【福島県沖地震 調査から1週間】テラ・ラボ 共通状況図を作成 引き続き解析を進める

2022/03/24  株式会社 テラ・ラボ 

ドローン、航空機、衛星を活用し情報収集、解析

2022年3月16日(水)午後11時36分、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生しました。これに伴い、株式会社テラ・ラボ(本社:愛知県春日井市、代表:松浦 孝英、以下、「テラ・ラボ」)は特に被害の大きかった福島~宮城県を中心に、発生翌日から航空機やドローン、衛星を活用し、解析を続けています。


▶︎福島県沖地震(気象庁引用)
2022年3月16日午後11時36分ごろ、宮城県と福島県で最大震度6強(M7.3)の揺れを観測する地震がありました。宮城県と福島県の沿岸に津波注意報が一時発表されていましたが、翌日午前5時にすべて解除されました。

▶︎テラ・ラボ タイムライン(データ収集~解析)
【福島県南相馬市の調査について】

1.3月17日:ドローンに広域災害調査を行い、動画を地図と連携
テラ・ラボは、連携協定を締結した南相馬市を対象に、発災翌朝から市内全域のドローンによる調査を実施しました。市内8箇所を上空から撮影し、データ取集を実施。その後、随時、映像を追加しています。 地図上にデータ収集した動画と連携したWEBアプリケーション(どの場所で撮影したのかを可視化でき、広域の被害状況をいち早く把握できるもの)を作成し、当日中に南相馬市役所へ提供しました。
福島県沖地震 ドローンによる広域災害調査(南相馬市内)
17日に提供した共通状況図(ドローンによる広域災害調査 空撮動画エリア:南相馬市)
https://terra-labo.net/platform/apps/MapTour/index.html?appid=cc9cc7399a5048d595c4a74789bd95f7

2.3月17日: 長距離飛行が可能な航空機を手配し、テララボ社員が搭乗して空撮(主に動画撮影)実施
長距離飛行可能な航空機
15時 県営名古屋空港離陸~福島県上空へ移動
16時20分 東北新幹線が脱線した宮城県白石市の上空から被害現場を撮影
16時40分 福島県相馬市から南下、南相馬市→浪江町→双葉町→の順に撮影
16時50分 福島原発周辺を撮影
18時 県営名古屋空港着陸

3.3月17日:航空測量用の簡易オルソ画像作成のための写真撮影(469枚)実施

南相馬市の航空測量用で使用した航空機
12時30分~1500 福島県南相馬市の上空から撮影
         市内全体を往復しデータ収集
         (数百枚の写真を撮影)

〈福島県南相馬市の災害前後の比較〉
災害翌日から航空機で南相馬市全体を縦断・往復し、被災状況を把握するために撮影・記録を行いました。

3月18日 解析を開始 南相馬市全体の地上解像度2mの※オルソ画像を作成
      ※オルソ画像:真上から見たような傾きのない、正しい大きさと位置に表示される画像
地上分解能2mのオルソ画像
3月19日 南相馬市全体の地上解像度20cm(前日の10倍の解像度)のオルソ画像を作成
また同日、このオルソをもとに※共通状況図を作成し、南相馬市役所へ提供し、クラウド上で一般公開しました。

地上分解能20cmのオルソ画像1.


地上分解能20cmのオルソ画像2.

公開した共通状況(Common Operational Picture)
19日に提供した共通状況図(航空機による広域災害調査 オルソマップ:南相馬市)
https://terra-labo.net/platform/apps/webappviewer/index.html?id=615f5fdea509469684495d62cdd0c9e2
※共通状況図とは:災害発生直の道路、河川、住宅地図などと重ね合わせることで、被災前の状況と比較でき、被害全容の把握が可能になる地図。捜索や救助、初動の意思決定に役立つ。

【新幹線脱線現場の調査について】

4.3月17日:衛星(ESA、Sentinel)を活用した被災地域直前の地図作成
衛星(ESA、Sentinel)によるオルソ画像の作成  (image credit ESA、EADS Astrium)
テラ・ラボは、地震発生前と後の被災エリア全体の地図を宇宙空間から取得した比較検証を進めています。
特に新幹線脱線現場は、常磐道の大きな亀裂が入ったエリアでもあり、地形の隆起沈下が影響したことも視野に調査を続けています。

5.3月19日:高精度カメラ・LiDARを搭載したドローンを使用したデータ収集

新幹線脱線現場を調査した高精度ドローン
3月17日、航空機で脱線現場を特定後、翌日18日、ドローンによる地上調査班を宮城県白石市に派遣しました。
3月18日、地上からの撮影
新幹線脱線現場付近の橋脚の様子
▶︎検証結果
LiDAR(離れた場所にある物体の形状や距離をレーザー光を使って測定するセンサー技術)搭載のドローンを使うことで、3月19日には高密度点群データが収集した被害現場の3次元データを生成することができました。
このデータを作成することにより、車両をはじめ、橋脚や線路、電線の状態など、離れた場所からでも複合的な点検ができるほか、二次災害リスクを予測できる可能性もあります。
また現在、衛星SARにより、脱線現場付近の土地の沈下、隆起の実測調査も同時に進めており、今回の地震と新幹線脱線事故との因果関係も調査しております。
新幹線脱線現場をとらえた航空機からの空撮画像
ドローンの高精度カメラがとらえた新幹線脱輪現場
新幹線脱線現場をとらえたドローンLiDAR
新幹線脱線現場をとらえたドローンLiDAR
▶︎まとめ
今回、災害発生から数日間で地図(共通状況図)を作成し、被害状況の把握を可視化することができました。
災害の規模が大きくなるほど状況把握に空白地帯ができる可能性もあるため、テラ・ラボは、有事のみならず平時から空域からの広域な情報収集を行い、災害前後の比較検証を迅速に行うとともに、いち早く各関係機関と連携して情報提供する体制づくりを強化してまいります。

■テラ・ラボ会社概要
本社:愛知県春日井市不二ガ丘3ー28
設立:2014年3月
代表:松浦孝英
資本金:3億8910万円(資本準備金を含む)
業種:製造、情報通信、情報処理、コンサルタント

■事業内容
・無人航空機(固定翼、回転翼、 VTOL)の設計、開発、コンサルタント業務、運行管理の設計、各種観測オペレーション、オペレーター養成業務
・空間情報の収集および解析並びにデータの提供事業
・航空機、人工衛星、車両等による写真撮影、観測および計測
・地理空間情報の取得、解析、活用および販売
・環境、防災、地質、森林、海洋、大気、水産、地域情報および資源に関する調査

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