茂木外務大臣会見記録 (6月30日13時34分) - ●香港情勢(国家安全法案) ●インドネシア鉄道高速化事業 ●WTO事務局長選(韓国候補の擁立) ●G7サミット(韓国招待案への日本の対応) ●香港情勢(国家安全法案) ●ヨルダン川西岸地区を巡る動き ●香港情勢(国家安全法案) ●旧朝鮮半島出身労働者問題(被告日本企業の差押資産の現金化に向けた動向) ●新型コロナウイルス(人の往来の再開)

2020/06/30  外務省 

記者会見

茂木外務大臣会見記録

(令和2年6月30日(火曜日)13時34分 於:本省会見室)

香港情勢(国家安全法案)

【NHK 山本記者】 香港問題について伺います。香港,「国家安全法」は全人代の常務委員会で可決されたと伝えられていますけれども,受け止めの方をお願いいたします。

【茂木外務大臣】 現時点では正式に公表されておりませんが,仮に,現在報じられているように,全人代常務委員会において,香港における「国家安全法」が制定されたのであれば,国際社会や香港市民の強い懸念にも関わらず,「国家安全法」が制定されたことは遺憾であります。regrettableということになると思います。
そして,「国家安全法」が制定されたということであれば,「一国二制度」の原則に対する信頼を損ねるものでありまして,引き続き関係国と連携しつつ,適切に対応していきたい,そのように考えております。

インドネシア鉄道高速化事業

【エコノミック・マンスリー誌 スシロ記者】 すみません,聞いたかどうか分かりませんが,インドネシアの大統領の計画なのですけれども,多分コストダウンのためになんですけれども,インドネシア鉄道高速化事業に関し,インドネシア政府は日本と中国の事業一本化を希望していますが,日本はどう考えているでしょうか。インドネシア政府からの正式な要請を受けているでしょうか。今までのジャカルタ・スラバヤのプロジェクトはどこまで進んでるのでしょうか。よろしくお願いします。

【茂木外務大臣】 最近のインドネシアの鉄道事業に関します様々な報道については,承知をいたしております。我が国は,ジャワ北,ジャカルタからスラバヤのあの長い距離になるわけでありますが,この幹線鉄道高速化事業に関します協力準備調査を実施しているところでありまして,引き続きインドネシア側と議論・協議を行っていきたいと思っております。今,そういった議論を行っているところでありまして,詳細につきましては,相手国政府との関係もありまして,お答えは差し控えたいと,こんなふうに思っております。

WTO事務局長選(韓国候補の擁立)

【韓国YTN 李記者】 2点に関して質問させていただきます。

【茂木外務大臣】 1点ずつお願いできますか。

【韓国YTN 李記者】 はい。まずWTO事務局長選挙に関しまして伺います。先週の記者会見で,茂木大臣は,対応について検討中であるとおっしゃいました。その対応の中には,韓国から出馬した兪明希(ユ・ミョンヒ)氏は事務局長としてふさわしくないという意見を表明することも含まれているのでしょうか。

【茂木外務大臣】 対応については,先日お話ししたとおり検討中でありまして,特定の候補に対する立場を決定したと,このような事実はありません。

G7サミット(韓国招待案への日本の対応)

【韓国YTN 李記者】 次はG7に関しまして質問いたします。日本政府は,今の体制を維持することが極めて重要であるという認識を明らかにしました。韓国を含め,メンバー国の拡大に事実上反対する理由は何なのでしょうか。

【茂木外務大臣】 G7は基本的価値を共有する参加国の首脳が,国際社会が直面します課題につきまして,自由闊達な議論を行うことに意義があると,これがG7の共通の認識であると考えております。
世界的な経済危機から始まりまして,世界の主要経済国がそういったテーマについて議論をすると,こういうフォーラムから始まりまして,それが単純に経済でなくて国際社会の様々な問題について議論をする場になっていると,このように考えておりまして,これについては我が国だけでなく,このG7がこのような枠組みを維持することが極めて重要であると,こういう考えであると考えております。
その上で,これまでのG7におきましても,アウトリーチ,こういった形でメンバー外の国であったりとか,国際機関,招待されることも多くあったと,そのように承知をいたしております。
今年のG7,どういう形式になるか,最終的には本年の議長国であります米国が調整する,このように承知をいたしております。

