2018年 入社式 社長式辞

2018年04月02日 

2018年04月02日

2018年 入社式 社長式辞

おはようございます。社長の田堂です。

42名の新入社員の皆さん、ようこそ日本ペイントホールディングス・グループへ。

日本ペイント・オートモーティブコーティングス、日本ペイント・インダストリアルコーティングス、日本ペイント、日本ペイント・サーフケミカルズ、そして、日本ペイントホールディングスへの入社、おめでとうございます。皆さんのフレッシュで元気な顔をこうして見られることを心待ちにしていました。無限の可能性と力強いエネルギーを持った皆さんを新しい仲間として迎えることとなり、日本ペイントホールディングス・グループを代表し、心より歓迎いたします。これまでに学んでこられた様々なことを、存分に発揮していただきたいと思っています。

皆さんがお生まれになった頃は1990年代中盤~後半あたりかと思いますが、その頃の日本は、1990年代初頭にバブルが崩壊して以降、日本経済はなかなか回復の兆しを見せず、のちに「失われた10年」と言われるほど日本経済が停滞していた時代でした。国内の塗料業界もそれ以降、塗料需要は減少し続け、現状に至っています。世界に目を向ける必要性を迫られる大きな変化の局面であったと考えられます。一方で、インターネットによるサービス産業が爆発的に発展し、今日のIoT産業の礎となったことは言うまでもありません。

様々なテクノロジーの進歩を身近に感じながら成長してきた皆さんであろうと思いますが、当社にも、塗料工業のテクノロジーを進歩させ、明治維新後の日本の近代化を支えてきた歴史があります。当社は、去る3月14日に創業137周年の式典を開催しました。1881年、創業者である茂木重次郎氏が、現在の東京タワーの近くの芝に当社の前身である「光明社」を設立し、海軍に塗料を納める工場としてスタートしました。創業者の茂木氏は、ペリーの来航により日本に伝わってきた洋式塗料の需要にいち早く着目し、わが国初の洋式塗料の国産化に成功させました。1905年の日露戦争時には、実は陰ながら塗料の貢献があったのをご存知ですか?

日本海海戦ではロシアのバルチック艦隊を撃破するのですが、ロシアの艦隊は長い航海中、船艇にフジツボなどの海洋生物が付着したためスピードが出ませんでした。一方、大日本帝国海軍の艦隊にはフジツボが付きにくい当社の塗料が塗られていたため、速度が落ちることなく勝利に貢献できたというわけです。司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読まれた方は良くご存じかもしれません。残念ながら、“日本ペイント”という社名は、出てきません。今や我々の身の回りには、様々な製品に塗料が使われていますが、当社の歩みは、まさに我が国における塗料工業発展の歴史そのものでもあり、そのことに誇りを持っていただきたいと思います。

さて、当社は2014年に持ち株会社体制に移行し、アジア8社を連結して、大きく組織が変わりました。現在、NPHDグループ社員約2万人のうち、85%が外国籍のメンバーで構成されています。日本ペイントホールディングス・グループにも毎年外国籍の新入社員の方が入社されています。今年も1名いらっしゃいますが、新入社員の時から、国籍を超えて互いに多様性を認め、刺激し合いながら、1つの目標に向かって切磋琢磨していただけることを、大いに期待しています。左右両隣、様々な国籍の人と一緒に仕事をする未来は、そう遠くはありません。

そのような中で当社は昨年、大きなプロジェクトを開始し、大正時代からある当社の経営理念を刷新しました。従来の経営理念のコアバリューを損ねることなく、かつ、グローバルに全社員にしっかり浸透できるようにいたしました。経営理念とは、未来永劫に希求する当社の方向性を示すもので、羅針盤と同じ存在です。また、当社グループに所属する限りにおいては、社員として自らを律しなければならない規則でもあり、困った時、何かを決断する時に拠り所となるバイブルでもあります。経営理念とはとても大事なものです。新しい経営理念を、経営そして社員一人ひとりが正しく深く理解していく作業が始まっているのですが、この新・経営理念も、皆さんと同じ1年生です。是非、新・経営理念をしっかりと理解し、これからの業務に活用していただきたいと思います。

