度(大変満足+やや満足)は、全国平均で30.0%、不満足度(大変不満+やや不満)は全国平均で37.5%で、不満足度の方が大きい。満足度は、北海道が最も高く41.1%、ついで山陽・四国が37.5%となっている。不満足度は、沖縄県(50.0%)、宮崎県・鹿児島県(46.4%)、北陸(45.5%)、福岡県(42.1%)、阪神圏(40.1%)が高い。
  2. 2.温熱環境の優れた住宅の魅力について
    • 温熱環境が優れた住宅で魅力的に感じるのはどんな点ですかという問いに対しては、「健康的に体調良く過ごせる」が最も高く61.1%で、「家のどの場所にいても快適に過ごせる」、「寝室が過ごしやすく夏熟睡できる」、「暑さ・寒さのストレスがなくなる」、「光熱費が減る」の回答者が4割を超えた。
    • 温熱環境が優れている住宅の魅力の全ての項目で、女性の回答の方が男性より評価が高く、特に「家事が億劫でなくなる」は、女性39.8%、男性16.2%と大きな差がある。
  3. 3.温熱環境と家事・睡眠について
    • 温熱環境が優れた住宅と家事行動との関係について細かく聞くと、「掃除をするのが億劫でなくなる」(37.5%)、「料理をするのが億劫でなくなる」(34.5%)を挙げる方が多く、女性では4割を超えた。
    • 窓ガラスの性能が良い住まいに暮らす人の方が、「家の中が暑くて料理をするのが億劫に感じる」、「家の中が暑くて掃除をするのが億劫に感じる」と回答した比率が少なく、「よく眠れる」と回答した比率が高い。
  4. 4.温熱環境調整行動について
    • 夏季のエアコンの使い方、窓の開閉の行動については、「なるべく窓をあけて過ごす」が59.5%で、「窓を開けずにエアコンで過ごす」の36.1%を大きく上回った。北海道ではそれぞれの比率が79.2%と6.9%となっており、全国と比較して大きな差がある。
    • 「なるべく窓をあけて過ごす」を年代別に見ると、60代が最も比率が高く、7割を超えている。
    • 夏季のエアコンの設定温度は全国平均で26.8℃。北海道は約2℃、沖縄県は約1℃、全国平均値よりも低いことが判明した。

1.調査の背景・目的

旭化成建材快適空間研究所では、「あたたかい暮らし研究会」における室内の温熱環境研究やマーケティング活動の一環として、2016年より「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査を実施しています。

2016年1月の調査(首都圏の一戸建て・マンション居住者対象:761名)では住まいの温熱環境に満足でない比率が、夏季・冬季ともに約7割であることや、生活者の温熱環境に対する意識・知識の低さが温熱環境の満足度が高くならない理由の一つになっていることなどがわかりました。

2016年8月、2017年3月に実施した夏季と冬季の調査(全国15都道府県一戸建て居住者対象:夏季600名、冬季637名)では、①住まいの総合満足度と比べて温熱環境の満足度が低い②住まいの温熱環境の満足度は北海道が最も高い③冬季室温の高い住まいに暮らす人の方が、温熱環境に対する満足度が高く、防寒行動が少ない④男性よりも女性の方が省エネ行動に関心が高い⑤「住まいの温熱環境が良ければ、家族の気持ちや体に良い影響を与える」ことに共感する人が、女性を中心に約7割に上る、といったことなどが判明しました。

今回の調査では、さらに地域別の実態を把握するために、対象地域を26都道府県に増やして住まいの温熱環境と満足度の実態を調査するとともに、温熱環境と生活行動・暮らし方の関係についてより具体的に調査を行いました。

2.調査概要

(1)調査目的
住まいの温熱環境の実態とそれらに対する満足度および生活者の温熱環境に関する意識・行動の実態を調査することで断熱材事業におけるコンセプト開発・マーケティング活動の一助とする。
(2)調査対象
10地域(26都道府県):北海道、宮城県、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)、中京圏(愛知県・三重県・岐阜県・静岡県)、北陸(富山県・石川県・福井県)、阪神圏(京都府・大阪府・兵庫県・奈良県)、山陽・四国(岡山県・広島県・香川県・愛媛県)、福岡県、宮崎県・鹿児島県、沖縄県(ウエィトバックN値1192:男性605女性587)
(3)調査期間
2017年9月1日(金)~5日(火)
(4)調査方法
WEBアンケート調査

