dSPACE Japanと国内初の「効率的なバーチャル ECU開発環境構築の普及・推進に向けたパートナーシップ」を開始 ~効率的な車載ソフトウェア開発の実現に貢献~

2024/01/15  SCSK 株式会社 

2024 年 1 月 15 日

SCSK、dSPACE Japan と国内初の「効率的なバーチャル ECU
開発環境構築の普及・推進に向けたパートナーシップ」を開始
~効率的な車載ソフトウェア開発の実現に貢献~


SCSK株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役 執行役員 社長 當麻 隆昭、以下 SCSK)は、dSPACE GmbH(本社:ドイツ)の子会社である dSPACE Japan 株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 宮野隆、以下 dSPACE)と「効率的なバーチャル ECU 開発環境構築の普及・推進におけるパートナーシップ」を開始します。SCSKの豊富な車載ソフトウェア開発経験と dSPACE が提供する PC ベースのシミュレーションプラットフォーム「VEOS」環境上で動作する「バーチャル ECU※1開発環境」を合わせることで、ソフトウェア開発の早い段階で問題を洗い出し、後工程であるハードウェアとの統合検証での手戻りを未然に防ぎ、車両開発全体の検証期間の短縮を実現します。今回のパートナーシップにより、効率的な車載ソフトウェア開発、ソフトウェアの妥当性検証の実現に向けた、バーチャル ECU 開発環境の普及・推進を目指します。

※1 実際の ECU をシミュレーション活用により再現するソフトウェア

1.背景

自動車の電子制御領域の拡大に伴う車載ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)数の増加により、ソフトウェアの開発規模は増大しており、開発設計後に実装されたソフトウェアの妥当性検証の作業時間は肥大化しております。また、昨今の自動車業界においては、Software Defined Vehicle時代到来に向けて、様々な取り組みを進めており、なかでも完成車メーカーなど各社はCASE※2の普及に伴って、従来のハードウェア重視の車両開発からソフトウェア中心に大きく変化しています。

SCSKは、2022年よりソフトウェアの妥当性検証の効率化を実現するために、ECUに搭載されるソフトウェアにフォーカスし、dSPACEが開発した総合的にシミュレート可能なバーチャルECU(V-ECU)開発環境を完成車メーカーに導入してきました。

※2 CASE:自動車業界における4つの技術・市場トレンド(Connected、Autonomous、Shared、Electric)の頭文字をとった言葉

2.パートナーシップの概要

SCSKは、dSPACE からの教育コンテンツ・サポート提供を受け、V-ECU の知見を補完し、ECU 上のソフトウェア開発の知見を組み合わせて、完成車メーカー・部品メーカー様の自動車開発の加速に向けた、V-ECU の環境構築と SIL※3自動評価を支援します。また、dSPACE とSCSK共同で V-ECU 環境構築の専門エンジニアを育成してまいります。さらに、VEOS での走行実データの再現ならびに SIMPHERA※4 への移行についても推進してまいります。

※3 Software in the Loop の略で、シミュレーション環境において制御ソフトウェアを使用して実施する動的テスト※4 SIMPHERA は、dSPACE が提供するクラウド環境であり、VEOS との組み合わせによって、完成車メーカーと部品メーカーとの仕様すり合わせが、ロケーションフリーで実施可能となり、サプライチェーンの選択肢を拡げることが期待されます。

3.V-ECU 開発環境構築のメリット

V-ECU 環境でソフトウェアを開発することにより、ハードウェア依存部開発や車種適合開発の前工程である制御アプリケーション開発において、車内ネットワーク機能を介して複数の V-ECU とアクチュエータ制御を繋げた協調動作確認が可能になります。

※5 Hardware in the Loop Simulation の略で ECU 上のソフトウェアとハードウェアとの統合検証dSPACE について

dSPACEは、シミュレーション、および、妥当性確認ソリューションのグローバルテクノロジリーダーとして、初期のアーキテクチャ設計から量産に至るまでのモビリティプロバイダのイノベーションチェーン全体をサポートしています。また、dSPACEは、ドイツのパーダーボルンにある本社に加えて、ドイツ内の3つのプロジェクトセンター、フランス、クロアチア、英国、米国、日本、中国、韓国、および、インドの支社を通じて、約2,500名の従業員が、各国のお客様をサポートしています。

VEOSについて

VEOS は、PC およびクラウドベースのシミュレーションプラットフォームであり、多くの開発段階で ECU 向けのソフトウェアの妥当性を確認することができます。開発の早期の段階においても、制御モデルからバーチャルECU、バスシステムおよび車両モデルのネットワークに至るまで、多種多様なモデルをシミュレートすることができます。

また、AUTOSAR Classic Platform および AUTOSAR Adaptive Platform ベースで開発されたソフトウェアのシミュレーションもサポートしています。

これにより、それぞれの Platform が共存する自動運転および運転支援システム用ソフトウェアの妥当性確認を

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