列車の一部脱線に関する調査結果と再発防止策について

2017年10月13日 

2 0 1 7 年 1 0 月 1 3 日
東 武 鉄 道 株 式 会 社

列車の一部脱線に関する調査結果と再発防止策について

2016年5月18日に発生した東上線中板橋駅~大山駅間での列車の一部脱線につきまして、お客様と沿線住民の皆様をはじめ、多くの方々にご迷惑とご心配をおかけしましたことを、改めまして深くお詫び申し上げます。

現在、国土交通省運輸安全委員会による調査が継続中であり、脱線の原因究明に向けた協力をしております。当社としても原因究明のために、第三者機関(公益財団法人 鉄道総合技術研究所)に調査協力を依頼し、2016年10月に発表した中間報告において、台車の「側ばり」に発生した亀裂が進展したことにより、脱線に至ったとの報告をいたしましたが、今般、亀裂発生の原因と再発防止策がまとまりましたので、ご報告いたします。

今後、国土交通省運輸安全委員会による調査結果が示された時点で、必要な対策を実施してまいります。



1.調査結果

(1)軌道関係
事故発生直後に測定した脱線箇所付近の軌道変位は、いずれも設計値に近く、整備基準値に対して十分に余裕がある状態でした。また、レール摩耗、レール締結装置、まくらぎ、道床の状態は健全であり、本事故の発生に影響するような状況ではありませんでした。

(2)車両関係
ア 保守・管理に関する調査
調査時に確認された車両の破損は、台車の「側ばり」の亀裂を除いていずれも脱線により生じたものと考えられます。また、車体・台車・輪軸の各管理寸法、静止輪重のアンバランス、および車輪踏面形状・表面状態に、不具合や検修における管理上の問題は認められませんでした。

イ 設計・製造に関する調査
当該溶接部の強度を評価した結果、設計上の問題は認められませんでした。

亀裂発生箇所については、「側ばり」下面と内部の補強板との溶接箇所付近と推定され、当該溶接部について調査しましたが、原因を推定するための有益な情報は得られませんでした。しかしながら、「側ばり」下面と内部の補強板との溶接箇所について、同台車の他部位および脱線した車両のもう一つの台車を調査した結果、複数の微小な溶接不具合が確認されました。

2.脱線の推定原因

当該溶接部については、亀裂が発生した原因を推定するための溶接不具合等の有益な情報は得られなかったものの、亀裂が発生した台車の他部位および脱線した車両のもう一つの台車の溶接状態から、「側ばり」下面と内部の補強板との溶接不具合が亀裂発生に影響した可能性が考えられます。

中間報告のとおり、発生した亀裂が進展したことにより、「側ばり」を介して伝達されるべき車体荷重が、亀裂により各車輪へ均等に伝達されない状況となり、荷重が小さい車輪がレールに乗り上がることで脱線に至ったものと推定しました。

3.再発防止策

脱線を引き起こした車両の台車と同一および類似構造台車(全2,072台車)を対象に、「側ばり」下面に発生した亀裂を早期に発見するため、当該亀裂部を工場検査※1における非破壊検査部位に追加いたします(2016年10月より実施)。

これにより、万が一、台車の「側ばり」下面から亀裂が発生した場合でも早期に発見できる検査体制とし、脱線事故の再発を防止いたします。

※1 工場検査とは、重要部検査(4年または走行距離60万 km を超えない期間ごとに実施する検査)、および全般検査 (8年を超えない期間ごとに実施する検査)をいいます。

以 上


【台車見取図】
【側ばり断面図】
※写真の台車は正常な状態のもの
亀裂部
側ばり
補強板
補強板
側ばり下面
補強板と側ばり下面
との溶接部

この企業のニュース