微細藻類ユーグレナが、免疫バランス調整等の可能性が注目される酪酸(らくさん)を産生する腸内細菌の占有率上昇および酪酸産生増加に寄与することを確認しました

2021/01/15  株式会社 ユーグレナ 

腸内環境から改善し、根本から元気なカラダを支える可能性

株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、社長:出雲充、以下「ユーグレナ社」)と神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科(佐々木建吾客員准教授)は、共同研究により、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下「ユーグレナ」)が、免疫バランスの調整や2型糖尿病の症状改善に寄与する可能性が注目される酪酸(らくさん)を産生する腸内細菌(以下「酪酸菌※1」)に関して、腸内細菌叢(さいきんそう)※2における酪酸菌の占有率の上昇および酪酸産生を増やすことが示唆される研究成果を確認したことをお知らせします。


なお、今回の研究成果は、現地(英国)時間2021年1月13日にネイチャー・リサーチ社によって刊行されているオンラインの学術ジャーナル『Scientific Reports』に掲載されました(https://www.nature.com/articles/s41598-020-80306-0)。
※1 腸内において、酪酸を産生する菌。長寿の方が保有する長寿菌とも言われる
※2 ヒトの腸管内では多種多様な細菌が生息しているが、その細菌の集団のことを腸内細菌叢もしくは腸内フローラという


■研究の目的
ヒトの腸内には、100種類以上の腸内細菌が100兆個以上生息しており、腸内細菌の集団は腸内細菌叢と呼ばれています。腸内細菌は、腸内で相互にバランスを保ちながら腸内細菌叢を形成しており、そのバランスが、ヒトの健康と関連していることが近年明らかになってきました。疾病、老化、精神的・肉体的ストレス、環境の変化、食生活の変化などの原因により腸内細菌叢のバランスが崩れると、多様性が重視される腸内細菌叢の中で、特定の菌が増加することにより有害物質も増加し、さまざまな不調につながると言われています。このような腸内細菌叢の中で、身体に良好な影響を及ぼす細菌としては、乳酸菌やビフィズス菌が知られていますが、近年、酪酸菌の重要性にも注目が集まっています。中でも、Faecalibacterium prausnitzii(フィーカリバクテリウム・プラウスニッツイ、以下「フィーカリバクテリウム」)は、消化管内で最も豊富な酪酸菌の一つとして知られています。酪酸菌によって腸内で産生される酪酸は、免疫バランスの調整や、インスリン抵抗性の改善による2型糖尿病の症状改善に寄与する可能性が示されています。また、長寿の方の腸内に多く存在する可能性も研究されています。


ユーグレナ社は、健康の基盤を維持した上でより良い状態へ高めることで、サステナブルな健康を実現することが大切だと考えております。ユーグレナの摂取を通じてからだが本来持つ「つくる・はたらく・まもる」のサイクルを保ち、


健康の基盤を妨げる複合的要因である「栄養不足」「心身の疲労」「免疫力低下」の連鎖を断ち切ることで、サステナブルな健康が実現する可能性について研究を進めておりますが、腸内細菌叢のバランスの崩れは、栄養の吸収の低下や免疫力の低下にも影響することが分かっています。本試験では、ユーグレナの摂取がヒトの腸内細菌叢にどのように影響を及ぼすかを調べました。


■研究の内容と結果
本研究では、ユーグレナのヒト腸内細菌叢およびその代謝物産生に及ぼす影響を、試験管内にヒト大腸環境を再現したモデル(以下「試験管内モデル」)を用いて評価するとともに、28名の男女がユーグレナを30日間継続摂取した際の腸内細菌叢の推移を検証しました。

ユーグレナが試験管内モデルでフィーカリバクテリウム占有率を上昇させ、酪酸産生を増やすことが確認されました
健常者11名から得られた各糞便サンプルにユーグレナを添加し、試験管内で発酵を行いました。腸内細菌叢の解析の結果、ユーグレナの添加によりフィーカリバクテリウムの占有率が有意に上昇することが明らかになりました(図a)。また、発酵によって産生した代謝物を調べたところ、ユーグレナを添加して発酵させた場合、ユーグレナを添加せずに発酵させた場合と比較して、酪酸の産生が増加することが示されました(図b)。なお、フィーカリバクテリウムの増加や酪酸の産生はパラミロンの添加ではみられず、ユーグレナにおけるパラミロン以外の成分の貢献であることが示唆されました。



ユーグレナの摂取により、腸内細菌叢内の酪酸産生菌フィーカリバクテリウムの占有率が上昇することが示唆されました
28名の男女が1日朝夕食後1,000mgずつ、合計2,000mgのユーグレナ含有カプセルを30日間摂取した前後で腸内細菌叢の解析を行いました。その結果、フィーカリバクテリウムの占有率が有意に上昇しました。これにより、試験管内モデルで確認されたフィーカリバクテリウムの占有率の上昇が、ヒトでの継続摂取においても、ヒト大腸環境内で再現される可能性が示されました。

以上の結果から、ユーグレナがプレバイオティクス※3として機能し、腸内細菌叢のバランスが調整される可能性、またその効果はユーグレナのパラミロン以外の成分の寄与により起こる可能性が示されました。ユーグレナ社では、さまざまな健康不安が訪れる昨今において、からだが本来もつ「つくる・はたらく・まもる」のサイクルを支えるユーグレナの可能性のさらなる解明と、ユーグレナおよびその含有成分の健康食品、医療分野等での利活用や食材としての付加価値向上を目指し、研究開発を行っていきます。
※3 腸内細菌の栄養源となり、腸内細菌の増殖を促進する食品成分のこと

<ユーグレナ(和名:ミドリムシ)について>
石垣島ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持っており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んでいます。なお、ユーグレナ特有の成分でβ-グルカンの一種であるパラミロンは、近年機能性についての研究が進み、食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。

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