疾患ゲノム解析を活用した新たな創薬標的探索手法を開発

2023/12/14  株式会社 FRONTEO 

2023 年 12 月 14 日

株式会社 FRONTEO

疾患ゲノム解析を活用した新たな創薬標的探索手法を開発

株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下FRONTEO)は、自社開発AI「KIBIT(キビット)」を用い、ゲノムワイド関連解析(genome-wide association study、以下 GWAS)*1や発現量的形質遺伝子座(expression quantitative trait loci、以下 eQTL)*2などに基づく遺伝子情報と、医学・薬学論文情報とを掛け合わせて創薬標的探索を行う、新たな解析手法を開発したことをお知らせします。本手法により、AI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(以下 DDAIF)」において、創薬ターゲット発見の確度と効率が一層向上することが期待されます。

疾患の多くは、ゲノム配列変異による遺伝子の機能異常によって発生すると考えられており、疾患メカニズムの解明には異常の生じる遺伝子やその影響を受けて発現量の変化する遺伝子の特定が重要です。GWASやeQTLなどに基づく解析は、その重要な手がかりとなる半面、これらの情報のみではゲノム配列変異や発現量の違いがどのように疾患発症に結びつくのかの解明が困難であることが課題となっていました。

このたび開発した新たな解析手法では、eQTL解析により特定された遺伝子発現の影響を受ける遺伝子を、KIBITで解析します。ゲノム情報から予測される遺伝子発現変動と、医学・薬学論文情報を網羅的に学習したAIを駆使した当社独自のAI創薬プラットフォームDrug Discovery Best Known Methodsとを組み合わせることで、より高精度な疾患原因遺伝子・疾患メカニズムの予測や仮説生成、創薬標的候補の選出・優先順位付けなどが可能となります。

FRONTEOは、これからもDDAIFのサービス拡充を図り、新規性の高い標的候補の提示技術を拡張することで、より確度の高い創薬標的探索を実現し、製薬企業をはじめとする顧客のニーズに応えてまいります。

本件単独による業績への影響は軽微です。

*1 GWAS:多数の人のゲノム情報を網羅的に比較し、特定の疾患のある人とない人との遺伝的変異や特徴などの差異、体質、疾患との関連性などを検出する研究手法
*2 eQTL:遺伝子の発現量に影響を与えるDNA領域

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https://ssl4.eir-parts.net/doc/2158/tdnet/2372486/00.pdf

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