岡村長官記者会見要旨(3月7日)

2018年03月07日  消費者庁 

岡村消費者庁長官記者会見要旨
(平成30年3月7日(水)14:00~14:26 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室)

1.発言要旨

皆様、こんにちは。
本日は、被災県産食品の風評被害に関する消費者意識の実態調査の概要等について、ご報告申し上げます。
(モニターに投影)
被災県産食品などに関する消費者意識等についての、2つの調査結果についてご紹介いたします。お手元に資料を配付しておりますが、その中からポイントを絞ってご紹介いたします。
まず、本年2月に行いました、被災県産食品の風評被害に関する消費者意識の実態調査の、第11回の結果でございます。
この調査は、平成25年2月から半年ごとに行っている、インターネットによるアンケート調査です。この調査では、放射性物質を理由に食品の購入をためらう産地を聞いたところ、「福島県」という回答が、回答者全体の12.7%でした。これは、調査開始以来、今までで最も少なく、他の産地についても同様の減少傾向が得られております。
福島県は、他の産地と比べると、高い割合になっておりますが、年を経るごとに拒否感は薄らいでいる傾向が読み取れると思っております。
この調査は、震災2年後からの消費者の意識の傾向を時系列的に確認できることから、一定の役割を担っていると評価されております。
一方、震災から7年になろうとしている現在では、この調査では確認しきれない、消費者の現状や意識が生じてきているとの指摘もございます。
そのため、今回、消費者庁がより効果的にリスクコミュニケーションに取り組んでいく上で必要となる、消費者の実際の行動の状況や意識を把握するために、新たな調査を併せて実施いたしました。調査方法は同様のインターネット調査です。
こちらの調査では、対象地域を全国47都道府県に広げ、消費者の食品選択に係る実際の行動や周囲の状況を直接的に聞いております。
例えば、「野菜・果物」、「米」、「牛肉」、「魚介類」の4品目それぞれについて、福島県産の食品を購入しているかどうかを聞きました。このうち、いずれか1つでも「福島県産の食品を購入している」と回答した方に、その理由を聞いたところ、「(5)福島県や福島県の生産者を応援したいから」が最多で40.9%、次いで、「(1)おいしいから」で38.3%でした。「(10)安全性を理解しているから」は27.3%で3番目となり、流通している食品の安全性を知ってもらうことも、引き続き重要であると認識いたしております。
また、4品目のうち、いずれか1つでも「福島県産の食品を購入していない」と回答した方に、その理由を聞いたところ、「(10)特に理由はない」が最多で42.5%、次いで「(4)日常生活範囲で売られていない」で33.2%でした。日常生活範囲で売られていないというのは、福島から離れた地域では、事故の前から取扱いが少なかったということもあり得ると思われます。
一方、「(9)放射性物質が不安」は3番目の13.9%と、上位2項目に比べて少なくなっております。しかしながら、基準値以下の食品や検査への不安も一定数あることが分かります。
以上の結果等を踏まえ、消費者庁では福島県に限らず、全国の大きな消費地でリスクコミュニケーションに取り組む際に、被災地の生産者のご努力や、これによって放射性物質が検出されていない現状を消費地に届けるようにするなど、伝達すべき情報や効果的な手法を検討してまいります。
また、関係府省のご協力を得て、事業者などに、消費者の意識の現状を伝えていくことを検討してまいります。
さらに、当庁が発行しております「食品と放射能Q&A」を改訂するとともに、日本在住や日本を訪れる海外の方々への情報発信として、ミニ版の外国語版(英・中・韓)を作成し、ウェブサイト等を通じて公表・配布いたします。 これからも関係府省と連携して、風評被害の払拭に向けて、食品中の放射性物質について、消費者の理解増進に資する様々な取組の推進に努めてまいります。

2.質疑応答

問 時事通信の斉藤です。
今回、新しい調査もされたということですが、食品中の放射性物質に関する意識が福島県と他の地域で、はっきり差があるということや、この詳細版を見ると、放射性物質に関する用語についても、福島県と他の地域とでは差があるような状態だと思います。
これについて、どういうことが背景にあるのかという長官ご自身のご認識と今後、消費者庁として取り組むべき課題を教えていただければと思います。