本日から「ビジネスパーソン」となられた皆さんへの期待を込めて、わたくしの経験から具体的に2点お話しします。いずれも、なるべく常に心に留めていただきたいことです。

1点目は、「自分の市場価値を意識する」。2点目は、「One Teamで仕事をする」。

1点目の、「自分の市場価値を意識する」こととは、どういうことか。
本日めでたく入社された皆さんにこんなことを言うのは刺激的かもしれません。しかし、新入社員の今だからこそ、敢えて申し上げます。もし仮に、皆さんがいつか急に社外の労働市場に放り出されたときに、誰が(どの企業が)いくらで買ってくれるのか(就職できるのか)を意識して仕事をしてください。入社したからといって自己研鑽をやめてはいけないということです。自修自育の精神が大事なのです。会社は、社内だけで価値がある人ではなく、人材市場で引っ張りだこになるような人を求めています。そのような人材が集まったときに会社はチームとして強い競争力を発揮します。一旦入社してしまうと、その会社があたかも自分の「全世界」になってしまい、その中での「快適」を求めてしまいがちですが、それではビジネスパーソンとしては、はっきり言って魅力はありません。人として優秀であると同時に、自分は何が出来るのか、何を誇れるのかを答えられるプロ人材にならなければなりません。仕事を通じて、今あるリソースだけでは不十分だと感じることもあると思います。そのような時、しっかりと心に留め、勉強して欲しいと思います。

当社は137年と永く続いてきた会社ではありますが、これからも繁栄し続けるかといえば、それは「違う」ということが、昨今の企業例を見れば明らかです。当社グループの次の20年50年をしっかりと紡いで ゆくのは、次の時代を担う皆さん方のその手にかかっているのです。そして、将来皆さんが頼りにすべきは、第1に自分自身の「市場価値」であり、会社ではない、ということです。入社したことに満足するのではなく、皆さん自身の市場価値を早く高め、維持していくことを常に意識してください。これから社会人としての長いレースが始まります。それは競争です。会社も生き残り、勝ち残るための競争を日々行っています。

“少しくらいいい大学を出ていたとしても”、“少しくらい頭が良くても”、それだけの武器では、社会人としての競争では通用しません。順境であれ、逆境であれ、日々素直に、怠ることなく、努力し続けることが大事です。

2点目は、「One Teamで仕事をする」こと。

皆さんが頼りにすべきは自分自身の市場価値である、そうは言っても、会社は人の集団、つまり組織で成り立っています。文字通り、みんなで仕事をしていることを忘れては駄目です。

身近な同期はもちろん、配属先の職場の上司・先輩・同僚、他部署やグループ会社、海外における当社グループの一人ひとりが、一つの目標に向かって日々活動しています。個々がそれぞれの持ち場での役割を深く認識し、成果の追求にこだわり抜くこと。そして、個々同士が、職種、性別、国籍に関係なく、徹底したコミュニケーションを図り、相手の思考や異なる文化、価値観を理解するように努め、互いに切磋琢磨しながら信頼関係を築くこと。これはその場しのぎでは実現できない、日々の地道な積み重ねであり、それが結果として当社グループのダイバーシティ(多様性)の実現へ繋がるのです。会社は社会の一つの縮図です。その社会に適応してこその自分であることを、併せて自覚することが大事です。

そして最後に、こうして縁あって出逢えた42名の同期の繋がりを、大切にしていただきたいと思います。当社に入社したもの何かの縁。同期で入社した仲間と出逢ったもの何かの縁です。理屈では説明のつかないこの巡り合わせを、自分にとってどのように関係づけるのか、また、どう生かしていくのかということを、一人ひとりよく考えていただき、答えを求めてください。

皆さん一人ひとりが心身ともに健康で、それぞれの持ち場で持てる能力を存分に発揮し、本日から始まる日本ペイントホールディングス・グループでの日々が充実したものとなりますことを祈念し、私の式辞、エールといたします。

以上

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