高圧水素輸送用ラインパイプ材の研究開発について~日本財団とDeepStarの連携技術開発助成プログラム Phase IIに採択~

2024/06/13  JFEホールディングス 株式会社 

2024年6月13日
JFEスチール株式会社


高圧水素輸送用ラインパイプ材の研究開発について
~日本財団とDeepStarの連携技術開発助成プログラム Phase IIに採択~

当社は、石油メジャーなどが参画する「海洋石油・天然ガスに係る日本財団※1 とDeepStar※2 の連携技術開発助成プログラム※3 」(以下、「本プロジェクト」)の水素関連技術開発Phase Iにおいて、当社製品の電縫鋼管(マイティーシーム® ※4 )を用いた、高圧水素輸送用ラインパイプ材の特性評価に関する研究開発を実施してまいりました。この度、約1年間のPhase Iにおける研究成果が認められ、引き続きPhase IIに採択されました。Phase IIでは、海底パイプラインを想定した厚肉高強度UOE鋼管※5 へ研究対象を拡大し、引き続きDeepStarメンバーである石油メジャーのExxonMobil社、Chevron社(米国)、TotalEnergies社(フランス)と連携し、高圧水素輸送用の鋼管材料などの評価基準および方法を確立し、高圧水素輸送海底パイプラインの実用化を目指します。

水素は燃焼時にCO2 を排出せず、2050年のカーボンニュートラルに向け、発電用燃料等での大規模利用が世界的に検討されています。水素製造プラントや水素受入基地から需要地への大量輸送の手段として、現在の天然ガスと同様にパイプラインを利用することが考えられています。一方で、水素は鋼材を脆くする(延性を低下させる)性質があり、海外ではこの性質を踏まえ、安全基準や品質調査のための材料特性評価法の整備が進んでいます。今回の研究開発は、Phase Iと同様に当社の千葉地区にあるスチール研究所で、高圧水素パイプラインに求められる必要特性について、ECA技術※6 などを用いた研究を実施すると共に、鋼管材料とその溶接部から採取した試験片を用いて、高圧水素環境試験での性能を評価し、その安全性の検証を行います。

JFEグループはこれからも、水素社会の実現に資する研究開発を推進し、水素供給・活用の拡大を進めるお客様のニーズに応えていくことで、カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。

注)

※1:国土交通大臣が指定する船舶等振興機関として、全国の地方自治体が主催するボートレースの収益金をもとに、海洋船舶関連事業の支援や公益・福祉事業、国際協力事業を主に行っている公益財団法人。

※2:海洋油田開発生産に関わるChevron(米国)、Shell(英国)、Equinor(ノルウェー)など、世界中の海洋石油・天然ガスの探査・開発・生産を担う企業や、これら企業に製品・サービスを提供する企業、大学、研究機関などから成る海洋技術開発のコンソーシアム。

※3:海洋石油・天然ガス分野における脱炭素化等推進に係る日本財団とDeepStarの連携技術開発助成プログラム。
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/information/2023/20230113-83742.html

※4:溶接部品質に優れたラインパイプ用電縫鋼管「マイティーシーム®
https://www.jfe-steel.co.jp/products/koukan/mighty.php

※5:厚鋼板を素材として冷間プレスにてU形、O形に2段成形され、突合せ部をアーク溶接した後に拡管し、管形状を調整した鋼管

※6:Engineering Critical Assessment:構造物に作用する力と材料試験から求めた材料靭性を比較し、力学的な観点で安全性を評価する技術。

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。

JFEスチール(株)総務部広報室 TEL 03(3597)3166

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