「21世紀型スキルを育むプログラミング教育の可能性」を考えるシンポジウム開催

2018年05月17日 

プログラミング教育は、予測困難な未来を生きる子ども達のために教育改革を目指す教育者の共通言語5月15日(火)東京大学に教育関係者・保護者が集う

未来を生きる子どもたちにとって楽しい学びを考える、次世代幼児教育研究プロジェクトは、5月15日(火)に教育関係者および保護者を対象に、シンポジウム 『21世紀型スキルを育むプログラミング教育の可能性』 を開催しました。 2回目となる本シンポジウムでは、これからを生きる子どもたちに必要な「21世紀型スキル」の育成に、プログラミング教育がどう関わることができるのか、また現場ではどのように実践することができるのか、をみなさんと一緒に考えました。当日は、日本で唯一、英語・日本語・プログラミング言語のトライリンガル教育を提供するYes International School を創設した科学者でサイエンス作家の竹内 薫氏による基調講演のほか、幼児を対象としたプログラミング、ICT教育の実践例の紹介とパネルディスカッションを行いました。


基調講演―必須言語スキルとしてのプログラミング

自身も30代はプログラマーとして活躍していた竹内氏は、現在が第四次産業革命の時代であるとし、歴史の中で人口、エネルギー、経済成長にどのような相関関係があったのかを踏まえつつ、先の予測がつかない現状にあっては、既存の教育システムが機能しなくなっているのではないか、と述べました。この時代を生きる子どもたちに必要なのは、課題解決を目的としたプロジェクト学習であるとし、それを実践するために必要なのが国語、英語、プログラミングなどの言語スキルであると考え、学校設立に至ったと話しました。さらにAIについても触れ、いくつかの例をあげながら、パターン化されたものを処理するのが得意なAIと、よりクリエイティブなことを担う人間とに分業化されていくであろうこと、そして人間にしかできないクリエイティブなことを実現するための“外部脳”として、AIをいかに使いこなすかを子どもたちが学ぶ必要があると話しました。



プレゼンテーション―子どもたちの意欲を引き出す教育の実践

基調講演の後、実際に幼児向けのプログラミング教育・ICT教育を実践している組織による実例発表が行なわれました。NPO法人山梨情報通信研究所理事の杉浦学氏は、オープンソースのプログラミングソフトScratchJrを使ってシニア世代と若者、子どもがフラットな関係でタブレットを用いてプログラミングを学ぶワークショップを開催しており、自ら学ぶこと、教え合う関係が自然に生まれることや、個別のペースでできるための工夫が鍵になる、といった知見を紹介しました。学校法人信学会のICT教育推進担当 次世代教育開発部部長の栗林聖樹氏は2012年から幼稚園でiPadを活用した教育を導入したことに始まり、未踏ジュニアスーパークリエーター認定者までを輩出しているという成果を発表。「全ては遊びであり、全てが学びである」、という考えのもと、上手にやるのではなく下手でもいいから好きなことをやろう、というコンセプトで、とかく口や手を出しがちな親も一緒に巻き込みながら自主的な学びのあり方を考える試みを紹介しました。最後に、モンテッソーリ教育を実践するプリスクール「クランテテ三田」からは、学研塾ホールディングス 経営企画本部ディレクターの西村文孝氏と、株式会社GIビレッジ 「クランテテ三田」のプリスクールフェロー 中嶋雄一氏が、モンテッソーリ教育と、その考えに見合う教具としてプリモトイズ キュベット活用事例を紹介し、子どもたち自らが学びたいと夢中になる環境を大人が提供することの重要性を説きました。



パネルディスカッション―プログラミングは、創造性を伸ばすためのツールのひとつ

続いてパネルディスカッションでは、NPO法人CANVAS理事であり、慶応義塾大学教授の石戸奈々子氏がモデレーターとして加わり、全ての登壇者とプログラミング教育をめぐりさまざまな意見を交わしました。プログラミング・ICT教育を取り入れたことで、子どもたちの学ぶ意欲が増したことや、保護者のタブレットに対するネガティブな考え方が変わった例、上手くいかない場合にどうしたらいいか、導入にあたって教える側がどのような準備をしたかなど、実践者ならではの具体的な経験が伝えられる機会となりました。そして、プログラミング教育がすべての子どものニーズをカバーするわけではないとしながらも、これからの社会でさらに重要性が増していくことは必至であり、子どもたちが夢中になって自ら学び、創造性を伸ばすため大きな可能性がある、という意見を共有しました。





