新卒1年目の転職意向に関する比較調査(2014卒/2024卒)

2024/06/07  ラグザス 株式会社 

納得がいく就活でも4割以上が“入社1ヵ月で転職を考えた”


ラグザス株式会社(本社:大阪市北区/代表取締役社長:福重 生次郎、以下当社)は、2014年(以下14卒)と2024年(以下24卒)の新規学卒就職者を対象に、学生時代の就職活動や入社後の転職意向に関するインターネット調査を実施しました。本リリースでは、仕事に対する価値観の変化などを解説します。

1.調査の背景
当社が2024年5月23日に公開した調査結果によると、24年卒の新入社員の約5割がすでに転職を考えていると回答し、入社後のギャップや新卒採用の早期化により“納得がいく就職活動”ができていない可能性を示唆しました。また、近年「若者の早期離職」も問題視されています。
一方、厚生労働省が発表している調査では、新規学卒者の3年以内の離職率は過去10年間ほぼ横ばいとなっています。離職率は変わっていないにもかかわらず、「若者の早期離職」が問題視されている背景を明らかにするため、本調査を実施しました。

※令和3年/4年に関しては卒業後3年が経過していないため割愛

2.調査の概要
(1)調査期間:2024年5月30~31日
(2)調査方法:インターネット調査
(3)調査対象:2014学卒就職者・2024学卒就職者
(4)回答者数:800人(14卒:400人/24卒:400人)
(5)調査機関;インターネットリサーチ会社

3.調査結果のポイント
<Summary>
■“納得がいく就職活動”は6割強が「できた」と回答。一方、「納得できていない」方が入社後の転職意向は低い
■14卒と比べて24卒は、“入社1ヵ月で転職を考えた”と回答した女性の割合が10.2ポイントアップ。男性は横ばいの結果に
■転職先に求めることは10年で変化有り。「キャリアアップ」と回答した割合が10年前よりマイナス7.8ポイント

4.調査結果
“納得がいく就職活動”は10年前より7.5ptアップ

「納得がいく就職活動」という質問に対して「はい」と回答した割合は、14卒が61.5%に対し、24卒は69.0%と7.5ptアップしました。入社3年以内の離職率は横ばいである一方、入社する会社に対しての“納得感”は上昇していることがわかります。
また、「納得した/納得していない」の差を確認するため、「納得した群/納得していない群」に分けて学生時代の就職活動を見てみましょう。

「就職活動を早く始める=納得がいく就職活動」ではない

「納得した群」のうち「最終学年時より以前」と回答した割合は、14卒と24卒ともに34%台となりました。一方、「納得していない群」のうち「最終学年時より以前」を選択した割合は、14卒より24卒がマイナス13.8ptで、大きな差があることが分かります。これは24卒と比較して14卒は求人倍率が低く、就職活動を早くから始めていたとしても“納得できなかった”場合が多いと考えられます。
ただし、全体的には「納得した群/納得していない群」ともに「最終学年時より以前」の選択率が一番高いことから、就職活動の開始時期が“納得感”に直接的に影響しているわけでないと言えるでしょう。

エントリー企業数が少ない方が“納得感”が高い?
次に、「納得した群/納得していない群」のエントリー数を見ていきましょう。

「納得した群」のうち「5社以内」と回答した割合は、14卒より24卒が14.3pt高い結果になりました。先述の通り、14卒に比べて24卒は求人倍率が高いため、エントリー数は少なくても“納得がいく就職活動”になっていると考えられます。一方、「納得した群」より「納得していない群」の方が「31社以上」と回答した割合が高いことは14卒と24卒の共通点です。24卒で7.6pt、14卒では16.6ptの差があり、エントリー数が“納得感”には比例しないと言えるでしょう。

また、より詳しく背景を明らかにするため、「納得していない群」に「納得できなかった理由」を確認しました。

▼具体的な「納得できなかった」理由
◇14卒
・志望理由も特にないのに「数打てば当たる」と思い業種関わらず手を広げすぎた(女性/金融・証券・保険業)
・求人数が少なすぎたため(男性/商社・卸売り・小売業)
・面接対策を怠ったために悔いが残った(男性/製造業)
・就職活動にやる気が出ず、きちんと活動しなかった(女性/医療・福祉)
◇24卒
・自分のやりたいことが分かってないままなんとなく就活をしてしまった(女性/その他)
・一社受けるごとに反省点などの分析をしなかったこと(男性/製造業)
・なかなか内定が決まらず焦りがあり、結果あまり志望していない企業に決めたため(女性/情報通信業)
・第一希望の職種で採用されなかった(男性/建設業)

14卒と24卒ともに、「納得できなかった理由」は「企業分析・自己分析が不十分だった」が4割超で一番高い選択率となりました。また、具体的な理由についても近しい回答が多かったため、時代背景などはあまり影響していないと考えられます。先述の「納得した群/納得していない群」の活動開始時期やエントリー数と併せて考えると、“納得がいく就職活動”は『早くから就職活動を開始する』『エントリー数の多さ』ではなく『企業分析・自己分析を深める』ことが重要だと言えるでしょう。

