ispace EUをルクセンブルク大公国大公殿下他、政府関係者が視察のため来訪

2024/06/07  株式会社 ispace 

月面探査ミッションに臨むマイクロローバーはまもなく完成予定

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)の欧州法人であるispace EUROPE S.A (以下ispace EU)は、6月4日(火)、ルクセンブルク大公国大公殿下(H.R.H. The Grand Duke of Luxembourg)、デレス 経済・中小企業・エネルギー・観光大臣、在ルクセンブルク日本国大使館 松原正浩特命全権大使およびルクセンブルク宇宙機関のマチアス・リンク副CEOをオフィスに迎え、現在開発が進められている、マイクロローバー(小型月面探査車)の開発進捗を披露いたしました。


左からルクセンブルク宇宙機関のマチアス・リンク副CEO、デレス 経済・中小企業・エネルギー・観光大臣、ルクセンブルク大公国大公殿下、在ルクセンブルク日本国大使館 松原正浩特命全権大使

 ispace EUは、2017年3月にルクセンブルク政府の宇宙資源開発の商業化を支援するSpaceResources.luイニシアチブとの協力協定に基づき設立され、以来、ルクセンブルク大公国を欧州における宇宙資源探査と利用の中枢とすべく、LuxIMPULSEプログラムの一環として、ルクセンブルク宇宙機関との共同資金でマイクロローバーの開発を進めてきました。

 今回、ルクセンブルク大公国大公殿下をはじめとする一行は、ispace EUのCEOであるJulien-Alexandre Lamamyの案内の下、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2において月面探査を行う予定である、実際のフライトモデルローバーの組立て状況を確認しました。本ローバーは夏頃の完成を以て、いよいよルクセンブルクから日本へ輸送され、RESILIENCEランダーに搭載し、今冬予定の打ち上げに備えます。

Manufacturing LabのClean Roomでエンジニアからマイクロローバーの説明を聞く様子
 
 その他にも、ルクセンブルク大公国大公殿下は月面を模したシミュレーション設備で、ローバー操作のデモンストレーションを視察されたり、ミッションコントロールルーム(管制室)で働くispaceエンジニアとの会話を通じて、ルクセンブルクで生まれた新たな技術が、月面探査に挑戦することを称賛されました。

ルクセンブルク大公国大公殿下、政府関係者、およびispace EUROPEの従業員の集合写真


ルクセンブルク宇宙機関のマチアス・リンク副CEOのコメント
「ispace EUROPEの開発現場を視察する機会をいただけたことは大変光栄で、数年間に渡り、チームが成し遂げてきた功績を誇らしく思います。ルクセンブルクで2017年に制定された“宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律”に基づく最初のミッションの今後に期待しています。」

ispace EU CEO Julien-Alexandrew Lamamyのコメント
「この度、今冬のミッション2挑むマイクロローバー開発を進めているispace EUROPEのオフィスにて、私たちの従業員と共に、ルクセンブルク大公国大公殿下および政府関係者、在ルクセンブルク日本国大使、他をお迎えすることが出来て、非常に光栄です。ルクセンブルク発の技術が、今後の宇宙産業の盛り上がりに寄与できることを確信するとともに、ルクセンブルク及び日本両政府の関係強化につながる機会となれたことを嬉しく思います。」


株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について
 「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続く2024年冬[i]にミッション2の打ち上げを、2026年[ii]にミッション3、2027年に[iii]ミッション6の打ち上げを行う予定。
 ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。


[i] 2024年6月時点の想定
[ii] 2024年6月時点の想定
[iii] 2024年6月時点の想定

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