ドラッグロス解消新ビジネスモデル始動 ~欧米並みに新薬選択が可能な環境を目指して~

2024/02/14  株式会社 ケアネット 

2024年2月14日
株式会社ケアネット
株式会社バイタルケーエスケー・ホールディングス
株式会社フォレストホールディングス
株式会社メディカルインキュベータジャパン
株式会社LinDo

ドラッグロス解消新 ビジネスモデル始動
~欧米並みに新薬選択 が可能 な環境 を目指 して~


株式会社ケアネット(以下「ケアネット」)、株式会社バイタルケーエスケー・ホールディングス(以下「VKHD」)、株式会社フォレストホールディングス(以下「FHD」)、株式会社メディカルインキュベータジャパン(以下「MIJ」)は、この度、株式会社LinDo(以下「LinDo」)の設立趣旨に賛同し、資本参加いたしました。LinDoは、欧米で開発されているにも関わらず、日本では開発計画が無い新薬を日本で開発・販売する「ドラッグロス解消新ビジネスモデル」を構築することを目的として設立された会社(シードインキュベーター)です。我々は、この取り組みにより、小児科領域を含む希少疾病や難病など国内で新しい治療薬の登場を待ち望む患者さんとその家族、治療を担当する医師、医療従事者の皆様の治療薬の選択肢拡大に挑戦していきます。

ドラッグロスとは

欧米では新しい作用機序で、根本的治療効果が期待できる薬剤が毎年数多く開発され医療現場で使用されております。一方、日本では、これら欧米で新しく承認される薬剤のうち未承認医薬品が約70%*1)存在し、その割合はここ数年増加傾向にあります。特に患者数の少ない小児領域などでは、これら薬を必要とする日本の患者さんが治療を受けることが出来ないことが大きな問題となっています。

ドラッグロスの主な原因

近年欧米で承認されている新薬の約70%*2)は海外の新興製薬企業 (Emerging Biopharma*3):以下「EBP」)が創薬しており、大手の製薬企業から生み出される30%の創薬数の割合を大きく上回っています。大手製薬企業が独自に創薬、開発する製品やEBPが開発し大型化が期待される一部の製品は、遅かれ早かれ日本でも開発・販売されています。一方、日本に開発や販売機能を持たないEBPが創薬した製品の多くが日本では開発されておりません。したがって、我々は、ドラッグロス解消のために、これらEBP製品の日本での開発促進こそが取り組むべき主課題であると考えています。

スタートアップ企業が多いEBPは、資金調達を繰り返しながら限られた資金での開発事業を進めています。調達した資金は最も大きな売り上げと早期上市が期待できる欧米市場での開発 ・販売に投入され、企業価値を高めることを目指します。また、日本での開発費用が欧米に比べ高いことも懸念点となっています。それに加え、EBPは日本のマーケット、開発 ・承認 ・薬価収載プロセス等に関する理解が不十分であったり、言語の違いなどのため、日本での開発に消極的であることも日本への参入障壁となっています。

EBP製品の日本での開発や販売の受け皿となる国内製薬企業側の要因としては、効果が高く有望な新薬であっても、売り上げ規模が小さい希少疾病、難病等の製品や小児疾患用製品等は大型製品に比べ収益性が低いことから、積極的に開発を進めることが困難であることと、有望な海外EBPにタイムリーにアクセスできないことが、EBP製品が日本市場に導入されない状況を生んでいます。

LinDoのビジネスモデル

この度我々は、上記のドラッグロスの原因を解消し、日本に導入が難しい希少疾病や難病等の新薬開発と販売を行うシードインキュベーターLinDoの設立とMIJの新規ファンド組成を機に、新しいビジネスモデルをスタートしました。

このビジネスモデルは、医療領域に特化 したベンチャーキャピタルである MIJの3号 ファンド(MIJ BG2 Limited Partnership)と連携することで有望EBPの探索と国内臨床開発費の安定調達を行います。また、LinDoの株主であるケアネットグループと協業することで、これまでの製薬モデルとは異なる効率性を高めた開発・販売体制を実現します。さらに、LinDo株主かつ同ファンドにLPとしても出資した医薬品卸のVKHDとFHDがサプライチェーンを担う事で、最小限の費用で、且つスピーディに開発・販売できる体制を構築することができました。(下記ビジネスモデルの概略図参照)我々は、患者数が少ない希少疾病 ・難病等の新薬導入に向け、経験豊富なメンバーと効率的な社内組織と強力なネットワークで、ドラッグロスの解消にチャレンジしてまいります。

ビジネスモデルの概略図:

今回のドラッグロス解消のためのビジネスモデルは、上図のような企業との関係で構成されております。

❶有望EBPシーズの探索と導入:

・海外EBPへの投資に豊富な経験と強いパイプを持つMIJが行います。MIJは独自のグローバルエコシステムとのネットワークを有しており、これまでの1号 ・2号ファンドでの国内外新薬スタートアップ企業への投資活動を通して、世界の革新的EBPの探索と毎年200を超える評価を行っています。