“納得していない”方が、入社後の転職意向が低い
次に、入社後の転職意向を見ていきます。

「納得した群/納得していない群」を分けて確認したところ、14卒は「真剣に考えた」と回答した割合が、「納得していない群」より「納得した群」が3pt高い結果になりました。さらに、24卒は「納得していない群」より「納得した群」がプラス11.2ptとなり、「漠然と考えた」を含んだ合計も7.2pt高くなっています。
14卒と24卒ともに「納得した群」の方が、入社後1ヵ月で真剣に転職を考えていたことがわかります。
これらの結果は、就職活動時に『企業分析・自己分析』を深め期待を込めて入社した人ほど、「入社後のギャップ」などから転職を検討するというジレンマが生じていると考えられます。

10年前と現在、男女に顕著な差
次に、10年前と現在を男女別で比較していきます。

「納得がいく就職活動」に「はい」と回答した割合は、14卒と24卒で微増という結果になりました。また男女別でみると、ともに女性の方が男性よりやや高いことがわかります。

一方で、「納得したが入社1ヵ月後に転職を考えた」と回答した割合は、男女で顕著に差が出ています。14卒から24卒では、男性が0.5ptと微増に対し女性は10.2ptアップし、男女の割合がほぼ同率になっていることが分かります。これは、共働き世帯の増加などを背景に「男女問わず働く時代」となったことで、職場への不安や不満をそのままにしておくのではなく「転職」という手段で解決しようと考えている人が増えている考えられます。

“キャリアアップ”の数値が減、“給与・福利厚生”が増
最後に、「転職先に重視すること」を確認しました。

「給与・福利厚生が良い」は14卒から24卒で13.2pt増加し、24卒では一番の選択率となりました。【新卒1年目の転職意向と転職活動状況(2024)】でも確認した通り、24卒の転職を考えた理由は「給与・福利厚生への不満」が最多であり、不満を抱えているからこそ転職先に重視する割合が高いと考えられます。
一方、14卒は「希望する業務が担当できる」が27.5%で最多となりました。また、「自身の成長やキャリアアップ」については14卒から24卒で7.8ptダウンしていることから、10年前と比較すると、現代の新入社員は「成長<待遇」を重視していると言えるでしょう。

「若者の早期離職」は中身を見ないと解決に至らない
本調査は、14卒と24卒を対象に、「学生時代の就職活動から入社後まで」をテーマとして実施しました。入社後3年以内の離職率はほぼ横ばいにもかかわらず、近年は退職代行サービスなどへの注目もあり「新入社員の早期離職」がマスメディアやSNSでも話題となっています。その背景には、転職先に「成長<待遇」を重視するようになったことで、「若者の早期離職」がネガティブに捉えられるようになったことも要因として考えられるでしょう。企業側は、離職率は変わっていない中でもその理由は変化していることを理解することで、時代に合わせた採用活動を行うこと。求職者は、売り手市場だからこそ就職活動をゴールとせず、企業が抱える課題まで見据えた上で内定承諾をすることで「入社後のギャップ」を最小限とし、「若者の早期離職」の解決に近づくと考えられます。

<グラフを見る際の注意点>
%を表示する帯に小数点以下第2位で四捨五入しているため、合計値と計算値が一致しない場合があります。

「ヒューガン」を通じて“入社後を見据えた転職”の実現
ラグザスグループでは、転職支援サービス「ヒューガン」を運営しています。
本調査では、「納得がいく就職活動ができた」と回答した人のうち、4割以上が「入社後1ヵ月で転職を考えた」と回答。また、「納得した」と「納得していない」を比較すると、「納得した」と回答した人の方が転職意向が高いことがわかりました。これらは、理想の企業から内定を獲得することがゴールとなり、“入社後を見据えられていない”と考えられます。
このような状況に対し、若手の転職を支援する「ヒューガン」は、専属の担当者によりキャリア形成をサポート。転職“成功”させるための最適なキャリアを提案することで、“入社後を見据えた転職”を実現してまいります。

▼新卒1年目の転職意向と転職活動の状況(2024)
https://www.raxus.inc/news/post_7762/

■ラグザス株式会社について
ラグザスグループは、ミッションである「今ここにない未来を創り出す」をもとに、創業以来一貫してインターネットのプラットフォーム事業やインターネットメディア事業を通じた社会への貢献を追求しています。「新たな価値の創造と、関わり合う人が幸せになること」を軸に顧客を最優先とした多様な事業で、継続的な企業価値の向上を目指しています。

<会社概要>
・会社名:ラグザス株式会社  ※2022年11月1日に持株会社体制に移行
・代表者:代表取締役社長 福重 生次郎
・本社所在地:大阪府大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪タワーB 18階
・事業内容:インターネットのプラットフォーム事業・メディア事業
・URL :https://www.raxus.inc/

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