今回の調査では、食品と放射性物質に関する消費者の意識に加えて、全国の消費者の購買行動の実態も、一部把握できたところと考えております。
消費者庁といたしましては、これからも関係府省との連携を強化いたしまして、今回の調査結果等の消費者の現状を流通・小売事業者等にしっかりと正確に伝えていくことを検討いたします。
そして風評被払拭に向けて、引き続き、消費者の理解増進に努めてまいりたいと考えております。

問 読売新聞の及川です。
インターネット意識調査の購入しない理由の中で、「基準値以下の食品でも不安だから」という人が8.3%、「放射性物質の検査がきちんとされていないと思う」と回答した人が6.4%、「放射性物質を含んだものが出回っていると思う」と回答した人も6.7%います。
初めての結果なので比較できないところもあると思いますが、この結果についての受け止めを伺えればと思います。

この調査は、複数回答ですから、こういった(6)、(7)、(8)、(9)という項目について、同じ人が2つ、3つのところにマークをしているということを確認いたしております。「(9)放射性物質が不安だから」と回答している人の内訳をより詳しく確認していくと、例えば「(7)検査が不十分なのではないかという心配がある」や「(6)基準値以下の食品でも不安だと感じる」はよく似た選択肢になっており、その人の意識をなるべく客観的に捉えるために複数の選択肢を用意した結果、詳しい消費者の意識を確認できているのですが、(6)、(7)、(8)、(9)を足したものは国民全体からみた割合(%)の数字にはならないということでございます。
そういう意味では、専門家のコメントの中にも、(9)の内数が人によって(6)、(7)、(8)に出ているのではないかというご意見を頂いておりますので、多い少ないという評価については、どういった形で、いつと比べて多い少ないといったご返答は非常に申し上げにくいところでございます。

問 日本消費者新聞の丸田です。
2点お聞きしたいのですが、11回目の調査の中では、食品検査をしていることを知らない人は4割、出荷制限に関する情報を得ていない人も4割とあります。一方で、行政機関のウェブサイトで出荷制限の情報などを得ている人は1割台でした。
食品中の放射性物質に関するリスクコミュニケーションの中の、これからの取組の中に書いてある、伝達すべき情報や手法の精査というのがありますが、ここの伝達すべき情報や手法の精査について、何かお考えがありますでしょうか。
要するに、ウェブ、インターネットを使えない方々も圧倒的に多いし、Q&Aの配布も何十万部も配布されていらっしゃいますけども、今後のミニ版の外国版の配布であるとか、あるいは地域協議会や見守りネットワーク、消費者教育の協議会など、いろいろできているわけですけれども、縦割りではなくて、そういうことで何かお考えがあればということです。
もう1つが、元々、風評被害というのは、安全ではあるのですが、安全でないかのような形の風評によって被害を受けると、消費者の側に何らかの問題があるのではないかという形で受け止められることがあったのですが、今回、この全国調査では、購入しない理由というのが、日常生活の中に売られてなかったり、あるいは特に理由がないということであって、この風評という言葉を今後使っていいのかどうかということについては、何かお考えがありますでしょうか。

2点目の方ですが、今回の調査については、「風評被害」というところから始まるタイトルを付けているわけではなく、「放射性物質をテーマとした食品安全に関するインターネット意識調査」ということですので、過去平成25年から11回積み上げてきた風評被害に関する調査とはアプローチが異なるものでございます。
そして、この新しい調査を行ったきっかけというものも、昨年、これまで続けてきた調査について皆様方にご報告したときに、継続的な調査も必要であるが、違った展開も検討してもいいのではないかというご意見も頂きまして、消費者庁としても、今回新しい調査を風評被害ということから始まるわけではなく、食品と放射性物質といった形でのテーマ設定でインターネット調査をして、分析して、今回、ご報告しているという次第です。
ですので、調査の母集団が違っておりますし、質問も違っております。その意味では、これまでの調査と違う形での評価もこれからしていただければと期待しているところでございます。
また、1点目については、ご指摘のとおり、こういった調査結果の伝達、特に市場に出回っているものについては、検査がなされているので、安全であるものが人々の入手可能な範囲に届いているというシステムについて、きちんと事実を消費者にご理解いただくということは大切、と考えております。
ただいま、ご指摘いただきましたとおり、日頃から意識していない人は、現在のシステムも気にしないまま、日常を過ごしているということですので、消費者にとって安心・安全な産地から出荷されたものであるということを理解していただくための伝達方法は、消費者庁も1つの課だけではなく、関係機関や都道府県と連携して日頃から取り組んでおります消費生活全般にわたる課題についてのネットワークを活用して、「現在の消費者の意識」を理解した流通・小売事業者の活動を促すように、これから消費者サイドにも、そして事業者サイドにも消費者の意識を正しく届けていきたいと考えております。