香港情勢(国家安全法案)

【テレビ朝日 大石記者】 冒頭の質問に関連してなんですが,香港には日系企業が数多く進出して,日本人も多く暮らされてる方がいらっしゃるかと思います。そういった方々や企業への影響というのを,この法律,施行された段階で,どのようなものがあるか,今の段階での考えをお聞かせください。

【茂木外務大臣】 現在,香港には,2万6,000人の在留邦人,そして1,400社の日本企業が活動していることも踏まえて,「一国ニ制度」の将来,これは香港とは緊密な経済関係,人的交流を有する我が国にとっても非常に重要であると考えております。我が国は,従来からこういった我が国にとって密接な経済環境及び人的交流を有する極めて重要なパートナーである香港について,「一国二制度」の下に,自由で開かれた体制が維持をされ,民主的・安定的に発展していくことが重要であると,この一貫した立場をとっているところでありまして,関係国と連携しつつ,これからも適切に対応していきたいと思っております。

ヨルダン川西岸地区を巡る動き

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)

イスラエルによるヨルダン川西岸地区の「併合」を巡る計画についての日本の立場をお聞かせください。また,一般的な話として,もし中国やロシアが係争中の領土を併合した場合,日本はどのような行動をとるとお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】
(以下は日本語にて発言)

我が国は,中東和平につきまして,イスラエル・パレスチナ間の紛争の「二国家解決」,これを支持してきておりまして,ヨルダン川西岸地区の地位や国境を含みます諸課題,これは当事者間の交渉によって解決すべきという立場でありまして,その立場は変わっておりません。

香港情勢(国家安全法案)

【読売新聞 大薮記者】 香港情勢に関しまして,米国が今回の可決を受けて,軍事・防衛に関する技術の香港への輸出停止といった措置を発表しました。日本として検討している措置などがありましたら,お考えをお聞かせください。

【茂木外務大臣】 先ほど申し上げたように,まず冒頭,現時点では正式に公表されていないと,このように考えておりまして,それに対しまして,仮にそういったことであればどうするかということに対して,様々な対応等々が報道されているところでありますが,関係国ともしっかりと連携して,適切に対応していく,現時点ではそれに尽きると思っております。

旧朝鮮半島出身労働者問題(被告日本企業の差押資産の現金化に向けた動向)

【JTBC中央日報 ユン記者】 日本政府の輸出管理見直しから1年になって,また徴用工の問題も進んでいます。現金化の話まで進んでいるんですけれども,この二つの問題を同時に解決できるとすれば,どういう方法があると大臣は考えているでしょうか。 また,前回の記者会見で,大臣は,現金化がされる前に,韓国と協議をしていきたいというふうにおっしゃったんですけれども,具体的にどういうふうに考えているんでしょうか。

【茂木外務大臣】 まず,今,進んでおりますのは,資産の差押えのプロセスでありまして,それイコール現金化ではないと。ただし,現金化が行えるようになれば,極めて深刻な事態になると,そのように考えています。その点は,韓国側に対しても,累次申し上げておりますし,先日の日韓の外相の電話会談におきましても,康京和(カン・ギョンファ)長官には明確にその旨申し上げたところであります。
一方で,WTOにおけます紛争解決事案につきましては,WTOに定めます手続に従って,引き続き適切に対応していく考えでありまして,この朝鮮半島出身労働者問題,それとこの輸出管理の問題というのは別の問題でありまして,この朝鮮半島出身労働者問題というのは,韓国の大法院判決によりまして,韓国がまさに国際法違反の状態を作っていると,これを是正するということを期待したいと思っております。

新型コロナウイルス(人の往来の再開)

【日本経済新聞 加藤記者】 入国規制の緩和のことでお伺いしたいんですけれども,先般,ベトナムに臨時便を運航して,一部,往来が再開しましたけれども,その他に交渉に入っている,タイも近く入国規制の緩和を発表すると思いますけれども,現状のその交渉状況について教えてください。

【茂木外務大臣】 先日来申し上げておりますように,感染の再拡大の防止と両立する形で,段階的・試行的な人の往来の再開については,まず対象として,ベトナム,タイ,そしてオーストラリア,ニュージーランドと,この4か国でありまして,協議・調整を今進めているところでありますし,調整が整った国から順次導入していく,施行していくということになります。