高市総務大臣閣議後の記者会見の概要 2020年09月16日 - 冒頭発言 ●【退任挨拶】 質疑応答 ●この1年を振り返っての感想と新総務大臣への期待 ●インターネット活用業務実施基準の改定案 ●かんぽ生命保険の不適正販売問題 ●ゆうちょ銀行の不正利用被害

2020/09/16  総務省  

会見発言記事

高市総務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年9月16日

冒頭発言

【退任挨拶】

皆様、おはようございます。
総務省の最後の記者会見となりました。
昨年9月11日に総務大臣を拝命し、約1年間務めさせていただきました。
ここにいらっしゃるメディアの皆様にも、総務省の施策を本当に「丁寧」、「的確」、「適切」に、タイミングを見ながら報道していただき、心から感謝を申し上げております。
皆様のご質問の中で、私も様々参考になることがあり、学ばせていただきました。まずは、感謝を申し上げます。ありがとうございました。
そして、原広報室長も、今年の人事で私がごねて留任をしてもらって、大変苦労していただいたのですが、クラブの皆様とは本当に親しくしていただき、原も喜んでおります。お世話になりました。吉田さん(大臣官房総括審議官(広報担当))にも、短い間でしたけれども、お世話になり、感謝をしております。
また、大変幅広い所掌分野を所管する総務省で、たくさんの優秀な職員の皆様に支えていただき、私なりに必要だと思った政策を迅速に実行することができました。全ての職員の皆様に感謝を申し上げます。
また、大臣室の職員もずいぶん苦労してくれました。定時になったら、直ぐに私は帰ってしまいますし、朝レクも、前回の大臣在任中もそうでしたが、全く1回も受けず、ゆったりと朝は出てきてしまいますので、その分、大臣室の職員たちが夜遅くまで残って答弁チェックをしてくれたり、ずいぶん苦労をしてくれたことにも感謝をしております。
また、国会で、本当に、これは与党も野党も、その枠を越えて、たくさんの建設的なご質問をいただきました。
その中には、省令改正であったり、また、地方への通知であったり、いろいろな分野で、野党の方々のご指摘もしっかりと受け止めさせていただきながら実行させていただくことができ、国会の皆様、また、たくさんの法律案の審査をしてくださった与党の皆様にも、感謝を申し上げております。
全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいでございます。本当にお世話になりました。ありがとうございます。

