2021年3月期 第1四半期決算説明会質疑応答要旨

2020/08/01  株式会社 三越伊勢丹ホールディングス 


三越伊勢丹ホールディングス
2021 年 3 月期 第 1 四半期 WEB 決算説明会 質疑応答要旨
日時:2020 年 7 月 29 日(水)16:00~17:00


Q. 通期予想についてプラス要因とマイナス要因があると思うが、どこが回復してきて、どこが回復しきれないか。また、コロナ禍においてどのような消費者の行動変化が見えて、どのような対応をする計画になっているか。

A.消費行動は大きく変化している。衣料品が不調な一方、リビング用品が好調、化粧品は口紅等が不調だがアイメイク等が好調など、急激な変化。ただし一番の要因は、お客さまが外出を控えていること。特に、我々の強みである年齢層の高いお客さまがなかなかご来店いただけない状態で入店客数、買上げ客数についてもかなり厳しい。そんな中でデジタルの取り組みについてはお客さまの反応もいい。ブランドと協業してマスクを作り WEB で販売をしたが 7,000 枚のマスクがほぼ 1 時間以内に完売した。お客さまはかなり WEB に着目されているので、今後こういった取り組みをもっと増やしていきたい。足元については、インバウンドはほぼゼロ。日本人の実質売上は 15%ぐらいのマイナスだが、この状況に甘んじるつもりはなく、これからどこまで上げていけるかということに取り組んでいく。

Q. 海外について、第一四半期の状況はどうか。

A. 海外は決算時期が国内と違い 1 月から 3 月が第一四半期となるが、この時期にコロナの影響を大きく受けたのは中国で前年比が約 50%。東南アジア全体は前年比約 80%でそれほど影響を受けていなかった。4 月に入ると一変して状況が逆転した。

Q. 国内同様に海外も今の足元の状況が年内は続くという予想になっている理解で良いか。

A. 当社が出店しているエリアは日本同様コロナウイルスの影響をかなり強く受けている。一時中国が回復しかかったが、スローダウンしているのが直近の状況で堅めに読む必要があると思っている。

Q. キャッシュフローの考え方について、営業キャッシュフローは下期 135 億円と黒字転換の計画。財務的な手当てか、自然体で達成出来るか。また来季以降、営業キャッシュフローが戻ったら投資キャッシュフローを以前のレベルまで戻すのか、今後の考え方は。

A. キャッシュフローについて、百貨店は売上の構成比が一番大きいのが第 3 四半期となるのが一番の理由。特別な財務的手当てでなく、自然な計算結果。来年度以降は確定的なことは申し上げにくいが、仮に元のように営業キャッシュフローが 500 憶円ぐらい出れば、本年度かなり抑え込んでいる投資もあるので、先送りしたものを優先して投資の枠を使っていきたい。しかしワクチンや特効薬が出来たとしても、配布が行き渡るまで、少なくとも来秋ぐらいまでは厳しい状況だと思うので、最低限必要な投資以外はかなり絞り込んでいくということを社内で指示している。

Q. 構造改革を進め、より筋肉質な体質を目指す中での固定費の考え方はどうか。

A.今回の予想には未決定なことは織り込んでいない。まだまだ固定費削減は必要なので引き続き取り組んでいきたい。人員も現状が適正だと思っておらず、もともとの計画でも更に削減の計画だったことに加え、現状かなり厳しい事業や会社、例えば旅行やエステ等については、いま具体的なことが決まっているわけではないが、相当メスを入れる必要がある。

Q. 店舗のあり方について、これまでは基幹 3 店集中型だった。郊外店や地方店について基幹店を活かす意味でも今までと位置づけが変わってくるか。

A. 店舗再開後、立川店や浦和店は新宿店に比べると好調で、今まで新宿店をメインに買い物をされていた方が外出を控える中で支店で購入されている形。ただしこれは一時的で、いずれ元に戻ると考えている。また地域店が現状維持できるとは思っていないので、継続している構造改革をさらに進めていく。支店と基幹店の重なりが大きいことが今の大きな問題であり、そのなかで使い分けされてしまった。支店、地域店は地元のお客さまのニーズをどう掴むかが大事なので、この方向で引き続き進めたい。加えてデジタルの取組みを支店や地域店がどう上手く活用して地域のお客さまに売り込むか今後考える必要があり、その部分について支店、地域店の役割を明確にしていきたいと考えている。

