改善報告書の徴求及び公表措置:東京産業(株)

2024/05/17  株式会社 日本取引所グループ 

2024/05/17 東証 改善報告書の徴求及び公表措置:東京産業(株) ツイート

以下のとおり、改善報告書の徴求及び公表措置を実施することにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.会社名 東京産業株式会社
(コード:8070、市場区分:プライム市場)
2.改善報告書提出期限 2024年6月14日(金)
理由
(関連条項)
開示された情報の内容に虚偽があり、上場規則に違反し、改善の必要性が高いと認められるため
(有価証券上場規程第504条第1項第1号)
3.公表措置公表日 2024年5月17日(金)
理由
(関連条項)
開示された情報の内容に虚偽があり、上場規則に違反した旨の公表が必要と認められるため
(有価証券上場規程第508条第1項第1号)
4.理由の詳細 東京産業株式会社(以下「同社」という。)は、2024年1月15日に同社における不適切な会計処理に関する外部調査委員会の中間調査報告書を、同年4月1日に最終調査報告書を、同年4月15日に過年度の決算内容の訂正を開示しました。
これらにより、同社では、太陽光発電案件に関連して生じた長期未収入金に対する貸倒引当金が適切に計上されていなかったこと及び太陽光発電工事請負案件において、工事原価総額及び工事進捗度を合理的に見積もることができない状況が生じた後も本来適用すべき原価回収基準を適用せず、いわゆる工事進行基準を継続適用していたこと等が明らかとなりました。
その結果、同社は、2022年3月期第1四半期から2024年3月期第3四半期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2023年3月期において、営業利益及び経常利益が7割以上減少するとともに、親会社株主に帰属する当期純利益が黒字から赤字に転落することなどが判明しました。

こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。
・ 不適切な会計処理の原因となった太陽光発電案件や太陽光発電工事請負案件は、取引形態・規模の点において、同社にとって新たなビジネスであったにもかかわらず、役職員のリスクに対する認識が不足しており、慎重なリスク評価が実施されていなかったこと
・ 太陽光発電案件において、債務者の連帯保証人により担保資産の無断譲渡が行われるなどの想定外事象が生じた際にも、その原因分析を適切に行うことなく、十分な対応策が検討・実行されなかったこと
・ 役職員の会計リテラシーが不十分であったことに起因して、いわゆる工事進行基準を適用していた請負案件で、追加費用が工事原価総額に影響を与える可能性などについて十分な検討が行われていなかったこと

以上のとおり、本件は、役職員のリスクに対する認識不足や会計リテラシーが不十分であったことなどに起因して、投資者の投資判断に相当な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の適時開示体制について改善の必要性が高いと認められます。同社は、既に外部調査委員会の調査結果及びその提言を受けて2024年4月15日付で再発防止策等に係る開示を行っていますが、再発防止に向けた取組みの徹底を促す観点から、同社に対して、その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることにしました。
また、本件について、公表を要するものと認められることから、公表措置を行うことにしました。
  • 同社の改善報告書等は、同社からの提出後、下記「改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧」ページに掲載します。

公表措置銘柄一覧
改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧

お問合せ

株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)


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