質疑応答


この1年を振り返っての感想と新総務大臣への期待

問:
改めてなんですけれども、この1年を振り返られてのご感想と、新大臣に期待することがあれば教えてください。

答:
まず、「安心」ということでいいますと、この大臣に戻ってくるまでの間、2年弱、自民党本部でサイバーセキュリティ対策本部長を務めてまいりました。
全ての省庁に係るサイバーセキュリティについて、これから打つべき対策を提言したものを作ったのですが、総務省においては、総務省が所管する「情報通信分野」、「放送分野」、「電波関係」のサイバーセキュリティを徹底的に強化すべきということで、新たにサイバーセキュリティの取組を始めたこと、これが1点です。
それから、「命を守ることが国政の究極の使命だ」と申し上げてまいりました。
特に印象深いのは、緊急浚渫推進事業を創設できたこと、これによって、地方の中小河川に至るまで、越水をしないように事前からしっかりと事業が行える環境を作ることができたことが、とてもありがたいことだと思っておりますし、頑張っていただいた職員の皆様にも感謝をしております。
それから、前回就任中に始めた防災行政無線の戸別受信機の配備、特に障害をお持ちの方、ご高齢の方など、早期の避難が必要な方のご家庭や地域の消防団などのご家庭に、できるだけ早く、役場からの情報が行き渡るようにということで進めてきたのですが、しばらく総務省を離れているうちに、戻ってきたら少し下火になった気がしましたので、ここはしっかりと巻き直し、今回、大きく配備促進を進めることができました。それだけの予算の確保もできたと考えております。
また、「地域の元気」ということでは、これも前回大臣時にスタートしたことではありますけれども、しばらく下火になりかけていた「分散型エネルギーインフラプロジェクト」も、また力強く動き始めました。
これは災害などで、皆様十分お分かりだと思いますけれども、再生可能エネルギーで地産地消型の自立したエネルギー体系を地域毎に構築しておくことは、非常に重要な取組だと思います。
既に多くの地方公共団体でマスタープランができましたので、農水省や環境省や資源エネルギー庁や、国土交通省も入ってきてくれていますし、経済産業省本省も入ってきてくれていますが、総務省がマスタープランを作る調整役として、まずはマスタープランができたところに各省の資源を集中的に投入して、1つでも多くの地域に、できるだけ早く自立型のエネルギー体制を構築する、これも、是非とも続けていっていただきたいと切望をしております。
それから、地域ということでは、テレワークを始められる方への支援策も、一定程度充実することができたと思います。
これからますます重要になっていきますので、サイバーセキュリティを前提に、またしっかりと進めていっていただきたいと期待をしています。
また、光ファイバ網の整備、これも大きな予算がつきましたので、希望される地域には全部整備ができる状況になりました。
是非とも各自治体には積極的に手を挙げていただいて、日本列島の隅々まで光ファイバ網が行き渡る、そして、情報通信の恩恵を受けられる、そんな地域を作るためにも、武田大臣にも引き続き頑張っていただきたいと思っております。
また、「生活者の視点」を私は非常に大事にしております。
前回の在任中はご承知のとおり、医療機関で電波の混信が起きているという恐ろしい問題に気づいて、当時、こちらの電波部でもずいぶん頑張っていただき、また、厚生労働省にも呼びかけをし、今既に全国各地でたくさんの医療関係者が、混信が起きないように頑張っていただいております。これも大切な取組で、引き続き、全ての医療機関で、安全な電波環境が構築されますように願っております。
それから、雪下ろし対策で、ご高齢の方、障害をお持ちの方など、雪下ろしが困難なご家庭への「雪下ろし特交」を創設したのも前回でございますが、今回は、障害をお持ちの方、ご高齢の方など、特にゴミ出しが困難なご家庭に個別回収に伺う自治体を支援するために、「ゴミ出し特別交付税」を創設いたしました。
また、外国人の方々との共生を進めていく地域を応援するための交付税措置も、新たに創設したわけでございます。
そして、「未来に向けて」でございますけれども、「Beyond5G」を政府内で強く、何度も繰り返し繰り返しお話を申し上げ、「Beyond5G」に向けた研究開発、そして、何とか次は国際標準で日本が世界をリードするんだ、そんな気運が高まってきたと思っております。
また、「未来に向けて」ということで申し上げますと、量子暗号技術の研究開発にも一定の道筋を付けることができたと思っております。
やり残したことと言えば、道半ばで悔しい限りですが、NHK改革でございます。
多くの方、特に集合住宅などでは最初から衛星アンテナが付いておりますので、受動受信という形で高額な受信料を払わなければならない。特に若年層や、ご高齢のご家庭にとって大きな負担になっています。
何とか受信料負担を引き下げる方向をしっかりと詰めたかったという気持ちと、放送・通信融合の時代でございますから、今の放送法では追いつかない状況が出てきていると思っております。
テレビ受信機があるご家庭だけ受信料を負担していただくような体系ではなく、テレビチューナーが付いてないディスプレーをお持ちの方も、どうしてもNHKが見たい方は見られる環境を作っていくことも必要で、とても大きな放送法改正案件にはなりますけれども、それらに向けて民放各社、新聞協会様はじめ、たくさんの方々のご意見をいただき、有識者会議の先生方にも頑張っていただいて、少し全体像が見えてきたかな、来年の国会に向けて大きな流れが起こせるかな、そういった矢先での退任でございますので、そこだけは少し残念でございますが、これも武田大臣に託したいと思っております。
やり残しもございますが、私なりにたくさんの皆様に助けていただいて、必要と思われることにはすぐ手をつける。小さなことでも1つずつ形にしていくことは、頑張ってこられたように思います。
次の大臣への期待でございますが、とても明るい元気な大臣でございますので、私以上に馬力を持って、この巨大な総務省という組織が持つ多くの資源を活用して、改革に取り組んでくださると期待を申し上げております。
以上です。


インターネット活用業務実施基準の改定案

問:
最後にやり残したことで出たものですから、最初にちょっとお尋ねいたしますけれども、1つは、昨日NHKの方でネット活用業務の実施基準改定案が公表されましたけれども、費用上限は今の2.5%枠っていうのがありますけれども、これを取っ払うというような内容でしたけれども、受け止めをお聞かせいただければと思います。

