『NFJコアビット』の開発

2024/05/21  西松建設 株式会社 

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『NFJコアビット』の開発

お知らせ2024年05月21日

- トンネル現場における品質管理業務の生産性向上に貢献 -

当社はフジモリ産業株式会社(社長:久下典宏)と共同で、ドリルジャンボに取り付けることで吹付けコンクリートの供試体を短時間で採取できる『NFJコアビット』を新たに開発しました。本技術を実現場に導入し、品質管理業務の生産性向上が確認できました。

■ 導入の背景

山岳トンネルの施工に用いられる吹付けコンクリートは、コアドリルと呼ばれる専用機械で供試体を採取し品質確認を行います。供試体の採取にあたっては従来、専用型枠の組み立てやコアドリルの設置といった複数の工程が必要となり、作業の効率化が求められていました。

■『NFJコアビット』の概要

今回開発した『NFJコアビット』(図-1)は、山岳トンネル工事で使用されるドリルジャンボに取付け、トンネル壁面に施工された吹付けコンクリートのあらゆる箇所から供試体を直接採取することができます(図-2、図-3)。本技術は、ドリルジャンボへのビット取付け作業を行うだけで供試体の採取が可能となるので、作業時間を大幅に削減することができます。

■『NFJコアビット』導入による効果

●工程短縮による省力化
本技術を使用することで、吹付けコンクリートの供試体を採取する工程が短縮され、省力化が期待できます。
実績として、3本の供試体を採取するために従来手法では約70分かかっていましたが、本技術の活用により約10分に短縮できます(図-4)。

●安全性の向上
コアドリルを使用することがないため、巻き込まれ災害や感電災害が防止されます。

●コスト削減
コアドリルを手配する必要がなくなるため、コストが削減できます。

●施工品質の確認
トンネル壁面に吹付けられたコンクリートから直接供試体を採取できるため、施工品質を容易に確認することができます。
実績として、材齢が1日以上経過したコンクリートに対して、本技術を使用して供試体の採取を50か所で試みた結果、全ての箇所で供試体を採取することができました。また、そのうち20本の供試体を抜き出して強度を測定した結果、従来手法で採取した供試体と同程度の強度が得られたことから、健全な供試体を採取できることを確認しました。

●汎用性
開発ビットは各種メーカーのドリルジャンボに取付けが可能となっています。

■今後の展開

更なる作業の効率化を目指し、供試体を採取する時の削岩機の油圧や削孔速度から吹付けコンクリートの強度を推定することができるシステムの開発等、施工技術の高度化に取り組んでまいります。

図-1 『NFJコアビット』の形状


図-2 供試体の採取状況


図-3 NFJコアビットを用いて採取した供試体



図-4 NFJコアビット導入による効果

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