エーザイとユニバーシティ・カレッジ・ロンドンとの共同研究から見出された新規抗タウ抗体E2814についてアルツハイマー病を対象とした臨床第Ⅰ相試験に向けて準備を開始

2018/12/06  エーザイ 株式会社 

エーザイとユニバーシティ・カレッジ・ロンドンとの共同研究から見出された新規抗タウ抗体E2814についてアルツハイマー病を対象とした臨床第Ⅰ相試験に向けて準備を開始

エーザイ株式会社

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)と英国のユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London、以下 UCL)は、このたび、共同研究の成果として最初の臨床候補品となるE2814について、アルツハイマー病患者様を対象とした臨床第Ⅰ相試験の2018年度中の実施に向けて準備を開始したことをお知らせします。E2814は抗タウ抗体であり、アルツハイマー病を含むタウオパチー の進行抑制が期待されます。

また、エーザイとUCLは、2012年から6年間実施してきた共同研究の期間を、さらに5年間、2023年まで延長することに同意しました。本共同研究はエーザイのオープン・イノベーション戦略の要として位置づけており、共同研究を通じて得られた最新の研究成果を革新的な治療法として、神経変性疾患を有する患者様に提供することを目的としています。E2814は、エーザイとUCLの共同研究プロジェクトから見出された最初の成果となります。

アルツハイマー病は、アミロイドβ凝集体からなるアミロイドプラーク(老人斑)およびタウ蛋白の脳内の沈着物から形成される神経原線維変化を特徴とする慢性進行性神経変性疾患です。Tau Seed(タウ伝播種)** は、病気の進行とともに脳内の異なる部位にタウ病変として拡散することが知られています。E2814は、このタウ伝播種を標的とするよう特徴的に設計されており、神経原線維変化のさらなる脳内蓄積を防ぎ、病気の進行を抑制することが期待されます。

認知症の患者様数は、全世界で約5,000万人と推計されています。世界の人口高齢化が進む中、認知症患者様は増加の一途をたどり、2030年には約8,200万人、2050年には約1億5,200万人に達すると予測されています1 。認知症への取り組みは世界的な課題であり、アンメット・メディカル・ニーズを充足する治療剤の早期開発が期待されています。

UCL Brain Sciences学部長である Alan Thompson教授は、「本パートナーシップは、UCLの世界最先端の研究能力と製薬企業の創薬技術を結び付けるユニークなものです。今回の成果は、お互いの得意分野を活かすことができる本パートナーシップにより、初めて得ることができました」と述べています。

エーザイ・ニューロロジービジネスグループのチーフディスカバリーオフィサーである木村禎治執行役は、「アルツハイマー病等の神経変性疾患は、その病態の進行を防ぐ効果的な治療法がなく、未だアンメット・メディカル・ニーズが高い疾患領域であり、その克服に貢献することはエーザイの使命であると考えています。世界でも有数の神経変性疾患に関する研究機関であり、かつUK DRI(The UK Dementia Research Institute:英国認知症研究所)のハブであるUCLと、認知症治療に対する豊富なパイプラインを有するエーザイとのナレッジの融合により、E2814をはじめとする共同研究の成果を新薬に繋げ、治療薬を待つ患者様に一日でも早く貢献できるよう全力を尽くします」と述べています。

アルツハイマー病、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、ピック病など、病理像としてタウ蛋白の脳内沈着を示す神経変性疾患の総称

** 細胞間の拡散能を有する特別な形態のタウ凝集体

以上

本件に関する報道関係お問い合わせ先

<参考資料>

1. E2814について
E2814は抗タウ・モノクローナル抗体です。E2814は、アルツハイマー病を含むタウオパチーに対する疾患修飾薬として開発され、2018年度中の臨床第Ⅰ相試験の開始をめざしています。本臨床候補品は、エーザイとUCLとの共同研究を通じて見出されました。E2814は、タウ伝播種の脳内拡散を抑制する抗体として設計されています。

2. エーザイ株式会社について
エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc )」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

また、当社は開発途上国・新興国における医薬品アクセスの改善に向け主要なステークホルダーズとの連携を通じ積極的な活動を展開しています。

エーザイ株式会社の詳細情報は、www.eisai.co.jpをご覧ください。

3. ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London: UCL)について
UCLは、英国においてオックスフォード大学、ケンブリッジ大学に次いで1826年に設立されました。UCLはそれまでに教育の機会を与えられなかった学生に門戸を開いた初めての大学であり、また、法律、建築、医学に関する教育プログラムを最初に導入しました。様々な国際的なランキングにおいて、世界トップクラスの大学の一つとして評価されています。 UCLは現在150カ国から38,000人以上の学生が集い、12,000人を超える職員を擁します。また、UCLの年間収入は10億ポンド以上です。

UCLの詳細情報はUCLのホームページwww.ucl.ac.uk またはツイッター@uclnews、YouTubeチャネル YouTube.com/UCLTVよりご覧下さい。

4. UK DRI(The UK Dementia Research Institute:英国認知症研究所)について
UK DRIは、Medical Research Council(英医学研究会議)、Alzheimer’s Society(英アルツハイマー協会)、Alzheimer’s Research UK(アルツハイマー・リサーチUK)の出資のもと、認知症研究における世界的リーダーらにより運営されている国家研究機関です。UK DRIは、UCL、ケンブリッジ大学、カーディフ大学、エジンバラ大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン、キングス・カレッジ・ロンドンの英国内の6つの研究センターおよびハブ機能としてのUCL(本部)から構成され、世界有数の優れた研究資源へのアクセスと緊密な連携を実現し、世界をリードする認知症研究者を集結させることで認知症に対する革新的なアプローチをもたらし、患者様のより良いケアに繋げることをめざしています。

1 World Alzheimer Report 2018 - Alzheimer’s Disease International

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