愛知県陶磁美術館 開館40周年記念特別企画展 知られざる古代の名陶 猿投窯 を開催します

2018年05月17日  愛知県庁 

愛知県陶磁美術館 開館40周年記念特別企画展 知られざる古代の名陶 猿投窯 を開催します

印刷用ページを表示する掲載日:2018年5月17日更新

愛知県陶磁美術館学芸課学芸グループ
担当:大西、小川
電話:0561-84-7474
内線354、360
愛知県県民文化部文化芸術課振興グループ
担当:吉川明志、吉川真司
内線2460、2462
電話:052-954-6183(ダイヤルイン)

愛知県陶磁美術館 開館40周年記念特別企画展

知られざる古代の名陶 猿投窯(さなげよう)

―日本遺産のまち瀬戸・常滑の源流は、名古屋市東方にあり―

会期:平成30年6月30日(土曜日)~8月26日(日曜日)

名古屋市の東方に広がる丘陵地帯に、かつて陶器を焼いた窯(かま)の遺跡が無数に点在しており、これを「猿投窯」(猿投山(さなげやま)西南(せいなん)麓(ろく)古窯跡群(こようせきぐん))と呼んでいます。古墳時代から鎌倉時代にかけての約千年間操業した猿投窯は、瀬戸焼・常滑焼の源流ともなった日本屈指の大窯業地でした。
本展は当館の開館40周年を記念して、重要文化財6件、愛知県及び県内外の各市指定文化財11件を始めとする優れた作品や重要資料、計約120件を一堂に集め、その造形美と歴史的意義を紹介します。
猿投窯の本格的な展覧会としては37年振りの、大規模企画展です。

1 会 期 平成30年6月30日(土曜日)から8月26日(日曜日)まで

*休館日:毎週月曜日(7月16日(月・祝)は開館し、翌17日(火曜日)は休館。)

2 開館時間 午前9時30分から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)

*ただし6月30日(土曜日)は午前11時から午後4時30分まで(入館は午後4時まで)

3 会 場 愛知県陶磁美術館 第1・第2展示室、特別展示室

4 主 催 愛知県陶磁美術館

5 共 催 中日新聞社

6 後 援 愛知県教育委員会、愛知高速交通株式会社(リニモ)

7 助 成 芸術文化振興基金助成事業(独立行政法人日本芸術文化振興会)

8 主な展示作品 別紙のとおり

みどころ

◆瀬戸焼・常滑焼の源流となった、猿投窯を本格的に扱う、37年ぶりの大規模企画展で、重要文化財6件、県市指定文化財11件など、名品や重要資料が一堂に会します。

古代愛知の名窯「猿投窯」の名品、猿投窯千年間の生産と流通、消費の歴史を網羅的に紹介します。

(1)記念講演会「猿投窯・調査研究60年」

7月8日(日曜日)午後1時30分~午後3時30分、本館講堂

・岩野(いわの)見司(けんし)氏((公財)荒木集成館 館長)「猿投窯初期発掘調査の思い出」

・柴垣(しばがき)勇夫(いさお)氏(元 愛知淑徳大学教授) 「猿投窯調査研究の歴史と愛知県陶磁美術館」

*聴講無料、事前申込不要。定員200名。

(2)連続講座「さなげレクチャー&トーク」

・7月22日(日曜日)「名陶抄」(仮題) 本館 展示説明室+第1展示室・西室

・8月 5 日(日曜日)「生産史」(仮題) 本館 展示説明室+特別展示室・東室

・8月19日(日曜日)「消費史」(仮題) 本館 展示説明室+第1展示室・東室

*各回とも午後1時30分~午後3時30分

学芸員が展示説明室で展示概要を講義した後、展示室で展示解説(ギャラリートーク)を行います。事前申込不要。定員50名。ギャラリートークへの参加には本展観覧券が必要です。

(3)体験学習「さなげの花もよう」

猿投窯に特徴的な陰刻(いんこく)花(か)文(もん)-素地を彫って花模様を描く技法を体験的に学びます。

・7月15日(日曜日)午後1時30分~午後3時30分、陶芸館

「やきものの技法から猿投を知る」(一般/子ども向け)

講師:梅本(うめもと)孝(たか)征(ゆき)氏(愛知県立芸術大学美術学部教授)

