トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201/T-DXd)の米国におけるHER2陽性乳がんに係る二次治療を対象とした一部変更承認申請受理について

2022/01/17  第一三共 株式会社 

2022 年 1 月 17 日
報道関係者各位
会社名 第一三共株式会 社
代表者 代表取締役社長 眞 鍋 淳
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 コーポレートコミュニケーション部長 大 沼 純 一
TEL 03-6225-1126

トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201/T-DXd)の米国における
HER2陽性乳がんに係る二次治療を対象とした一部変更承認申請受理について


第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)とアストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ)は、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201/T-DXd、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)*1、以下「本剤」)について、HER2陽性乳がんに係る二次治療を対象とした生物学的製剤一部変更承認申請が米国食品医薬品局(以下「FDA」)にて受理され、また優先審査*2の指定を受けましたので、お知らせいたします。FDAによる審査終了目標日(PDUFA date)は2022年度第1四半期に設定されました。

本申請は、2021 年 9 月開催の欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2021)で発表された、HER2 陽性の再発・転移性乳がん患者への二次治療を対象としたグローバル第 3 相臨床試験(DESTINY-Breast03)の結果に基づくものです。

また、本申請は、FDA が主導する Real-Time Oncology Review (RTOR)プログラムおよび ProjectOrbis の一環として審査されています。RTOR は、正式な申請前に FDA が申請データの審査を開始することができるプログラムであり、Project Orbis は、複数の参加国間でがん治療薬の申請と審査を同時に行うための枠組です。これらは有効性の高いがんの治療法を患者にできるだけ早く届けることを目的としています。

当社とアストラゼネカは、本剤において初めて適用されたRTORプログラムとProject Orbisにより、乳がん患者さんへ新たな治療の選択肢を迅速に提供するとともに、複数の参加国において同時に承認を取得できるよう取り組んでまいります。

以 上

*1 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めています。

*2 FDAの優先審査とは、治療上重要な進歩をもたらす薬剤や、現在適切な治療法がない疾患への治療法を提供する薬剤に対して指定されるもので、通常審査期間(10ヵ月目標)に比べ審査期間の短縮(6ヵ月目標)が見込まれます。

HER2陽性の乳がんについて

乳がんは、2020年において200万人以上の新規患者が報告されており、全世界で約69万人が亡くなっています。乳がんの5人に1人がHER2陽性と言われております。HER2は、乳がん、胃がん、肺がんや大腸がんを含む多くのがん細胞表面に発現するタンパク質であり、HER2の過剰発現は、乳がんにおいて進行性疾患や予後不良と関連しています。抗HER2療法の登場によりHER2陽性乳がん患者の生存率は改善していますが、既存薬による治療後に病勢進行したHER2陽性乳がんにおいては治療の選択肢が限られており、依然として高いアンメット・メディカル・ニーズがあります。

アストラゼネカとの提携について

当社とアストラゼネカは、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201/T-DXd)とDS1062/Dato-DXdに関し、それぞれ2019年3月と2020年7月に、全世界(当社が独占的権利を有する日本は除く)において共同で開発及び商業化する契約を締結しました。なお、当社は両剤の製造及び供給を担います。

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