日本ガイシとBASF 改良型NAS電池を販売開始

2024/06/10  日本碍子 株式会社 

2024年6月10日
日本ガイシ株式会社
BASF Stationary Energy Storage GmbH

日本ガイシとBASF
改良型NAS電池を販売開始


日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)とドイツの総合化学メーカーBASFの子会社であるBASF Stationary Energy Storage GmbH(社長:フランク・プレヒトル、本社:独ルートヴィッヒスハーフェン)は、従来の大容量蓄電池NAS(R)電池(コンテナ型)の性能を向上させた改良型NAS電池「NAS MODEL L24」を共同開発し、海外市場(*1)向けに販売を開始しました。

改良型NAS電池「NAS MODEL L24」は、単電池内の腐食の大幅な低減により、年間1%未満の低劣化率を実現しました。従来品に比べ少ない設置台数での運用が可能となり、メンテナンス費用も抑えることができるため、電力貯蔵システムへの投資を約20%削減できます。またモジュール電池内の温度管理を改善し、より長時間の連続放電が可能となりました(*2)。従来品と同様に安全性に配慮した設計で、世界的な第三者安全科学機関であるUL Solutionsによる評価プログラムを通じ、安全規格UL1973認証およびUL9540A規格に基づく試験レポートを取得しています(*3)。

BASF Stationary Energy Storage 社長

フランク・プレヒトル コメント:

改良型NAS電池は、BASFと日本ガイシの共同チームによって開発され、両社の知見、ノウハウを結集した素晴らしい成果です。NAS MODEL L24により、お客さまは初期投資だけでなくプロジェクトの長期的な運用コストを削減することができ、電力貯蔵システムへの投資を約20%低減することができます。再生可能エネルギーへの転換を成功させるための重要な構成要素として、今後もNAS電池の開発・拡販を推進します。

日本ガイシ 執行役員 エネルギー&インダストリー事業本部 エナジーストレージ事業部長

武田龍悟 コメント:

NAS MODEL L24の性能向上は、日本ガイシとBASFが2019年以来築いてきた緊密かつ効果的な協力関係の賜物です。特に年間1%未満の低劣化率は、蓄電池業界の中でも注目すべき性能です。BASFの世界的な販売網を通じて、NAS MODEL L24を使用したソリューションをより多くのお客さまに提供し、世界の再生可能エネルギーの導入促進とCO2排出量削減に貢献していきます。

日本ガイシとBASFは、2019年にNAS電池の販売提携契約と次世代ナトリウム硫黄電池の共同研究契約を締結し、NAS電池の販売拡大と共同研究に取り組んできました。NAS電池は、再生可能エネルギーの安定化や電力需給バランスの調整、非常用電源などさまざまな用途で利用されており、現在までに全世界で250カ所以上、20年以上の安定的な運用実績があります。両社は今後も連携し、改良型NAS電池の提案・販売活動をさらに推進し、世界の再生可能エネルギー導入拡大とカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

仕様

出力 : 直流250キロワット(最大出力)
容量 : 直流1,450キロワット時(初期)
構成 : コンテナ(直流41.7キロワットモジュール × 6台)
寸法 : 幅6.5 × 奥行5.6 × 高さ5.5(メートル)

(*1) 国内市場向けは、国内規制への対応が完了次第、販売を開始します。

(*2) NAS MODEL L24ユニットあたりの直流200キロワットで放電する場合、連続放電時間は6時間です。

(*3) NAS電池は、UL Solutionsによる評価プログラムを通じ、定置用蓄電池の安全規格UL1973のUL認証(単電池・モジュール)を取得しています。また、バッテリーおよび蓄電池システム内の火災リスクを検証する試験規格であるUL9540A規格に基づく試験レポート(単電池・モジュール・設置レベル)を取得し、UL9540A規格に基づく要件への準拠を確認しています(※)。

(※)コンテナ型NAS電池(および搭載される単電池・モジュール)を対象としています。

? NAS電池について

NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池です。大容量、高エネルギー密度(コンパクト)、長寿命を特長とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給することが可能です。全世界で250カ所以上、総出力72万キロワット(720メガワット)・総容量約500万キロワット時(約5,000メガワット時)の設置実績を持ち、電力負荷平準によるピークカットや非常電源用途のほか、再生可能エネルギーの安定化やスマートグリッドの構築など、さまざまな用途で利用されており、環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。

NAS電池製品情報 : https://www.ngk.co.jp/product/nas-about.html

? BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、経済的な成功とともに環境保護と社会的責任を追及しています。また、全世界で約112,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献しています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2023年のBASFの売上高は689億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY )として取引されています。BASFの詳しい情報は、www.basf.com をご覧ください。

? BASF Stationary Energy Storage GmbHについて

BASF Stationary Energy Storage GmbH(BSES)は、BASF SEの100%子会社です。NAS電池事業の探索・開拓を専門的に担い、NAS電池の販売およびNAS技術を日本ガイシと共同開発しています。

※「NAS」は日本ガイシ株式会社の登録商標です。

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