基調講演者
竹内 薫氏 Yes International School 創設者・校長、科学者、サイエンス作家
サイエンス作家。科学評論、エッセイ、書評などを多数執筆。「サイエンスZERO」などテレビ出演も多い。自身の子どもの小学校入学を前に、グローバル社会で生き残るための教育が行われている学校がないことに危機感を抱き、2016年、日本語と英語、プログラミング言語の3つを学ぶ「トライリンガル教育」を掲げて横浜にYes International Schoolを設立。2018年5月より渋谷校も開校。 https://yesinternationalschool.com/

登壇者
■NPO法人山梨情報通信研究所 理事 杉浦 学氏 http://www.y-icl.net/
教育工学を専門とし、初学者向けのプログラミング教育、ICTを活用したものづくり教育などをテーマに研究。プログラミング教育に必要なツールや教材を作り、その効果を検証している。ScratchJrのワークショップを幼児を含む多世代交流型で開催。

■学校法人信学会 ICT教育推進担当 次世代教育開発部 栗林 聖樹部長 https://shingakukai.or.jp/
長野県を本拠に教育事業を行う学校法人信学会。23ヶ所の幼稚園・保育園の経営から小中高生を対象にした 学習指導、日本初のプログラミング必修の通信制高校「コードアカデミー高校」の運営など。全国に先駆けて2012年から幼稚園でICT教育の一環として一人一台のタブレットを導入し、学習を進めている。

■学研塾ホールディングス 経営企画本部ディレクター 西村 文孝氏
株式会社GIビレッジ クランテテ三田 プリスクールフェロー 中嶋 雄一氏 https://clantete.com/

モンテッソーリ教育をベースにしたプリスクール・アフタースクール クランテテ三田で、「みずから育つ力を伸ばす」を理念として、”子ども一人ひとりの一番”を理解し、とことん見守りながらサポート。プログラミングツール「プリモトイズ キュベット」を使ったプログラミング教育を実践中。クランテテ三田は株式会社学研ホールディングスと株式会社市進ホールディングスが共同出資する株式会社GIビレッジが運営。

次世代幼児教育研究プロジェクト(Early Education For Tomorrow: E4T)
大量の情報が行き交う複雑化した現代社会の中で、子どもたちは想像力を働かせ、論理的に考える体験を重ねることで、“先の予測が難しい未来を生きる力”を身につけることが求められています。本プロジェクトは、子どもたちの自主性をサポートし、試行錯誤する楽しさを伝え、自ら何かを創り出す力を実感できる学びのあり方を研究するため、NPO法人CANVASと、幼児向け製品の広報などを手がけるPR会社キャンドルウィック株式会社によって、2017年に設立されました。これからを生きる子どもたちに必要な学びとは何か、また、教育関係者及び保護者が、どのように学びの場をつくることができるのか、「論理的思考」「創造性」「コミュニケーション」「問題解決力」の4つの要素を主軸に、主に未就学児から小学校低学年の子どもたちを対象とした、理想の学びの提案を致します。

共催:NPO法人CANVAS
2002年11月に設立された、創造的な学びの場を産官学連携で提供しているNPO法人CANVASは、「子どもたちの目が輝き、創造力を発揮する社会を創りたい」という思いのもと、新しい表現や、豊かなコミュニケーションを生み出し、新しい世の中を築いていくための場づくりをしています。
http://canvas.ws/

協賛:キャンドルウィック株式会社
手を使って遊ぶことを重視した木製のプログラミング知育玩具「プリモトイズ キュベット」の日本での販売・広報を始め、幼児向け製品の広報などを手がけるPR商社。
http://www.candlewick.co.jp/

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