Q. 第一四半期の変動費的な部分で下がっている販管費も当然ながらあると思うが、固定費だけを見るのであれば第一四半期よりも第二四半期以降に更に削減が進む意思があるという理解で良いか。

A. その理解で構わない。これから実際にスタートする施策も下期にあるので、そういった意味では固定費は期初から削減できている部分と、今後新たに追加する部分、その出現が下期になるものがある。

Q. 百貨店セグメント以外の通期計画について、営業利益をどのように試算しているか。金融セグメントは第一四半期で 14 億円の営業利益だが、通期は 10 億の予想。また不動産は第一四半期では増益だが通期では減益予想となっている。その他セグメントも含め、比較的第二四半期以降を保守的に見ているようだがどういう理由か。

A. クレジット・金融業については取扱い高の伸びを想定している一方で、百貨店が先ほどの前提を置いているため損益を上回るところまでは回復しないと見ている。不動産事業については、第1四半期はほぼ前年同様の実績だが、今後賃貸業を営んでいる商業不動産を中心にかなり厳しめに見る必要がある。固定の家賃は入ってくるが、売上連動の部分が従来通り入ってくることがかなり難しいと想定する。加えて昨年度は、建装業で大型案件の受注で利益を取っていたが、本年度は大型案件が今のところ見込めない状況。その他事業は、第1四半期が前年に対してマイナス9憶になっているが、これ並みの伸びしか期待が出来ないこと、またソシエについての店舗閉鎖が起きる可能性があり不採算店の立て直し等をやっているため保守的に見込んでいる。

Q. 今の環境を踏まえてさらにデジタル戦略や CRM 戦略を加速させていく中で手ごたえがある一方、休業期間中はオペレーションができなかったりと問題があった。今の時点ではオペレーションは普通に戻って大丈夫か。また、手ごたえが出ている部分や今後の展望、デジタル戦略の動きについて補足していただきたい。

A. 6 月に新アプリ、統合サイトを立ち上げ、スタートした。今後必要なのはバックヤードのインフラ整備。4 月はバックヤードのインフラが整備されておらず、掲載商品の多くが店頭からのピックアップだが、店頭要員を出勤させられず閉めざるを得なかった。物流や倉庫、問合せ機能など含め、急ピッチでバックヤードの体制を整備している。進捗については新サイトが立ち上がったことに加え、特に首都圏三越伊勢丹の従業員の意識がコロナ禍で大きく変わった。Zoom を使ったランドセルの販売や動画を使った宣伝、他にもいろいろな取り組みが各部門からたくさん出ている。まだ試行錯誤だが、トライ&エラーをたくさん積み重ねることが大事でこれからもトライしていく。社内の士気も相当上がっており、これから新たな結果を迎えるのではないかと思っている。ただし、今後のアフターコロナの店頭売上があまり期待できないことを踏まえるとまだ計画には入っていないが、もう一段、人とお金を積み上げてスピードを早める必要があると考えている。

Q. 雇用調整助成金の見通しについてどういった見立てになっているか教えていただきたい。

A. 通期予想の中に織り込んでいるが、特別利益としてグループ全体で 40 億円程度を現状見込んでいる。

Q. 人数や休業期間を 2 カ月と考えると、もっと大きい可能性がある気がするがどうか。

A. 我々も当初もう少し大きい金額かと思っていたが、厳密に当局とやり取りするなかでこの範囲ということで決められたものを調整した結果。

Q. 今のコロナの情勢を考えると、御社の一番重要なお客さまの客層は、大企業の方など所得や雇用の状況がそれほど悪くない。中間層は厳しいかもしれないが、資産活動の方などは株高で逆に資産効果でプラスで出ている可能性もある。ポテンシャルはある気がするが、主要顧客の消費意欲についての考えは。

A. 普段から高額購買のお客さまについては、購買意欲は衰えておらずそんなに悪い状況ではない。そのため引き続きアプローチをしていく必要がある。当初、再開後は 3 割減ぐらいを想定していたが 2 割弱減で済んでいるのはそのあたりが一番大きな要因。中間層は一概に悪いということではなく、外出や出勤を控える部分で消費がほとんど動いていない状況。特に出勤用のビジネスウエアや女性のキャリアの方が着る洋服の動きが悪く、単に意欲がないのか需要がないのか何とも言い難い状態だが、そのあたりについては若干見込んでいる。富裕層の状況と相殺されるが、高齢者層も外出を控えており、そこがもう少し戻ってくるのはコロナの状況が好転した時ではないか。ただし、そういった方はこれまでデジタルを使っていなかったが、外出制限の間にスマホや PC での宅配などをやむを得ず利用する機会が増え、結果としてリテラシーがあがり、使っていただけるようになってきているので、そういった意味ではまだまだやれることはあると見ている。

関連業界