答:
本来は、間もなく就任される武田大臣がご意見をおっしゃるべき案件だと思いますが、あえて聞かれたので、簡単に申し上げさせていただきます。
インターネット活用業務は、放送法第20条第2項に基づいて「任意業務」とされております。「本来業務」とは全く位置付けが、制度上異なるものでございます。
こうしたことから、放送法第20条第10項の大臣認可 要件には、インターネット活用業務の実施には「過大な費用を要するものでないこと」が明記されています。昨年、放送法の改正をしたばかりでございますし、与野党の多くの議員から附帯決議の中でも意見が出されている、国会の意思でもございます。
こういった規定に照らしましたら、改定案にある「抑制的な管理に努め」、「中期経営計画に記載する」といった表現のみでは、実際の費用が過大とならないのかどうか、検証できないと考えております。
今後、経営委員会において、放送法の関連規定や意見募集の結果も踏まえて、費用の上限を定め、真に抑制的なものとすることが確保されるよう、適切にご検討いただくことを期待いたしております。

問:
総務省の方で大臣認可をする際のガイドラインには、費用上限が明確に定められていないといけないって書いてあるようなんですけれども、そうすると今回、費用上限は、金額は書いてあるようですけれども、費用上限は書いてないので認可できないということにならないんでしょうか。

答:
それも武田大臣のご判断になることではありますが、ただ、私が前田会長に申し上げたのは、昨年は、2.5%という枠をはめましたが、しかし、よく精査をして、実際にインターネット活用業務にいったいどれだけの費用がかかるのか、十分にコスト削減も考えながら検討した場合に、実際に必要となる費用をまず考えてほしいと。
そしてまた、通信・放送融合の時代でございますので、先ほど申し上げましたように、テレビチューナー付きの受信機は持ってないけれども、インターネットでNHKは見たいという方の費用負担をどうするのか、こういった大きな議論にもつながってくるものと思います。
相当ピッチを上げて検討会でも検討していただかなければいけませんし、武田大臣がよくお考えになって、スピーディーに判断をしていかれるべきことだと思います。


かんぽ生命保険の不適正販売問題

問:
この1年でいうと、今お話しされたいっぱいある課題の中で、かんぽ生命保険の不適正販売問題というのが、総務省も次官が交代したり、様々なことがあっていろいろと、日本郵政グループは世間を騒がせたわけですけども、営業再開に向けて、今、郵政グループ動きだしている中で、最後にもう一度、郵政グループに対して何か注文することとか期待することとかがあったらお聞かせください。

答:
増田社長の下で、日本郵政グループでは徹底的に調査もされ、既に、相当な方にお詫びもされていると思います。
やはり、総務省ともずいぶんお話をさせていただきまし たけれども、再発防止策を徹底していただくことでございます。
特に、ご高齢の顧客の方に、十分な説明もなく、複数の商品を売りつけてしまうことがあってはならないと思います。ちょうど昨年、大臣に就任した時点では、既に、かんぽ生命対NHKとの戦いが始まっておりました。大変な時期であったと思います。
今般、営業再開をお決めになったということでございますが、総務省からの営業停止をお願いした期間は3か月でございましたので、それはとっくに過ぎております。慎重の上にも慎重を期しながら、調査を進められたものだと思います。
まず、お詫び行脚から始められると聞いておりますけれども、お詫びをされるのは当然かと思いますが、しかしながら、本当に自信を持ってお勧めできる商品は、堂々とお売りになったらいいと思います。
それから、被害を受けられた方々の権利の回復や、被害に対する対応が、まだ仮に残っているのであれば、しっかりと誠意を持って進めていただくべきだと考えております。


ゆうちょ銀行の不正利用被害

問:
昨日、大臣ご説明にあったゆうちょ銀行の被害なんですけども、なかなかゆうちょ銀行さんが情報開示されなくて、このままだと貯金している方に不安が広がると思うんですけども、具体的な被害の件数ですとか金額というのはどれぐらいに上るんでしょう。

