エボラ出血熱:コンゴ民主共和国の都市部で新規症例

2018年05月17日 

エボラ出血熱の集団発生がコンゴ民主共和国北西部の赤道州で続いている。2018年5月16日には新たに1人の感染が州都ムバンダカで確定した。感染者が都市部で発見されたことで状況は深刻さを増し、感染者の隔離や接触者の追跡調査、感染者の早期発見の重要性が高まっている。国境なき医師団(MSF)は現地保健省や他団体と緊密に連携して、ムバンダカと流行発生地の両方でエボラまん延の阻止に向けて対応を拡充している。


エボラ治療センターで防護服を身に着けるスタッフ(コンゴ民主共和国、2014年9月撮影)

都市部と流行発生地の両方で対策進む

ムバンダカはコンゴ川に面した人口100万人を擁する河川交易が盛んな都市。今回のエボラ流行の発生地であるトゥンバ湖東部のビコロ地区からは120キロほど北に位置する。ビコロでは既に合計42人に出血熱の症状があり、うち2人がエボラと確定、20人は可能性が高く、20人は疑い例とされている。これまでのところ23人が死亡した。現在、514人が感染者と接触した可能性があるとして保健当局から通知を受け、医学的監視下に置かれている。

MSFの緊急対応チームは既に現地入りし、ムバンダカの拠点病院(5床)と、ビコロ病院(10床)に隔離区画を設置したほか、エボラ治療センター(各20床)の設置もそれぞれ進めている。近日中には、数トン分の医療品や感染制御物資をムバンダカに届ける予定だ。MSFのスタッフは、エボラ対応の経験豊富な医療従事者、感染制御の専門家、ロジスティシャンが選ばれ派遣されている。

ムバンダカでMSFの緊急対応コーディネーターを務めるヘンリー・グレイは「コンゴでのエボラ発生は過去40年で9回目となりますが、これまでは全て遠隔地域で発生し昨年の発生でも大きな流行にはいたりませんでした。しかし今回新規症例が都市部で確認されたことで状況は変わり、方針の転換が必要となりました。今後は追跡調査を強化して感染経路を把握することがさらに重要となります」と話す。

エボラ対策の「6つの柱」

流行制御の追加措置として、MSFとMSFの疫学研究機関「エピセンター」は、現地保健省と世界保健機関(WHO)と連携し、エボラワクチン「rVSVDG-ZEBOV-GP」の集団予防接種を実施する。

こうした戦略が導入される一方、エボラ対策には基本となる6つの柱がある。それらは、感染者の治療と隔離、感染者の早期発見、感染者に接触した人の追跡と経過観察、予防と治療に関する地元住民への啓発、現地医療機関の支援、感染拡大防止のための安全な埋葬であり、エボラのまん延阻止にはこうした対策の継続が欠かせない。

MSFはコンゴ民主共和国で1981年から活動。現在は国内26州のうち20州で活動し、紛争と暴力による被害者、国内避難民、出血熱、コレラ、はしか、HIV/エイズなどの感染症患者に医療を提供している。

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