「学校のトイレに関する自治体アンケート」結果公表 「新しい時代の学びを支えるために『トイレの改善』が必要」が上位

2024/07/13  学校のトイレ研究会 

~『学校のトイレ研究誌27号』発行~

TOTOなどトイレ関連6社による研究活動組織、学校のトイレ研究会(事務局長:冨岡 千花子、事務局:東京都渋谷区)は、「自治体へのアンケート調査」および「研究誌の発行」を毎年1回、実施しています。この度、「2023年度全国自治体アンケート調査」を実施しましたので、調査結果をお知らせします。詳細は『学校のトイレ研究誌27号』と同研究会のウェブサイトに掲載します。

研究誌27号には、街づくりの新たなスタンダードとして展開が期待される学校と行政施設が併設された大阪府豊中市の事例や、屋外からのアクセスと防犯対策を両立する「みんなのトイレ」を設置した神奈川県藤沢市の小学校の事例、特集では「災害対策と防災機能強化」「インクルーシブな環境の整備」「公共施設との複合化・集約化」の3つの視点から考える「新しい時代の学びを支える学校トイレのあり方」の論考とともに、「令和6年能登半島地震」の1.5次避難所のトイレの視察レポートなども掲載しています。

公立小中学校施設が老朽化のピークを迎える中、学校では、施設の長寿命化を図る老朽化対策とともに、学校施設の多様なニーズに応じた教育環境の向上との一体的整備が急務になっています。学校のトイレ研究会では、全国自治体のアンケート結果や各地の先進的な取り組み事例紹介を通して、子供たちや地域住民の皆さんが安心して利用できる「学校のトイレづくり」を啓発してまいります。



今回の調査では、新しい時代の学びを支える安全・安心な教育環境の実現のために「今後改善が必要」と思われることについて、「老朽化対策」の85%に次いで、「バリアフリートイレの整備」が58%、「トイレの洋式化・乾式化」が57%となり、「老朽化対策」とあわせて「トイレの改善」が上位でした。また、「スロープ・エレベーターの整備」「避難所としての防災機能強化」もそれぞれ56%、53%が回答し、インクルーシブ教育や災害対策にも配慮したバリアフリー対策が重要視されていることがわかります。



児童・生徒用トイレの洋式化の方針については、「すべて洋式化」「おおむね洋式化」という回答の合計が90%を超えています。

なお、2023年9月に文部科学省が公表した調査結果では、全国の公立小中学校施設のトイレにおける洋便器の割合は68.3%でした。前回の文部科学省の調査(2020年実施)から11.3ポイント向上し、洋式化の整備は着々と進んでいます。



バリアフリートイレの設置場所について、「校舎の1フロアのみ」が45%、「校舎の各階に設置」が18%、「体育館に設置」が26%と、複数箇所への設置はまだ少ないという結果になりました。



性的マイノリティや異性の支援が必要な児童への対応として、男女共用トイレは「必要」「どちらかというと必要」が63%となっています。

アンケート調査概要
2023年度全国自治体アンケート調査
調査対象:全国1,787自治体教育委員会
調査時期:2023年9月~11月
回答数:99(回答率5.5%)

*各グラフの数値は、小数点以下四捨五入としています。合計しても必ずしも100になりません。
*n数はいずれも有効回答数
*調査方法はすべて郵送またはFAX






研究誌概要『学校のトイレ研究誌27号』発行
~新しい時代の学びを支える学校トイレのあり方~
学校のトイレ研究会は、『学校のトイレ研究誌27号』を、2024年7月12日(金)に発行します。研究誌では最新事例や現場の声を毎年報告しています。
27号の特集は「新しい時代の学びを支える学校トイレのあり方」。
10~20年後を見据えた中長期的な将来設計を踏まえた計画的・効率的なトイレ施設整備を進めるために、洋式化・乾式化を中心とした老朽化対策とともに、重要となる3つの視点から整備のポイントを論考します。自治体アンケートでは、学校トイレのこれからのスタンダードを探るために、新築・改修時の整備方針を調査しました。
また、トイレの整備・改修の取り組みとして大阪府豊中市、神奈川県藤沢市、福井県大飯郡高浜町の3つの最新現場事例を紹介。
『学校のトイレ研究誌27号』は、学校のトイレ研究会ホームページから、閲覧・取り寄せいただけます。(無料)







学校のトイレ研究会
校舎の老朽化や清掃・メンテナンスの不備から、学校のトイレ環境は子どもたちから5K(臭い・汚い・暗い・怖い・壊れている)と言われ、学校のトイレを使用せずに我慢する子どもたちの存在が指摘されていました。学校は子どもたちにとって、教育の場であるとともに生活の場でもあります。なかでも学校のトイレは、一日の大半を学校で過ごす子どもたちにとって、健康面・生活面からも早急な改善が求められており、地域においても災害時の避難場所や生涯学習、地域交流の場としての改善が望まれています。子どもたちや地域の人たちが安心して使える、清潔で快適な学校トイレづくりの実現を目指して、1996年11月に発足、トイレ関連6社により下記の活動を行っています。



会員企業(学校トイレに関連した主な商品)
アイカ工業株式会社(トイレ用壁材)
株式会社オカムラ(トイレブース材)
株式会社木村徳太郎商店(トイレ清掃)
TOTO株式会社(トイレ衛生設備)
ミッケル化学株式会社(薬用手洗石けん液・清掃用洗剤)
ロンシール工業株式会社(トイレ用床材)

活動内容
学校のトイレ研究会 ホームページ
https://www.school-toilet.jp/

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