2024年9月開業|グラングリーン大阪うめきた公園に3名の国際的なアーティストによる大型彫刻をプロデュースしました

2024/05/29  有限会社 TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE 

このたびTOSHIO SHIMIZU ART OFFICEは、三菱地所株式会社を代表企業とするグラングリーン大阪開 発事業者JV9社(プロジェクト概要参照)がJR大阪駅前で公民連携により建設中のグラングリーン大阪「うめきた公園」に3組6点の彫刻をプロデュースいたしました。 ケイト・トムソンによる触れることのできる大理石彫刻、 ラム・カツィールによる高さ3メートルを超える大型ステンレス彫刻、 金子潤による美しい色彩のセラミック彫刻です。アーティスティック・ディレクターは清水敏男が務めました。 3名のアーティストによる彫刻が公園内のさまざまな場所で訪れる人にインスピレーションを与え、コミュニケーションを誘発し、イノベーションがうまれ、そして楽しい時間を過ごしていただけるきっかけとなることを祈ります。 グラングリーン大阪「うめきた公園」は本年9月6日に先行開業予定です。


プロジェクト概要


アーティスティック・ディレクター|清水敏男
アートコーディネーション|TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE
アーティスト|ケイト・トムソン(Kate Thomson)、ラム・カツィール(Ram Katzir)、金子潤(Jun Kaneko)
事業者JV(施主):|三菱地所株式会社、大阪ガス都市開発株式会社、オリックス不動産株式会社、関電不動産開発株式会社、積水ハウス株式会社、株式会社竹中工務店、阪急電鉄株式会社、うめきた開発特定目的会社(出資者:株式会社大林組)
公園施設全体|基本設計・実施設計:株式会社日建設計  VS.設計監修:安藤忠雄建築研究所
大屋根|基本設計・実施設計:有限会社SANAA事務所
公園設計|デザインリード:GGN  デザイナー:株式会社日建設計
都市公園|公園施工者:大林組・竹中工務店・竹中土木特定建設工事共同企業体
公園施設施工者:うめきた2期共同事業体(株式会社竹中工務店、株式会社大林組)

作品概要


Kate Thomson (C) 2023 photo TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE
作品名 : Serendipity 
作家名 :ケイト・トムソン(Kate Thomson)
作品サイズ :W2200 x D1400 x H900mm, W2150 x D1250 x H750mm, W2150 x D1100 x H750mm
素材 :大理石
制作年 :2023
設置場所 :グラングリーン大阪 うめきた公園内 サウスプラザ
スコットランド出身で現在は岩手県の自然豊かな環境で制作を行うケイト・トムソンによる作品です。本作を 含むケイト・トムソンの彫刻の多くは、眺めるだけでなく、触ったり座ったりして楽しむことができます。 うめきた公園のランドスケープの隆起や曲線と呼応するような形状をもった彫刻です。芝生や樹木のみどりに 映える白い大理石製の本彫刻群は、座り方を限定しない形状をしているため、それぞれの利用者が自分ならで はの座り方の発見できます。憩いの空間を提供するだけでなく、利用者のクリエイティビティを刺激し、創造 の場をつくりだします。

作家略歴
ケイト・トムソン Kate Thomson
1961年 スコットランド生まれ、岩手県在住。
スコットランドと日本で制作、活躍するアーティスト。白大理石の彫刻を得意とし、優しい形態の抽象彫刻を日英各地に設置しています。創作の根源には土地の歴史的 な背景があり、それを美しい曲線の彫刻に変貌させます。
ケイト・トムソンの彫刻 は都会で暮らす現代人がその周りで新しいコミュニケーションを築くことを誘発します。

Ram Katzir (C) 2023 photo TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE
作品名 :YUMEMITAI
作家名 :ラム・カツィール(Ram Katzir)
作品サイズ :W4500 x D2330 x H3300mm
素材 :ステンレススチール
制作年 :2023
設置場所 :グラングリーン大阪 うめきた公園内 VS.前
イスラエル出身で現在は主にオランダで制作を行うラム・カツィールによる作品です。ラム・カツィールはヨーロッパを中心に活動し、数多くのパブリックアートを制作しています。 うめきた公園を訪れる様々な属性をもった人をモチーフとした人体が雲の中に頭をつっこんだ一見ユーモラ スな本作は、デジタルな「クラウド」が膨大なデータを蓄える現代において、実体をもった「クラウド (雲)」となり人々がアイディアやひらめきを共有している様子を表します。うめきた公園を訪れる人々の 間にコミュニケーションがうまれ、イノベーションへと繋がる様子を象徴的に表した作品です。 インターネットが世界を 凌駕するインフラになっ た現代世界、人々のつながり方は全く新しくなっ たと言えるでしょう。 人々はインターネットを 通じて共通の夢を見ているのかも知れません。この彫刻は現代そして未来 の人々が夢でつながって いることを表現しました。 磨き抜かれたステンレスとともにぜひ写真を撮ってください。

