ノバルティス、「ルセンティス(R)」の新規適応症として小児の失明に至る希少疾患である未熟児網膜症を申請

2018年10月11日  ノバルティスファーマ 株式会社 

ノバルティス、「ルセンティス(R)」の新規適応症として小児の失明に至る希少疾患である未熟児網膜症を申請

2018年 10月 11日

プレスリリース

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社

この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2018年9月22日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版はhttps://www.novartis.comをご参照ください。

  • 未熟児網膜症(ROP)に対する現在の標準治療であるレーザー治療は、病態を引き起こす血管内皮増殖因子(VEGF)の増加に対処できず、白内障など将来の合併症のきっかけになる可能性がある1,2,3
  • 第III相臨床試験のRAINBOW試験において、レーザー治療に対する「ルセンティス(R)」の優越性を検証する主要評価項目(治療成功率)は、統計学的に有意差はみられなかったものの、「ルセンティス」はROPに対し有効、安全かつ忍容性が良好な治療薬であることが明らかになった4
  • 治療成功率はレーザー治療群で66.2%であったのに対し「ルセンティス」0.2mg投与群では80%に達し、治療成功オッズは「ルセンティス」0.2mg投与群で2倍高いことから、RAINBOW試験のデータは臨床的に意義があるとノバルティスは考える4
  • ノバルティスは、重度の視力低下のおそれがあるROPに対して革新的な治療を提供するため、ROPを本剤の新規適応症として申請する予定である。本剤は、ROPを適応症とする最初の薬剤として期待される

2018年9月22日、オーストリア・ウィーン発 ? ノバルティスは、第18回欧州網膜専門家会議(European Society of Retina Specialists:EURETINA , 2018年9月20-23日)において、小児における失明の主な原因であるROPの未熟児を対象として「ルセンティス(R)」(一般名:ラニビズマブ、以下「ルセンティス」)とレーザー治療(現在の標準治療)と比較した第III相臨床試験(RAINBOW試験)の結果を発表しました1,5。レーザー治療が眼組織に障害を与えるのに対し、「ルセンティス」は、疾患の根本的な原因である血管内皮増殖因子(VEGF)の眼内濃度の上昇を抑えます2,6,7
RAINBOW試験において、主要評価項目(治療成功率)は統計学的に有意差はみられなかったものの(有意水準p=0.025に対しp=0.0254)、「ルセンティス」0.2mg投与群および0.1mg投与群とレーザー治療群との間の治療成功率(それぞれ80%、75%及び66.2%)の差は臨床的に意義があるとノバルティスは考えています4。ベネフィット・リスクプロファイルが良好であることから、ノバルティスは「ルセンティス」の新規適応症としてROPを申請し、発症率は非常に低いが重要な患者集団をサポートしようと考えています。

ドイツのフライブルク大学眼センターにある網膜外科の上級医師兼血管新生研究グループ長であるアンドリアス・シュタール(Andreas Stahl)教授は次のように述べています。「現在の標準治療であるレーザー治療は、VEGFの上昇に関与する眼の組織を破壊することで作用しますが、ROPの根本的な原因を対処することは出来ません。レーザー治療は有効ですが、この病態の原因をターゲットにする革新的な方法に明らかな医療ニーズがあります。「ルセンティス」は、ROPに対して有効かつ忍容性が良好な治療選択肢であることがRAINBOW試験で立証されたことから、大事な患者さんとその親御さんに新たな希望をもたらす可能性があります」

発展途上国のみならず先進国において、ROPによって視力を失う子供が毎年約50,000人いると推定されています5。未熟児の網膜血管の異常発達が原因で発症するこの疾患は、VEGFと呼ばれる増殖因子の濃度が高くなることにより進行します7。早産の後、眼内のVEGF濃度が高値であると網膜血管の異常発達をきたし、これが網膜剥離などの構造異常につながり、視力低下や失明に至るおそれがあります2,7

ノバルティス眼科領域の開発部責任者であるダーク・ザウアー(Dirk Sauer)は次のように述べています。「RAINBOW試験は、アイケアにおける最も緊急性の高いニーズに対処するために実施している取組みの1つです。本剤をROPの患者さんに使用できるようROPを「ルセンティス」の新たな適応症として申請することで、小児における失明との戦いに貢献したいと考えています」

RAINBOW試験はノバルティスの小児臨床試験計画(PIP)の重要な要素であり、ROPなどの希少疾患に対する治療薬を検討するための幅広い取組みの1つでもあります。

ルセンティスについて

「ルセンティス」(ラニビズマブ硝子体内注射液)は、世界で初めて眼疾患を対象として承認された抗血管内皮増殖因子(抗VEGF)治療薬です。本剤は、滲出型加齢黄斑変性症(nAMD)の治療を革命的に変化させ、世界各地でnAMDによる失明を約50%減少させるのに貢献しました。10年以上にわたり6つ適応症:nAMD、糖尿病黄斑浮腫(DME)、網膜静脈分岐閉塞症(BRVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、近視性脈絡膜新生血管(mCNV)およびその他の脈絡膜新生血管(CNV)を取得することにより、「ルセンティス」は今でも世界中の患者さんの視力維持、回復に貢献しています。「ルセンティス」を、最も若く最も抵抗力の弱い患者さんに対する治療薬とするための取り組みを継続しています。