3.調査のまとめ(詳細は添付参照)

(1)温熱環境の満足度について

  • 通年の住まいの温熱環境の満足度(大変満足+やや満足)は全国(26都道府県)で38.1%、不満度(たいへん不満、やや不満)は27.1%でした。北海道の満足度は42.9%で他地域と比較して最も高く、沖縄県(26.1%)北陸圏(27.0%)、福岡県(31.1%)が低くなっています。また、不満足度は、阪神圏、北陸、福岡県が30%以上と高くなっています。
  • 夏の住まいの温熱環境の満足度(大変満足+やや満足)は全国で30.0%でした。満足度は北海道が最も高く41.1%、ついで山陽・四国が37.5%で、福岡県(22.2%)、宮崎県・鹿児島(24.2%)、沖縄県(24.5%)が低くなっています。夏の住まいの温熱環境の不満足度(大変不満+やや不満)は全国平均で37.5%でした。地域別にみると、北海道が最も低く26.2%で、沖縄県(50.0%)、宮崎県・鹿児島県(46.4%)、北陸(45.5%)の不満足度が高くなっています。
  • 全ての部屋において、北海道での満足度が他の地域よりも高くなっています。また、福岡県での「台所」、「寝室」、「洗面所」、「浴室」、「トイレ」の満足度が最も低くなっています。

(2)温熱環境の優れた住まいの魅力について

  • 住まいの温熱環境(あたたかさ、涼しさなど)が優れた住宅のメリットで魅力的に感じるのはどんな点ですかという問いに対しては、「健康的に体調良く過ごせる」を挙げる人が最も多く61.1%で、「家のどの場所にいても快適に過ごせる」、「寝室が過ごしやすく夏熟睡できる」、「暑さ・寒さのストレスがなくなる」、「光熱費が減る」を挙げる人が40%を超えています。
  • 男女別に見ると、「健康的に体調良く過ごせる」男性56.8%・女性65.6%、「家のどの場所にいても快適に過ごせる」男性36.3%・女性 53.3%、「暑さ・寒さのストレスがなくなる」男性36.9%・女性47.0%など、各項目において女性の方が男性よりも高い比率となっています。特に「家事が億劫でなくなる」は、女性39.8%、男性16.2%と23.6%の大きな差となっています。

(3)温熱環境と家事・睡眠について

  • 住まいの温熱環境(あたたかさ、涼しさなど)が優れた住宅と家事行動との関係で該当する項目では、「掃除をするのが億劫でなくなる」(37.5%)、「料理をするのが億劫でなくなる」(34.5%)、「湿気や結露がなく、カビが生えにくくなり、水周りの掃除が楽になる」(33.5%)が上位に挙がっています。
  • 男女別でみると「掃除をするのが億劫でなくなる」は男性31.6%・女性43.6%、「料理するのが億劫でなくなる」男性27.0%・女性42.2%と、男性よりも女性の方がさまざまな家事行動が楽になるとイメージしていることがわかりました。また、男性は「よくわからない」が多く37.1%となっています。
  • 窓ガラスの断熱性能と家事行動との関係を見ると「家の中が暑くて料理をするのが億劫に感じる」比率は、クラスA(シングルガラスの住まい)は60.3%となった一方で、クラスC(LOW-Eペアガラス+トリプルガラスの住まい)の人は32.5%でした。「家の中が暑くて掃除を億劫に感じる」比率についても、クラスAの人は71.0%でしたが、クラスCは45.7%でした。
  • 窓ガラスの断熱性能と睡眠との関係についてみると、「よく眠れる」と回答した比率は、クラスA(シングルガラスの住まい)40.3%、クラスB(ペアガラスの住まい)44.9%、クラスC(LOW-Eペアガラス+トリプルガラスの住まい)59.3%でした。また、「寝苦しい時が多い」と回答した比率は同じく48.9%、46.8%、32.9%となっており、窓ガラスの断熱性能が良い住まいほど、睡眠の質が良い傾向にあることがわかりました。

