飲食店の倒産、過去最多を更新 コロナ禍が影響、居酒屋では大幅増加

2020/12/04  株式会社 帝国データバンク 

年末にかけてさらに倒産増加する恐れ



飲食店の倒産が、2020年1-11月までに736件発生した。
閉店・倒産する飲食店が今後さらに増加する可能性がある (写真=閉店した居酒屋)


この時点で昨年(732件)を既に上回り、通年で過去最多を更新した。このペースが続けば、飲食店の倒産は過去初めての800件台に到達する可能性がある
飲食店の全11業態中6業態で既に前年を上回り、なかでも「居酒屋」業態は過去最多を更新。「日本料理店」(75件)も前年を既に上回っている
Go To イート事業が飲食店に恩恵をもたらしていたが、業態によって客足回復に差が見られる。こうしたなか、「第三波」の到来などで最大の繁忙期となる12月に営業自粛要請が相次いで出されている。そのため、年末にかけてさらに飲食店の倒産が増加する恐れがある



飲食店の倒産は既に過去最多を更新した(飲食店の倒産 件数推移)
帝国データバンクの調査では、飲食店の倒産が2020年1-11月で736件に達した。これまで通年(1-12月)で最多だった昨年の732件を抜き、11月時点で過去最多となることが確定した。

飲食店ではこれまで、原材料費の高騰や人手不足などの課題に直面し、中小零細事業者を中心に倒産が増加していた。それに加え、今年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国や自治体の要請で休業や時短営業を余儀なくされ、売上が急減。そのため、雇用調整助成金や家賃支援給付金など政府の資金繰り支援パッケージを活用しつつ、Go To イートなど外食産業の支援策による需要喚起を期待していた事業者も多かった。

しかし、11月以降は感染者が急拡大したことで再度の営業自粛を求める自治体が相次ぎ、繁忙期となる年末年始需要も見込めなくなりつつある。経営体力や内部留保などに乏しい中小・零細事業者では既に限界を迎えているとみられ、先行き悲観から事業継続を諦めるケースが今後さらに増加が懸念される。このペースが続けば、飲食店の倒産が過去初めてとなる年間800件台に達する可能性も出てきている。


居酒屋、日本料理店では既に過去最多を更新 西洋料理店も過去2番目の高水準

居酒屋、日本料理店では既に過去最多を更新(飲食店の倒産 業態別内訳)
内訳では、飲食店全11業態中6業態で前年を上回った。なかでも最も多いのが「居酒屋」業態で179件。前年の161件を既に約1割上回り、過去最多を更新している。

居酒屋業態ではランチ営業などを行う店舗もあるものの、基本的には夜5時から明け方までの夜間営業が収益の主軸となる。そのため、時短要請などが行われる都市部の店舗では長期に渡る客足の減少や利益率低下に直面。大人数での宴会需要が激減したことも背景に客足回復には時間を要している。そのためGo To イートの恩恵を待たず、資金力や経営体力に乏しい居酒屋が堪え切れずに淘汰が進んだとみられる。

このほか「日本料理店」業態も75件と、前年(51件)を20件超既に上回って過去最多を更新。フレンチレストランなど「西洋料理店」は94件発生しており、過去2番目の高水準となっている。


「第三波」到来など明るい材料乏しく、年末にかけてさらに倒産増加する恐れ

業態や店舗立地によって、売上回復には明確な差が出ている(売上高前年比推移(全店時系列))
日本フードサービス協会が発表した「外食産業市場動向調査」によれば、10月の外食市場は売上高ベースで前年比94.3%だった。緊急事態宣言が発出された4月の売上は前年比60%台まで急減したが、各店舗で営業が徐々に再開しているほか、特にファストフードなどの業態で伸長したテイクアウト需要が牽引し、外食市場全体では厳しいながらも回復傾向で推移している。実際に、外食産業の需要喚起策であるGo Toイートの効果もあり、「キャンペーンの効果もあり売り上げは戻ってきた」(飲食店)との声も聞かれていた。

ただ、全体の水準を上回るのは麺類を除くファストフード業態やファミレス業態の中華・焼肉のみ。宴会や法人需要の多い居酒屋やレストラン業態では回復の立ち遅れが明らかになるなど、業態や店舗立地、客層によって状況が大きく異なっている。

飲食店は今後年内でも最大の繁忙期となる年末年始を迎える。しかし、需要喚起策だった飲食業界の支援策Go To イート事業のポイント付与も11月29日までの予約で終了。感染者が再び急増するなど「第三波」が到来しており、各地で再度の営業自粛要請が相次いでいる。飲食業者からも「11月の感染増加で再び客足が落ち込みはじめた」など感染拡大による影響を危惧する声が聞かれており、劇的な売り上げ回復が当面期待できないなど明るい材料に乏しい。そのため、年末にかけて飲食店の倒産や閉店、廃業がさらに増える恐れがある。

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