日本では2009年1月に承認され、日本における効能又は効果は、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫です。

「ルセンティス」は110以上の国と地域で承認されており、ノバルティスが実施した129の臨床試験と実臨床における広範な使用経験により、その有用性は裏付けられています。「ルセンティス」の臨床開発プログラムには、全適応症を通じて76,000名以上の患者さんが参加され、2006年の米国における発売以来、370万患者・治療年の臨床経験があります。「ルセンティス」はジェネンテック社とノバルティスにより共同開発されました。米国における「ルセンティス」の商業的な諸権利はジェネンテック社が所有し、ノバルティスは、米国以外での独占権を有しています。「ルセンティス」はジェネンテック社の登録商標です。

ROPについて

未熟児網膜症(ROP)は希少な失明性疾患であり、早産児における網膜血管の異常発達により生じます5,7。網膜は眼の内層にあり、光を受容して視覚情報に変換し脳に伝達します8

発展途上国のみならず先進国において、ROPは小児における失明の主な原因であり、ROPが原因で視力を失う子供が毎年約50,000人いると推定されています5

網膜は妊娠後期に発達するため、超早産児では酸素供給に必要な網膜血管の発達が不完全となる可能性があります2,7。VEGFは新しい血管の発達(血管新生)に重要な調節因子であり、ROPの進行に重要な役割を担っています。出産後、網膜血管が正常に発達しない場合、網膜血管が網膜を牽引し、黄斑牽引、網膜剥離又はその他の構造異常を起こし、視力低下や失明に至るおそれがあります7

RAINBOW試験について

RAINBOW試験は、国内外のROP患者240名を対象として「ルセンティス」(ラニビズマブ)硝子体内投与の有効性及び安全性をレーザー治療と比較する無作為化、非遮蔽、多施設共同試験です。本試験では「ルセンティス」0.1mgおよび0.2mgと標準治療であるレーザー治療を比較しました。試験開始24週間後に評価項目を判定しました。RAINBOW試験の長期継続試験が現在進行中であり、2022年第4四半期までに終了する予定です。正確な終了日は、今後確定する予定です4

眼科領域におけるノバルティスについて

ノバルティスは、網膜疾患、緑内障、ドライアイ、その他の外眼疾患を含む前眼部および後眼部の両方の治療薬を有します。2016年には、世界中で約2億人の患者さんがノバルティスの眼科用薬剤で治療されました。

免責事項

本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。

ノバルティスについて

ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2017年の売上高は491億米ドル、研究開発費は90億米ドルでした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約125,000人の社員を擁しており、世界150カ国以上で製品が販売されています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com

以上

参考文献

  1. Mintz-Hittner, H., Kennedy, K. and Chuang, A. (2011). Efficacy of Intravitreal Bevacizumab for Stage 3+ Retinopathy of Prematurity. New England Journal of Medicine, 364(7), pp.603-615.
  2. Nei.nih.gov. (2018). Facts About Retinopathy of Prematurity (ROP) | National Eye Institute. [online] Available at: https://nei.nih.gov/health/rop/rop [Accessed 30 Aug. 2018].
  3. S. Kaiser, R. and T. Trese, M. (2001). Iris Atrophy, Cataracts, and Hypotony Following Peripheral Ablation for Threshold Retinopathy of Prematurity. Arch Ophthalmol, 119(4), pp.615-617.
  4. Clinicaltrials.gov. (2018). RAINBOW Study: RAnibizumab Compared With Laser Therapy for the Treatment of INfants BOrn Prematurely With Retinopathy of Prematurity - Study Results - ClinicalTrials.gov. [online] Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/results/NCT02375971 [Accessed 30 Aug. 2018].
  5. Gilbert, C. (2008). Retinopathy of prematurity: A global perspective of the epidemics, population of babies at risk and implications for control. Early Human Development, 84(2), pp.77-82.
  6. Medicines.org.uk. (2018). Lucentis 10 mg/ml solution for injection - Summary of Product Characteristics (SmPC) - (eMC). [online] Available at: https://www.medicines.org.uk/emc/product/307/smpc [Accessed 30 Aug. 2018].
  7. Keshet, E. (2003). Preventing pathological regression of blood vessels. Journal of Clinical Investigation, 112(1), pp.27-29.
  8. Moorfields.nhs.uk. (2018). Anatomy of the eye - Moorfields Eye Hospital. [online] Available at: https://www.moorfields.nhs.uk/content/anatomy-eye [Accessed 30 Aug. 2018].

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