➋MIJ BG2ファンドからのDLE(Drug-Loss Elimination)資金調達:

・MIJ BG2からDLE解消に向けた開発費用を調達します。MIJ BG2の目標額である200億円規模で最終組成された場合15-20品目への充当を想定しています。

➌LinDo株主、MIJ BG2のストラテジックLP企業との戦略提携:

・国内臨床開発から承認申請、販売、流通、市販後の安全性情報収集等の一連の工程を、LinDoと各業界の大手企業との提携により最適な管理運営を致します。

・各社の担当分野は以下の通りです。

ケアネットグループ

・22万人の医師会員と専門医のDatabaseの活用
・医療DXによる治験の効率化(施設選定や参加患者の抽出及びCRO機能での連携)
・DXコミュニケーションプラットフォームとCSO機能による効率的なマーケティング及び販売

VKHD、FHD

・製品の輸入、国内向けパッケージング
・市販後の流通全般

私たちのビジネスモデルは日本においては極めて新しい試みでありますが、既に我々のビジネスモデルに興味を示すEBPもあり、ドラッグロス解消の一助になると確信しています。

現在、複数のEBPと日本導入に向けた交渉を行っており、早期開発開始を目指しております。今後数年内には、毎年複数製品の開発開始を計画しております。

出典、参考)

*1)医薬産業政策研究所 政策研ニュースNo. 63 (2021年7月 )「ドラッグ・ラグ:国内未承認薬の状況とその特徴」

*2) IQVIA「Global Trends in R&D Overview through 2021」(2022年2月)

*3) IQVIAレポートで、年間売上高5億ドル未満かつ年間研究開発費2億ドル未満の企業と定義されている。

バイタルケーエスケー・ホールディングスについて

名 称: 株式会社バイタルケーエスケー・ホールディングス
代 表 者: 代表取締役社長 村井 泰介
所 在 地: 東京都世田谷区弦巻一丁目1番12号
主な事業内容: 東北・新潟・北関東・首都圏で営業展開するバイタルネットと関西で営業展開す
るケーエスケーが2009年に統合して出来た医療用医薬品卸売企業。グループ
で薬局事業、医療用機器・診断薬・材料等卸売事業、動物用医薬品卸売事
業、農薬・農業用資材等の卸売事業を展開しています。
ホームページ: https://www.vitalksk.co.jp/
問い合わせ先: コーポレートコミュニケーション部 佐藤 電話:022-266-8330

フォレストホールディングスについて

名 称: 株式会社フォレストホールディングス
代 表 者: 代表取締役社長 吉村 次生
所 在 地: 大分県大分市西大道二丁目 3-8
主な事業内容: フォレストグループは、医療用医薬品をはじめとして医療機器、材料、診断薬
など医療機関向けの商材、一般用医薬品や薬粧品、動物用医薬品や食品
など「医・健・食」を中心に多様な事業を展開しています。
ホームページ: https://www.forestg.jp/
問い合わせ先: 経営企画部 平尾 電話:092-477-5894

メディカルインキュベータジャパンについて

名 称: 株式会社メディカルインキュベータジャパン
代 表 者: 代表取締役社長 桂 淳
所 在 地: 東京都港区赤坂一丁目11番28号
主な事業内容: ヘルスケアビジネスと投資のプロ集団による、医療に特化した独立系投資事業会社。革新的スタートアップを探索し、患者さんに希望を、投資家に利益をもたらすエキサイティングな投資活動を行っています。1号ファンド、2号ファンドでは欧米、日本のライフサイエンスベンチャーへの投資実績があります。
ホームページ: https://www.medicalincubatorjapan.com/
問い合わせ先: 管理部 高橋 電話:03-6426-5308

LinDo(リンドウ)について

名 称: 株式会社LinDo
代 表 者: 代表取締役社長 桂 淳
所 在 地: 東京都港区赤坂一丁目11番28号
主な事業内容: 欧米で開発されているにも関わらず日本では開発・承認申請の計画が無い新薬を日本で開発・承認取得・販売することで、いわゆるドラッグロスの解消を目指して事業を開始致しました。小児科領域を含む希少疾病や難病など国内で新しい治療薬の登場を待ち望む患者さんとその家族、治療を担当する医師、医療従事者の皆様の治療薬の選択肢拡大に取り組んでまいります。
ホームページ: https://www.lindosi.com/
問い合わせ先: 管理部 高橋 電話:03-5545-5272

ケアネットについて

名 称: 株式会社ケアネット
代 表 者: 代表取締役社長 藤井 勝博
所 在 地: 東京都千代田区富士見1-8-19 住友不動産千代田富士見ビル
主な事業内容: 製薬企業向けの医薬営業支援サービス、
医師・医療者向けの医療コンテンツサービス など
ホームページ: https://www.carenet.co.jp
問い合わせ先: 管理本部 鹿目 MAIL:ir@carenet.co.jp

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