カンプチア・トメイ紙(カンボジア)による河野外務大臣インタビュー

2018年04月11日  外務省 

寄稿・インタビュー

カンプチア・トメイ紙(カンボジア)による河野外務大臣インタビュー

(2018年4月8日付)

「日本の外務大臣:カンボジアは私にとって思い入れのある国」

平成30年4月11日

【問】本年は日カンボジア外交関係樹立65周年ですが,近年の両国の外交関係の発展をどのように評価しますか。

【河野外務大臣】外交関係樹立65周年を迎える記念すべき本年,外務大臣としてカンボジアを訪問できることを嬉しく思います。
今日,カンボジアは,首都プノンペンをはじめ目覚ましく発展し,多くの若者が躍動し,街は活気にあふれています。和平以来,一貫してカンボジアの復興・発展を支援してきた日本として,慶賀に堪えません。
今日,軽工業から精密機器関連製造業,商業やサービス業まで幅広い分野の約180社の日本企業が多くのカンボジア人と共に,カンボジアの経済発展に貢献しています。両国の貿易額も,1993年と比べると,約135百万ドルから1,640百万ドル(2016年)と10倍以上に拡大しました。
両国の交流も拡大し,2016年には直行便が就航しました。毎年,約20万人の日本人がカンボジア,特にアンコール遺跡を訪問しているほか,近年は訪日するカンボジア人も増えています。3月下旬に桜のお花見に日本を訪れたカンボジア人も大勢いらっしゃると承知しています。
両国交流の中で,日本政府は,将来を担う青年の交流を重視しています。2007年からこれまでJENESYS等の人的交流事業を通じて,両国の青年約2,600人が相互訪問を行いました。日本は,1992年以降,カンボジアが重視する人材育成に協力するために,日本政府の奨学金供与による留学生受入れを推進し,これまでに1,000名以上を受け入れています。日本留学経験者は,主要国立大学の学長など各界で活躍されており,喜ばしく思います。
本年は,外交関係樹立65周年を記念する祝賀行事が行われています。2月の第7回絆フェスティバルには,過去最高となる23,000人が参加しました。5月には,東京の代々木公園で,第4回カンボジア・フェスティバルが予定されているほか,一年を通じて両国で様々な行事が予定されています。
このように近年,日カンボジア両国関係は,政治,経済,外交,文化,社会の幅広い分野で活発な交流が行われています。
今回の自分の訪問を通じて,この素晴らしい二国間関係を一層発展できるように尽力していきたいと考えています。
カンボジアには,個人的にも思い入れがあります。当時副総理兼外務大臣であった自分の父・河野洋平が,23年前にカンボジアを訪問しています。当時,カンボジアでは,国連平和維持活動(PKO)が終了し,本格的な国作りが開始したところであり,父は,カンボジアの国造りへの努力に対する積極的な支援を表明しました。このような背景からも,自分は今回のカンボジア訪問を,非常に感慨深く感じています。

【問】日本政府は,カンボジアの開発協力についてどのようなビジョンを有していますか。また,日本の協力の優先事項は何であり,その理由は何でしょうか。

【河野外務大臣】日本は,内戦終結直後よりカンボジアに対するODAを実施し,カンボジアの和平,復興,開発を一貫して支援してきました。無償資金協力第1号案件として修復した橋は,当時のシハヌーク前国王自らがカンボジア・日本友好橋と命名するなど,まさに日本とカンボジアの友好の象徴です。現在,交通量の増加等に対応するため,同橋の改修を行っていますが,これは,現在に至っても両国の良好な関係が継続していることの表れです。
これまでの日本の支援は,上水,母子保健,教育,運輸交通,農業,地雷,投資環境整備,民法・民事訴訟法を中心とした法制度整備,各分野の人材育成など多岐にわたってきました。その主眼は,カンボジアと地域の開発ギャップ縮小のために,基礎的な社会インフラや貧困削減に向けた取組にあったと言えます。
こうした日本をはじめとする国際社会の支援もあり,カンボジアは年平均7%の経済成長を達成し,また貧困率も大幅に改善しました。一方で,首都プノンペンの都市問題の深刻化や都市部と地方部の格差といった新たな課題が生じていると認識しています。現在はこれら新たな課題への対応を重視し,物流改善,都市機能強化,教育・人材育成に重点に取り組む所存です。
カンボジア政府は,2030年までの高中所得国入りに向けた経済社会基盤の更なる強化に取り組んでいます。日本の開発協力方針では,(1)産業振興支援,(2)生活の質向上,(3)ガバナンスの強化を通じた持続可能な社会の実現を柱としており,この柱の下,カンボジア政府の取組を包括的に支援していきます。

【問】カンボジアにおける総選挙について,日本はカンボジア国民の意思が反映されることを期待すると述べ,選挙支援を継続している。一方,欧米は最大野党が参加しない選挙結果は受け入れられないと述べており,カンボジア世論にも旧救国党勢力が不参加なら見せかけだけの選挙だとの意見もある。日本政府の総選挙に対する考えいかん。また,今回の総選挙が今後の両国関係や協力に影響を与えることはあるか。

【河野外務大臣】これまでカンボジアの民主主義に基づく国造りを一貫して支援してきた友人として,日本は,カンボジア政府が本年7月の選挙を国民の意思が適切に反映される形で実施することを期待しています。
そして,7月の選挙を通じ,全ての国民の団結の下,2030年までの高中所得国入りの実現に向けて,更に力強く国の開発を進めていく体制が整うことを期待しています。

今後両国間関係が更に深化し,発展することを望んでいます。

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