資源循環の次世代モデル実現に向けた「第1回CPQサミット」にサトーが登壇

2024/05/20  サトーホールディングス 株式会社 

資源循環の次世代モデル実現に向けた「第1回CPQサミット」にサトーが登壇

サトーがめざすサーキュラーエコノミーと最新事例を公開

2024年05月20日
サトーホールディングス株式会社

2024年2月末開催の「第1回サーキュラーパーク九州サミット(以下、CPQサミット)」は、迅速な資源循環ネットワークの構築、および異業種間での情報交換による協業の促進を目的に行われました。
このサミットは、九州電力株式会社と株式会社ナカダイホールディングスが2023年7月に共同設立した、サーキュラーパーク九州株式会社が主催。会の冒頭では、同社がビジョンとする「地球と共存するサーキュラーエコノミーの実現」における課題、事業内容、2030年に向けたロードマップなども説明されました。さらに、同事業に参画中の企業と大学による取り組み紹介やパネルディスカッションも実施されました。

そんな中、サトーホールディングスCEO小沼宏行がCPQサミットに登壇しました。
講演では、主事業である「自動認識ソリューション」をサーキュラーエコノミーへ転換利用するビジネス方針を展開。また、ナカダイホールディングスと進めている廃棄物リサイクル過程のPoC(実証実験)についても公開しました。今回はその内容をご紹介いたします。

あらゆるものを情報化し、社会のうごきを最適化するテクノロジー

サトーの「タギング」をサーキュラーエコノミーに活かす

サトーのビジネスドメインは、バーコードやRFIDといった自動認識技術を用いたソリューションの提供です。具体的には、モノやヒトにIDや状態などの情報を物理的にひも付けてデジタル化し、それらの情報をシステム内で活用・分析できるようにする「タギング」というものです。
現在、小売・製造・食品・物流・ヘルスケアなど幅広い業界にお客さまを持ち、異なる現場ごとに最適なタギングを提供しています。
タギングは、現場のデータを集積しビッグデータへつなげる“かけはし”としての役割を担っています。あらゆるものを情報化することで、正確な管理や安心・安全を提供する基盤として社会の中で広く活用されています。

サトーはタギングを軸に、サーキュラーエコノミー実現まで見据えた成長をめざしています。具体的には、サプライチェーンの製造段階から個体や状態の情報を管理、トレーサビリティーの担保、付加価値の高いデータの蓄積を行い、安心・安全・省人化といった社会課題の解決につなげていきます。

サーキュラーエコノミーの実現に向けた新たな価値創造

サーキュラーエコノミー実現は、我々だけではできない課題です。そのため、2023年11月から総合リサイクル業の第一人者であるナカダイホールディングスさまと協業を開始しました。“国産資源”である廃棄物の回収から再生材生産までの工程の可視化をめざし、再生材の安定供給とトレーサビリティーシステムの構築・実用化が目的です。
ナカダイさまとは、まずは廃棄物へタギングを行い再資源化までを追跡・可視化する仕組みの実現に取り組んでいます。将来的には、製造・流通時に製品や素材の製造段階からタギングを行う「デジタル・プロダクト・パスポート」の普及と活用にも携わっていきたいと考えています。

※デジタルプロダクトパスポート(Digital Product Passport):デジタル技術を用いて、製品の製造元や原材料データ、リサイクル性などの情報を記録し、製品のライフサイクル上で共有できるようにすること。

この図では左から廃棄物排出元のメーカー、次に中間・最終処理を行うリサイクラー、その先に再生資源を使用するメーカーと消費者がいます。それぞれのシーンでサーキュラーエコノミーに対する課題があり、サトーでは、トレーサビリティーの構築において各課題を解決していくためのソリューション開発を具体的に始めています。サーキュラーエコノミーの課題解決のために欲しい情報(データ)の代表例は、温室効果ガス排出量や再生資源のグレードなどがあります。

ナカダイと進めるPoCで廃棄物量の可視化検証に成功

今回は、2023年8月から11月にPoCを実施した廃棄物の貯蔵量の把握に関する成功例をご紹介します。
廃棄物回収のスマート化にむけ、画像認識AIによる廃棄物量の可視化検証を行いました。
いつ・どれぐらいの廃棄物が入荷するか分からないことが、再資源の製造・供給の計画を立てられない要因となっています。これに対し、廃棄物処理置き場にカメラを設置。画像認識により、廃棄物回収容器ごとの廃棄物充填率を数値化することに成功しました。ここで得られるデータは、廃棄物の回収予測や回収ルートの算出といった廃棄物回収の効率化や、再生資源の生産需要と生産予測に活かすことが可能になると考えています。

メーカーとしての取り組み

サーキュラーエコノミー実現に向けたソリューション提供という立場だけでなく、メーカーとしても取り組みを進めています。
サトーはラベルプリンタやラベルを製造・販売するメーカーとして、排出者責任としての環境貢献、サーキュラー貢献を追求しています。2007年より、お客さまにご使用いただき役目を終えたプリンタの回収・部品のリサイクルを実施しています。また、ラベル印字を行う際に使用する「使用済みインクリボン」を回収し、固形燃料化も実施。2023年には、ラベルの台紙を回収し再資源化する業界団体の立ち上げも主導し、環境負荷の軽減を推進しています。
さらに、ラベルプリンタの消耗パーツである、ラベルを搬送するプラテンローラーのリファービッシュ(再生)品の採用も開始しました。製品自体の寿命も延ばしつつ、リサイクルも推進しています。

最後に

サトーは、ソリューションの提供と、メーカーとしての循環モデル形成を通じて、サーキュラーエコノミー実現をめざします。ソリューションベンダーとしては、回収やリサイクルといった消費者から生産者へ循環する分野でのトレーサビリティー実現に向けシステム開発を手掛けます。メーカーとしては、メーカーとリサイクラー双方にメリットを生む回収・再資源化モデルの形成を推進します。ナカダイさまの廃棄物処理におけるノウハウを最大限にご提供いただきながら、両社の強みを生かした共創を進めます。
加えて、あらゆる分野の皆さまとも、サーキュラーエコノミーの有力なユースケース創出や世界標準をともに創り出していきたいと考えています。
私たちは、さまざまな業界で培ってきたタギングのノウハウをもとに、グローバル企業として国内外のサーキュラーエコノミー実現の一翼を担い、貢献していきます。

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