SiCウェハ用研磨材の生産能力増強について

2023/01/10  三井金属鉱業 

2023 年 1 月 10 日

SiC ウェハ用研磨材の生産能力増強について

当社(社長 納武士)は、機能性粉体事業部が生産しているSiCウェハ※1用研磨材「NANOBIX(TM) 」の生産能力増強を決定したことをお知らせいたします。

パワーデバイス用材料として使用されているSiC(炭化ケイ素)ウェハは非常に硬く、この表面を原子レベルまで平滑にするには優れた研磨技術と長時間の研磨が必要です。当社の三池機能性粉体工場(福岡県大牟田市)で生産しているSiCウェハ用研磨材のNANOBIX(TM) は、SiCウェハ表面の結晶へのダメージなく、短時間で極めて平滑に加工できる研磨材料として使用されています。

近年、SiCパワーデバイス※2は電気自動車などへの本格的な採用により、高性能のSiCウェハの需要が高まっています。加えて、SiCウェハの加工面積の増加に伴い、効率の良い研磨プロセスが求められています。このような状況を受け、現在NANOBIX(TM) の需要が急速に増加しており、2023年度内に生産能力を50トン/年以上への増強を決定しました。今後ともNANOBIX(TM) の市場成長が見込めることから継続的な生産能力増強および安定供給により、SiCパワーデバイスの普及に貢献していきます。

当社は、パーパスである「探索精神と多様な技術の融合で、地球を笑顔にする。」を基軸に、2030年のありたい姿である全社ビジョン「マテリアルの知恵で “未来” に貢献する、事業創発カンパニー。」を実現することで、サステナブル(持続可能)な社会作りに貢献します。

以 上

【三池機能性粉体工場について】
所在地:福岡県大牟田市大字唐船 2081

【お問い合わせ先】
三井金属 経営企画本部 コーポレートコミュニケーション部
TEL 03-5437-8028 E-mail PR@mitsui-kinzoku.com

【用語解説】
※1 SiC ウェハ
SiC(炭化ケイ素)を使用した半導体素子製造の材料。パワーデバイス用途向けに仕上げるには精密な研磨加工が必要。

※2 SiC パワーデバイス
従来の Si パワーデバイスよりも高耐圧、高温においても動作可能という特徴を持つ新しいパワーデバイス。電気自動車、再生可能エネルギー向けなど耐圧性が求められる用途に適している。

(ご参考)

NANOBIX(TM) の使用例

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