作家略歴
ラム・カツィール Ram Katzir
1969年 イスラエル生まれ、オランダ在住。
ラム・カツィールは日常の中で出会う小さな出来事、発見、出会い、歴史などを テーマに人々が心の奥に抱いているほのぼのとしたユーモアに溢れる作品を制作しています。

Jun Kaneko (C) 2023 photo TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE
作品名 :FULL BLOOM I / FULL BLOOM II
作家名 :金子 潤(Jun Kaneko)
作品サイズ :H1530 x W750 x D490 mm (台座除く) 素材 :セラミック
制作年 :2023
設置場所 :グラングリーン大阪 うめきた公園内 色彩ガーデン
愛知県名古屋出身で現在はアメリカ・ネブラスカ州オマハで活動する金子潤による彫刻です。画家としてキャリアをスタートさせた金子の彫刻は、立体だけでなく絵画としての力強さを兼ね備えています。うめきた公園は様々な植物で満たされており、季節によって本作品の周辺環境の色彩が変わります。その変化の中に新たな色彩や要素を加えることで作品が存在感を持ち、同時に周辺環境と関係し合ってユニークな空間を創出するような色彩・柄の作品をうめきた公園のために制作しました。作品とランドスケープのうみだす非日常的な色彩体験からインスピレーションを受け、イノベーションがうまれるきっかけとなることを祈っています。

作家略歴
金子 潤 Jun Kaneko
1942年 愛知県生まれ アメリカ・オマハ在住。
画家としてスタートした金子潤はカリフォルニアで現代陶芸運動と出会い絵画と陶 芸を組み合わせた作品を制作し独特の境地を開きました。大型陶器の表面に抽象絵 画を描いた「ダンゴシリーズ」は高い評価を得ており、世界中の数多くの公共空間に設置されています。

アーティスティックディレクターのメッセージ


「うめきた公園」のアートのテーマは『クリエイティヴな風』です。創造力を掻き立てる爽やかな風が公園 のアートから湧き上がり、グラングリーン大阪を包み込むことをイメージしています。 パブリックスペースにアートを設置するには様々な要素を考える必要があります。 「うめきた公園」が大阪駅に直結したパブリックな公園であることは最も重要な要素です。あらゆる人々が 訪れる場所ですから老若男女そしてお子さんにも安全に楽しんでいただけるアートにしなくてはなりませ ん。アーティストの名前を知らなくても美しい、面白いと思っていただけるようなアートを作る必要があります。 さらにこの公園を作った人々の思いをアートで表現することも重要です。想像力が養われたり、未来への希 望が湧いてきたり、クリエイティヴな気分になったりすることを考えてこの公園が作られたのですからアー トを眺めたり、触ったりしているうちにそうした思いが湧いてくることを考えました。さらに彫刻が置かれ る場所や形状を考えるにあたり、公園設計者と綿密に話し合い、公園の起伏、景観、四季の花々の色彩を考 えて彫刻を選びました。
・遊歩道と緑の芝生にはイギリス生まれのケイト・トムソンによる白い大理石製の彫刻を設置しました。見 るだけでも美しいのですが触ることはもちろん座ることもできます。
・VS.前にはオランダで活躍するラム.カツィールの彫刻を設置しました。グラングリーン大阪に集うビジネスマン、女性、男とも女とも取れる若者たちが夢でつながっている作品です。鏡のように磨かれた彫刻と並 んで写真を写してみてはいかがでしょう。
・花が溢れるエリアには花々とシンフォニーを奏でる陶器の彫刻を設置しました。アメリカ在住の画家で彫 刻家の金子潤による作品です。大きな陶器に抽象絵画が描かれている作品は季節ごとに変わる周囲の花々と共鳴します。
「うめきた公園」のアートを末長く楽しんでいただけることを祈ります。
アーティスティック・ディレクター 清水敏男


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