(4)温熱環境調整行動について

  • 全国(26都道府県)の夏季のエアコンの使い方、窓の開閉の行動については、「来客時はエアコンをつける」、「エアコンと扇風機を併用する」、「朝起きたら一時的に窓を開けて風を通す」比率(当てはまる+やや当てはまる)が6割を超え、「なるべく窓を開けて過ごす」59.5%、「できるだけエアコンでなく、扇風機をつける」53.2%、「窓を開けずに、エアコンで過ごす」が36.1%でした。北海道は「なるべく窓を開けて過ごす」が79.2%と高く、「窓を開けずにエアコンで過ごす」は6.9%で、他地域と比較してエアコンを利用する比率が低い数字となっています。
  • 各年代で「朝起きたら一時的に窓を開けて風を通す」、「なるべく窓を開けて過ごす」比率(当てはまる+やや当てはまる)が当てはまらない比率を上回っています。年代別にみると、60代の人は「朝起きたら一時的に窓を開けて風を通す」が77.4%、「なるべく窓を開けて過ごす」が、71.1%と最も高い比率でした。
  • 夏季のエアコンの設定温度は、全国平均は26.8℃で、居間・食堂と寝室で違いはみられませんでした。地域別にみると、居間・食堂の設定温度は北海道が24.7℃・沖縄県が25.5℃、寝室の設定温度は北海道が24.5℃・沖縄県が26.0℃で、他の地域よりも1~2℃程度低くなっています。

4.今後の調査活動について

2014年の発足以来「快適空間研究所」では、温熱環境に優れた住まいでの心・体・懐が「あたたかい暮らしの実現」をビジョンとして掲げ、さまざまな活動を行ってまいりました。その実現のために、引き続き弊社の断熱材ユーザーの皆さまや、住まいの温熱環境に関する生活者の意識、知識を高めていくための調査研究や情報発信、啓発活動を行っていく予定です。

2018年3月16日から、第4回目となる調査を実施しました。今回の調査では、北海道から沖縄における冬季における優れた温熱環境がもたらす生活価値をより明らかにすることや、冬季における住まいの温熱環境と家事・生活行動などの暮らし方との関係を深く調査することを主な目的としており、2018年7月頃に調査結果を発表する予定です。

  • 快適空間研究所
    1. 1)
      名称
      旭化成建材株式会社 快適空間研究所
    2. 2)
      所在地
      東京都千代田区神田神保町1丁目105番地 神保町三井ビルディング
    3. 3)
      設立
      2014年4月
    4. 4)
      所長
      白石 真二
    5. 5)
      目的
      快適な空間を実現するための情報収集と分析及びそれらの結果を踏まえたコンセプト開発、マーケティング活動
      ① 一戸建の温熱環境と生活実態の把握による居住空間での温熱環境ニーズの発掘
      ② 活動方針に共感いただける社外の関連企業、大学等の研究機関、行政、生活者等との共創
      ③ 研究成果の社会や生活者への情報発信と断熱材事業へのフィードバック
  • あたたかい暮らし研究会
    1. 1)
      発足
      2015年1月 快適空間研究所内に発足
    2. 2)
      主な活動
      あたたかく生き生きと暮らすための居住空間とライフスタイルの研究
      ① 調査活動:住まいの温熱環境や生活者の暮らしに関するアンケート・訪問・実測調査等の実施
      ② 啓発活動:生活者の温熱環境に関するリテラシー向上のためのセミナー、ワークショップ等の実施
      ③ 情報発信活動:生活者に向けたHP、冊子等での情報発信など
    3. 3)
      主なメンバー
      旭化成建材株式会社 快適空間研究所、株式会社旭リサーチセンター ハビトゥス研究所、首都大学東京 建築学域 須永研究室、駒沢女子大学 住空間デザイン学科 橘田特任教授

以上

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