答:
実は昨日、役所の方で用意された、ご通告いただいた質問に対するお答えなどには、私が申し上げたことは入っておりませんでした。
ご通告問を見た中で、ドコモ口座に関するご質問があることがわかりましたので、この際、昨日が実質的に最後の会見でございましたので、できるだけ多くの利用者の方々、金融機関を利用されている方々が、危機感を持って、自分の口座の記帳に行かれ、そしてまた、銀行側も責任を持って、この問題に取り組んでいただきたいと判断をしましたので、取扱注意と書かれていた紙でございましたが、あえて申し上げました。
ただ、資金決算法の世界でございます。直接私からゆうちょ銀行に対して権限がある案件ではございません。また、昨日の時点で私が把握していて申し上げた数でございますけれども、社名も実は手元にあったのですが、郵政行政部で聞き取ったものですから、万が一間違えた社名であったり、そういったものをこの場で申し上げると、それは多大なご迷惑がかかってしまいますので、これは、金融庁の方で、ゆうちょ銀行はじめ、各地方銀行も都銀も含めてしっかりと聞き取りをされ、正確なサービス名、資金移動サービス名を明らかにした上で公表していただくのが筋だと思いました。
これは所管外でございますので、これ以上のことは、不確定な、不確実な情報を申し上げることは、差し控えさせていただきます。
ただ、キャッシュレス決済への期待が高まっている現在でございます。特に、新型コロナウイルス感染症を受けて、キャッシュレス決済を進めなければいけないことを、多くの方が思っていらっしゃるし、政府としても進めようとしている中で、いかにセキュリティが大事かということを、改めて思い知った案件でもございました。
マイナンバーカードについても、少々手続が面倒だと、4桁の暗証番号を入れて、そしてまた、6桁から12桁までのパスワードを作らなければいけないのは面倒だとおっしゃるお声はわかるのですが、例えば、最低限の6桁で絶対に忘れないようなもの、それぞれお考えになれると思うんですね。トマトが一番好きだったら「TOMATO1」とか、何か好きな食べ物でも良いですし、ご自身の名前や生年月日は使えないと思いますけれども、何か覚えやすい、最低限の6桁で対応できるようなもので、二要素認証を多くのキャッシュレス決済や、また、カードの利用で、これは必要なものなのだということで、多くの国民の皆様がご理解をいただけたら、より安全な社会になっていくと思います。
もちろん、金融機関側には、大切な皆様の資産をお預かりしているのですから、しっかりとセキュリティを確立していただきたい、演習にもできるだけ多くの職員に参加をしていただきたいと思います。資金移動業者についても同様でございます。大きな課題であると考えております。
問:
今の質問の関連でですね、昨日のゆうちょ銀行の件を大臣がお話しなさらなければ、郵政グループ、ないしはゆうちょ銀行もそのことを言わなかったし、今お話にあったように総務省も情報を出そうとはしなかったと。しかし、昨日の情報は、生活者あるいは銀行にお金を預けている人にとってですね、警鐘する意味でもすごく大事な情報だと思うんですけれども、同様のことは去年のかんぽの問題でも、被害が広がっているのにグループは目をつぶって指摘されても情報公開をしない。総務省もある程度の情報が入っていても、それを知らせようとしなかった。あと、大臣が昨年話題にした郵便局の不祥事の公表の件でも、これは完全に総務省も知っていたのに、大臣が公にするまであまり問題になってこなかったことだと思います。大臣がいなくなったら、また、隠蔽体質というのは言い過ぎかわかりませんけれども、生活者とか利用者の利益のための情報公開の姿勢がまた後退していく。こういう懸念はないのかなと、今日お聞きしていて思ったんですが、お考えがあれば教えてもらっていいでしょうか。

答:
私は、総務省であれ、関連する組織であれ、どこの企業であれ、何か失敗をした、または利用者に迷惑をかけた、こういう不祥事が発覚したときには、すぐに謝罪をし、公表すべきだと思っております。
原因の究明までに時間がかかるから公表は控えるべきという考え方もありますけれども、最初にリスクを感知した、何かが起きていることを感知した段階で、わかる範囲の公表はしなければ、被害が更に広がってしまいます。
そして、全ての組織のリーダーに求められることは、何か不祥事が起きたときに謝罪をする、説明をする。その謝罪の効果は、地位に比例し、時間に反比例すると思っております。
できるだけ地位の高い方が出てきてしっかりと説明し、今の段階ではここまでしかわかりませんが、皆様にご注意をお願いします、更に新しい情報が出てくれば原因を分析して、またお伝えをします、そしてまた、解決策が見つかったらお伝えをします、これが原則だと思います。
時間が経てば経つほど謝罪の効果は減っていくし、できるだけトップの方が出てきて、重要な案件についてはしっかりと説明、謝罪をされるべきだろうと思っておりますし、総務省の職員はそれを心がけてくれました。何かが起きた時、記者クラブの皆様がお帰りになったような時間でも、今日中に何とか投げ込みかメールだけでもお知らせをしておいてと、私、たびたびお願いをしました。皆様には割と早く情報が伝わっていたのではないだろうかと思っております。重大な問題の時には、私がここに立たせていただきました。
大臣が替わると、というお話でございますが、武田良太大臣は正義の味方、国家公安委員長でございますので、私よりも更に強い正義感を持って、しっかりと対応してくださると期待を申し上げております。


問:
ほか、よろしいですか。なければ以上で終わりにしたいと思います。お世話になりました。ありがとうございました。

答:
こちらこそ、本当にありがとうございました。
すばらしい皆様と一緒にお仕事ができて幸せでございました。感謝申し上げます。

大臣の動画はこちら(YOUTUBE)