高分解能な次世代OCTを実現する高速波長走査型Tunable VCSEL(型式:HSL-1)の発表

2019/01/09  サンテック 株式会社 

高分解能な次世代OCTを実現する高速波長走査型Tunable VCSEL(型式:HSL-1)の発表

santec株式会社(本社愛知県小牧市)は、次世代SS-OCT(Swept Source Optical Coherence Tomography)用の光源として開発を進めてまいりました、高速波長走査型のTunable VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)の発振帯域に関して、当社従来比で約2倍の88nmへ特性を改善いたしました。高速波長走査型のTunable VCSELはかねてより次世代SS-OCT用光源として期待されておりましたが、医療・産業用機器市場で要求される信頼性と、OCT画像の分解能に貢献する広い発振帯域を両立できるものがございませんでした。今回当社が発表するTunable VCSELは、単一素子でレーザ発振が得られる電流注入型のVCSELを用いることで高い信頼性を確保しながら、OCT応用の中でも高い分解能を必要とする眼底検査にも十分対応できる広い発振帯域を実現しております。本発表の88nmの発振帯域は、電流注入型で実現された従来の記録を10nm以上更新する世界的トップデータです。
高速波長走査型のTunable VCSEL素子は、レーザ発振を担うVCSELと、高速走査を実現する光MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の2つの構成要素からなります。本プロジェクトはVCSELに関する研究を東京工業大学の西山 伸彦准教授と、光MEMSに関する研究を東京大学生産技術研究所の年吉 洋 教授との共同研究で取り組み、最終的な各要素の組み上げを含めた光源モジュールの実現を当社で担当する、産学連携の枠組みで実施いたしました。今回当社で採用した電流注入型のVCSELは、一般には広帯域化が難しい技術ではありますが、共同研究で培った設計技術を用いて、電流注入型の利点である高い信頼性を維持しながら88nmの広帯域な発振を実現しております。
尚、本研究に関する詳細は、SPIE BiOS/PhotonicsWest2019 (2019年2月2日から米国・サンフランシスコ市で開催)で報告を予定しております[1]。また、製品に関しましても、同学会併設の展示会にて、当社ブースで展示いたします。(当社ブース番号#8762 / #762)

[1] Mohammed Saad Khan, et al. ” High reliability electrically pump MEMS based widely tunable VCSEL for SS-OCT” SPIE Photonics West 2019, MOEMS and Miniaturized Systems XVIII , Feb. 2-7, 2019, The Moscone Center, San Francisco, CA.

製品名: 高速波長走査型レーザ
製品型式: HSL-1

製品の特長

  • シングルモード発振による高コヒーレンス長
    従来のSS-OCT用光源のコヒーレンス長が、マルチモード発振の影響で高々20mm程度であるのに対して、Tunable VCSELのコヒーレンス長は、シングルモード発振のため100mを超えます。この特性改善により、本光源は、従来のSS-OCTの性能改善に貢献するだけでなく、近年、自動運転などで注目を集めているセンシング技術、Lidar (Light Imaging Detection and Ranging)への応用も可能となります。
  • 高分解能なイメージングを実現する広い発振帯域
    上記のとおり当社従来比で約2倍の88nmの発振帯域を実現しております。高い分解能を必要とする眼底検査でもお使いいただける発振帯域を、医療・産業応用でお使いいただける高い信頼性と同時に実現しております。
  • 自由に選択できる走査速度
    当社従来光源では、光源の作製時に走査速度を固定する必要がありましたが、Tunable VCSELでは、使用目的や観察対象にあわせて走査速度を1-200kHzの範囲で使用時に選択いただくことが可能です。これにより、異なる要求仕様(観察深さ、分解能)の測定系も、一つの光源で対応することが可能となり、自由度の高い計測装置を実現することができます。

高速波長走査型レーザ[HSL-1]

受注開始日: 2019年2月2日
製品情報: HSL-1カタログ (386KB)

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