猿投窯の陶片を手に取って観察し、さらに講師の実演を見学した上で、椀などの生(なま)素地(そじ)を彫って模様を描きます。作品は後日焼成(しょうせい)して約1か月後に引き渡します。

*参加料:大人840円、中学生以下720円。要事前申込、定員20名。

応募は、住所(メールでお申込みの方はメールアドレス)・氏名・年齢・電話番号を御記入の上、

「往復はがき」または「メール」にて陶磁美術館宛て送付・送信してください。

応募締切:7月3日(火曜日)必着(応募多数の場合は抽選)

・7月29日(日曜日)午前10時30分~正午・午後1時~午後3時に随時、本館特別展示室入口前

「古代の花文様で「しおり」づくり」(子ども/一般向け)

講師:当館学芸員・博物館実習生

猿投窯製品の焼成失敗品-陶片を手に取って観察し、「拓本」をとります。

陶片からとった「拓本」、または紙の塗り絵で「しおり」を作ります。

*参加無料、事前申込不要。

●各プログラムの詳細については、当館公式WEBサイトを御覧ください。

公式WEBサイト http://www.pref.aichi.jp/touji/

〈観覧料〉
一般900円(720円) 高校・大学生700円 (560円) 中学生以下無料
*( )内は20名以上の団体料金

別紙 主な展示作品

(*高解像度の広報用画像がございます。担当までお問い合わせください。)

須恵器
【重要文化財】脚付広口壺(きゃくつきひろくちつぼ)

猿投 古墳時代後期(6世紀) 高40.5cm
愛知県豊田市・豊田大塚古墳出土
豊田市郷土資料館所蔵

豊田大塚古墳(県指定史跡)は、古墳時代後期の西三河で最大規模の墳丘を持つ古墳です。副葬品として装飾付須恵器等極めて優秀な須恵器群が出土していますが、大部分が猿投窯産で占められます。本器のような大型の脚付の壺は、古墳副葬用に作られたものであり、何周にも巡らされた波状文から装飾性の高さがうかがえます。複雑かつ均整な器形に須恵器特有の重厚な色合い・質感が調和した優品です。

須恵器
【重要文化財】灰釉多口瓶(かいゆうたこうへい)

猿投 平安時代初期(8世紀末) 高21.5cm
愛知県みよし市・黒笹36号窯跡出土
愛知県陶磁美術館(本多静雄氏寄贈)

多口瓶は、古代寺院において仏器として用いられました。シャープな造形は、本器が金属器をモデルとして作られたことを示すものです。灰黒く焼き締まった器面に、緑色の灰釉層が形成されています。灰釉は人工的に塗布されたものではなく、原始灰釉あるいは准灰釉と呼ぶべきものです。こうした造形は、古代猿投窯の良質な陶土と高火度の焼成によって可能になったものです。

須恵器(すえき)

須恵器は5世紀に朝鮮半島より日本列島へもたらされた製陶技術をもとに焼造されたやきもの。古代には「陶器」と表記して「須恵宇都波毛能:すえうつはもの」と呼んでいたことから、近代以降は「須恵器」(すえき)と称している。窖(あな)窯(がま)を用いた高火度焼成によって、器体は青灰色や灰黒色に焼き締められている。高温焼成によって、燃料である薪の灰が器面に降りかかってガラス質の釉層を形成することがあるが、これは「自然(灰)釉」と呼ばれる。
猿投窯では8世紀後半から窯体構造を改良してより高火度焼成が可能となり、特に窯内の焚口近くで焼成したものは、灰釉層を厚く形成することがある。これは9世紀に始まる本格的な灰釉陶器生産に先立つもので、「原始灰釉陶器」とも呼ばれる。焼成前に人工釉薬を器面に塗布する工程は基本的に行われていないと考えられている。自然釉との区別が難しく、須恵器に含めて評価する学説と、広義の瓷器(しき)に含めて位置付ける学説がある。器面に顕著な釉層が形成されている場合、資料名称に「灰釉」を冠することが一般的である。

白瓷(しらし)
【市原市指定文化財】灰釉花文浄瓶(かいゆうかもんじょうへい)

