( 資料提供 )
麻しん(はしか)に注意しましょう!
-危機管理情報-
~麻しん(はしか)に注意しましょう!~
1 要旨 今般、海外で麻しんが流行しており、特にヨーロッパで急増しています。また、東南アジアも世界的に麻しんの発生報告数が多い地域のひとつです。 本年は、県内での発生報告はありませんが、国内においては、海外からの輸入症例や、輸入症例が契機と考えられる事例が今年に入り3月17日までに20例報告されており、今後、輸入症例や、国内における伝播事例が少しずつ増加するかもしれません。以下の「県民の皆様へ」について、御協力をお願いします。
2 麻しんについて
(1)症状等 潜伏期は通常10~12日間(最大21日間)であり、38℃程度の発熱や咳、鼻汁といった風邪のような症状が2~4日続き、その後39℃以上の高熱と共に発疹が出現します。また、麻しんに伴ってさまざまな合併症がみられ、全体では30%にも達するとされます。肺炎や、頻度は低いものの脳炎の合併例もあり、特にこの二つの合併症は麻しんによる2大死因となり、麻しんに免疫がない方は注意が必要です。
(2)感染経路 空気(飛沫核)感染のほか、飛沫や接触感染など様々な経路があります。感染力はきわめて強く、麻しんの免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、12~14人の人が感染するとされています(インフルエンザでは1~2人)が、日本国内では約85%の人が麻しんの免疫を持っており、このような感染拡大は起こりません。
(3)治療 特異的な根治療法はなく、対症療法を行います。
(4)予防 ワクチンの効果は非常に高く、ワクチン接種を受けた人の95%以上が免疫を獲得します。しかし、接種しても、数%は免疫が獲得できない場合や、獲得した免疫が持続しない場合があります。現在、1歳(第1期)と小学校入学前年度(第2期)に、MRワクチンの定期予防接種を実施しており、予防接種を2回していれば感染するリスクはかなり低下します。麻しんは予防接種で防げる病気であり、ワクチン接種は個人でできる有効な予防方法です。麻しんの定期予防接種をまだ受けていない子どもは、かかりつけ医に相談し、早めに予防接種を受けましょう。
(5)発生状況(単位:人) (令和6年は現時点の暫定値)
年 | 令和2年
(2020年) | 令和3年
(2021年) | 令和4年
(2022年) | 令和5年
(2023年) | 令和6年
(2024年) | 全国 | 10 | 6 | 6 | 26 | 20 | 静岡県 | 1 | 0 | 2 | 2 | 0 |
3 県民の皆様へ
<県民の皆様全員へ> 熱や咳、鼻汁等がある方は、出歩いて不特定多数の人と接することは避けて自宅で養生しましょう。海外から帰宅した人や、発熱等体調不良の帰国者に接した方は、自宅待機を特にお願いします。
<定期接種対象者の保護者の方へ> 麻しんは予防接種で防げる病気であり、ワクチン接種は個人でできる有効な予防方法です。お子様が対象の年齢になれば、できるだけ早めにワクチン接種をしましょう。(定期接種対象年齢:1歳(第1期)と小学校入学前年度(第2期))
<海外渡航予定の方へ>
- ウェブサイト等を参考に、渡航先の麻しんの流行状況を確認しましょう。
- 母子健康手帳などを確認し、過去の麻しんに対する予防接種歴、り患歴を確認しましょう。
- 過去2回接種した記録がない場合は、渡航前に予防接種を受けることを検討しましょう。なお、50歳以上の方は、麻しんワクチンの接種歴がない方がほとんどですが、幼少期に麻しんにかかるなどして90%以上の方が麻しんの免疫を持っています。
- 麻しんのり患歴やワクチン接種歴が不明な場合は、抗体検査を受けることを検討しましょう。
<麻しんの流行がみられる地域に渡航後の方へ>
- 渡航後、帰国後2週間程度は麻しん発症の可能性も考慮して健康状態に注意しましょう。
- 発熱や咳、鼻水、眼の充血、全身の発しん等の症状が見られた場合は、すぐに自宅待機して、医療機関に受診しましょう。また受診時には、医療機関に麻しんの可能性について、事前に電話等で伝えましょう。
- 医療機関に受診する際には、医療機関の指示に従い、可能な限り、公共交通機関を用いることなく受診しましょう。
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■ 添付資料
麻しん(はしか)に注意しましょう!: |
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( 534KB ) |
提供日 |
2024年3月26日 |
担 当 |
健康福祉部 感染症対策局感染症対策課 |
連絡先 |
ふじのくに感染症管理センター TEL 055-928-7272
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