問 ミニ版の外国語版ですが、今は全部できているのでしょうか。
消費者安全課

今あるのは、長官が持っておられましたA4判Q&Aの古い版の英語版がございます。今後、Q&Aミニ版を英中韓で作ろうということです。

問 いつごろになるのでしょうか。
消費者安全課

これから翻訳いたしますので、来年度になります。

問 データマックスの木村です。
機能性表示食品制度の検証事業の情報公開請求の訴訟についてですが、今後の対応方針をお願いします。

先週も訴訟が提起されたというコメントをメディアの方から頂いたのですが、本日現在、まだ当庁にご指摘の対象であろうと思われる訴状は届いておりません。したがって、訴状の内容等が不明ですので、お尋ねの当庁の対応についても、個別のお答えができる状況にはありません。これから訴状が当庁に届きましたら、内容を確認し、当庁として適切に対応してまいりたいと考えております。

問 提訴した佐野さんの話ですと、ここ1年かそれ以上の期間にわたって、情報公開を求めたが、欲しい情報が出てこなかったという話ですけれども、2015年度の機能性関与成分に関する検証事業で、情報公開がしにくい理由というのは、どの辺りにあるのでしょうか。

訴状と切り離して、ただいまの木村記者のご質問を前提にお答えいたしますと、2015年度、すなわち平成27年度の機能性表示食品の検証事業の結果の概要につきましては、平成28年5月26日に開催した「第5回機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」の資料として、すでに公表いたしております。さらには、平成29年4月18日開催の消費者委員会本会議においても、消費者庁として説明を行っております。
ですので、今回の訴訟とおっしゃっておられる内容につきましては、当庁としては国の情報公開制度に則って対応していることでございますので、内容を踏まえた上ではありますが、適切に対処してまいります。
なお、ご参考までですが、その平成27年度の機能性表示食品の検証事業の結果についてですが、具体的に申しますと、分析方法に関する資料が不十分とされた届出食品については、最終的に変更の届出や撤回の届出がなされております。
さらに、買上調査の結果において、分析値が表示値を下回るなどの問題があった届出食品については、分析方法の追加資料を求め、再分析を行ったところ、品質管理に問題は見られておりません。この2点から機能性表示食品としての安全性や機能性に問題があると認められたわけではありません。
したがって、安全性や機能性に問題があると認められたわけではない食品に関して、個別の事業者名や商品名を公表いたしますと、当該事業者の信用を低下させることにつながる可能性もあり、当該事業者の正当な利益を害する恐れもあります。消費者庁としては、最終的には、当該事業の結果を踏まえて、該当事業者に対して変更届や撤回届等を求めるなど適切に対処いたしており、結果として安全性や機能性が担保されている機能性表示食品が市場に流通しておりますので、消費者の食品の選択についての安全性・機能性についての問題は排除されており、消費者の選択に貢献できる検証事業を行ったと考えております。

問 今回、検証事業を巡って訴訟があったということで、今後、検証事業を行う上での影響についてはいかがでしょうか。

これも申し訳ありません。訴状の内容について確認しているわけではありませんので、今後、考え得る影響の具体的なイメージというものはなかなかお答えできないところですが、私どもとしては平成27年度の検証事業の結果を踏まえて、該当事業者に対して変更届や撤回届等を求めるなど、適切な対応を重ねているところでございますから、その結果、安全性や機能性が担保されている機能性表示食品が市場に流通しているという現状でございます。
したがって、今後も訴状の内容にはかかわらず、当庁として検証事業はしっかり継続してまいりたいと考えているところでございます。

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