猿投窯 平安時代前期(9世紀) 復元高31.2cm
千葉県市原市・荒久遺跡出土
市原市教育委員会所蔵

古代日本の陶製浄瓶は、金属器をモデルとして制作され、寺院において仏器として用いられたもので、本器は上総国分僧寺跡に隣接する集落遺跡の竪穴建物跡から出土しました。白色に焼き締まった器面に花文、草文や飛雲文などを陰刻で描き、灰釉が淡く黄緑色に発色して鶯色の流れを生じており、端整な中にも動きのある、猿投窯刻文陶器の屈指の優品です。なお、高台などは後補復元されたものです。

白瓷(しらし)
【諏訪市指定文化財】灰釉鳥紐蓋付平瓶(かいゆうとりちゅうふたつきへいへい)

猿投窯 平安時代前期(9世紀) 胴径27.0cm
長野県諏訪市・金鋳場遺跡1号古墳出土
諏訪市博物館所蔵

鳥鈕蓋付平瓶は奈良時代末から平安時代初頭に猿投窯で極少数生産され、平城京域・東山道沿い等限られた地域で出土することから、特殊注文品と考えられています。鳥鈕蓋及び平瓶本体が伴って出土し、全形の分かるものとしては全国的にも本器が唯一です。
諏訪湖西岸の山麓に位置する金鋳場遺跡内の古墳から出土しており、古墳との関係は不明な点が多いものの、本器の特殊な用途がうかがわれます。

瓷器(しき)-白(しら)瓷(し)と青(あお)瓷(し)

猿投窯では9世紀から11世紀にかけて、「灰釉陶器」が生産された。これは植物灰を主原料として制作した灰釉を塗布し、器体が白色に焼き締められたもので、当時は「白瓷」(しらし)と呼ばれていた。白瓷は灰釉陶器のほか、灰白色の無釉陶器を指すとみられている。
一方、同時期には「緑釉陶器」も生産された。これは酸化鉛を媒熔剤、酸化銅を呈色剤として制作された鉛釉を施して焼成したもので、当時は「青瓷」(あおし)と呼ばれていた。青瓷は、緑釉以外の鉛釉陶器の総称であったとみられている。
白瓷と青瓷は、当時は「瓷器」(之乃宇豆波毛乃:しのうつわもの)と総称されていた。灰釉や緑色釉を施した陶器は古代以降ほとんど汎時代的に生産されていることから、古代のこれらについては当時の呼称である「瓷器」-「白瓷」・「青瓷」を用いるべきとする所論がある。ただし、その場合でも資料名称においては釉薬種別を表記するために「灰釉」「緑釉」を冠して称する。なお当時、「陶器」(すえもの)と「瓷器」は、「瓦器」(がき)と総称されていた。

靑瓷(あおし)
【重要文化財】緑釉花文皿(りょくゆうかもんさら)

猿投窯 平安時代前期(9世紀) 口径15.4cm
三重県多気郡明和町・斎宮跡出土
斎宮歴史博物館所蔵

斎宮は、古代・中世にかけて天照大神の御杖代として伊勢神宮に奉仕した未婚の内親王・女王である斎王の居所でした。当時の様子が偲ばれる多彩な斎宮跡(国史跡)出土品の中でも、猿投窯産の緑釉陶器は一際華麗なやきものとして注目されます。磨きが施された器壁に流麗な筆致の陰刻文様が施されるものも多く、本器も手慣れた花文が刻まれた硬質の素地に淡緑色の釉が施され、猿投窯製品の高い品質がうかがえます。

青瓷(あおし)
【重要文化財】緑釉手付瓶(りょくゆうてつきへい)

猿投窯 平安時代前期(9世紀) 高さ21.3cm
埼玉県深谷市・西浦北遺跡出土
深谷市教育委員会所蔵

古代日本の陶製手付瓶は、青磁製品の影響下に制作されました。本器は外面の全面に緑釉を施したもので、釉層に濃淡のムラがあり、小斑点が無数に生じていますが、安定感のある形状が濃緑色の色調とあいまって、重厚感のある堂々たる仕上がりとなっています。本器が出土した遺跡は製鉄に関連した集落跡で、本器は竪穴建物の床面に穿たれた穴から、灰釉長頸瓶と立て並べられた状態で出土しました。

お問い合わせ

愛知県陶磁美術館
担当:大西、小川
電話:0561-84-7474
内線:354、360

他の画像

配信企業情報

愛知県庁
上場区分 -