国際電気通信連合(ITU)におけるIMT-2020無線インタフェース勧告案の作成

2020/11/20  総務省  

報道資料

令和2年11月20日

国際電気通信連合(ITU)におけるIMT-2020無線インタフェース勧告案の作成

「超高速」、「多数同時接続」、「超低遅延」を特長とする第5世代移動通信システム(5G、IMT-2020*1)について、2020年11月に開催されたITU-R SG 5 WP 5D第36回bis会合で無線インタフェース*2の新勧告案が作成され、上位会合(SG 5)に提出されましたので、お知らせいたします。

1 概要

IMT-2020(いわゆる5G)は、2020年頃に実現が期待される次世代の移動通信システムとして、IMT-Advanced(いわゆる4G)の無線インタフェースが勧告された後の2014年頃から、無線通信部門 第5研究委員会 第5D作業部会(ITU-R SG 5 WP 5D)で勧告の検討が進められてきました。
11月17日(火)から19日(木)まで電子会議で開催されたITU-R SG 5 WP 5D第36回bis会合において、IMT-2020の無線インタフェース詳細仕様の新勧告案の作成作業が完了し、SG 5に上程されました。
今回、勧告される無線インタフェースは、以下の三つです。

  • 3GPP 5G–SRIT (3GPP*3提案、5G NRとLTEの組合せ)
  • 3GPP 5G–RIT (3GPP*3提案、5G NR単独)
  • 5Gi (インドTSDSI提案)

2 経緯、意義

IMT-2020を開発するためのプロセスとして、2014年頃からIMT-2020の展望(ビジョン)・定義の検討が、2016年から候補技術に求める要求条件及びその評価基準の検討が、2018年から候補技術の評価・勧告する技術の合意形成がそれぞれ行われ、今般、WP 5Dにおける新勧告案の作成作業が完了したものです。
移動通信システムについては、2000年に勧告されたIMT-2000(いわゆる3G)以降、市場の要求によって、国際的なサービスが提供されるよう、世界で統一的な技術仕様の実現が大きな目標となりました。そこで、主要国や地域を代表する標準化機関(以下、「SDO」という。)*4が中心となって、共同で技術仕様を作成する流れが加速し、そのプロジェクトの一つとして3GPPが設立されました。3GPPに参加するSDOは、3GPPで作成された技術仕様を標準規格として採用しており、複数のSDO間の技術仕様の共通化が実現されています。
ITUは、作成する勧告においてSDOが標準化した規格を参照する仕組みを可能としており、さらにITUに加盟する世界各国の主管庁が、勧告の承認手続に参加する枠組みを提供しています。したがって、ITUにより勧告された規格は、世界各国の賛同を得た規格と同義であるため、より世界的な標準規格として受け入れやすいものとなります。
今回、ITUにおいて新勧告案の作成作業が完了されたことは、この標準化の一連の流れにおいて一つの節目となるものであり、3GPPやITUの会合に参加しておらず、5Gの商用サービスがまだ開始されていない世界の多くの開発途上の国々にとって、今後、自国に5Gの導入を進める上で重要であり、また我が国にとっても、海外に5Gシステムを展開する上で意義のあるものです。
なお、3GPPの技術仕様(複数の技術項目に関する技術仕様をパッケージにしてリリースと呼ぶ)は、リリース15が2019年3月に、リリース16が2020年7月に策定されました。我が国ではそれを受け、一般社団法人電波産業会において昨年7月及び本年9月に、また一般社団法人情報通信技術委員会において昨年6月及び本年10月に、それぞれこれらの技術仕様を標準規格として承認しています。

3 今後の予定

本新勧告案については、11月23日(月)に開催されるSG 5第17回会合で確認・議論され、会合に参加する各国の代表団から異議がなければ、採択・承認のためITU加盟国(全193か国)へ郵便投票の手続に付されます。
郵便投票の開始から二か月間、加盟国から異議がない場合には、ITU-R勧告として承認されます(その結果、M.2136などの勧告記号・番号が付与されます)。郵便投票の結果は、令和3年2月上旬頃に判明することとなります。
総務省は、ITU-R勧告の策定を受け国内外で5Gの導入・普及がより進展・加速化されることを踏まえ、5Gの国内での普及のための取組や海外への展開のための取組を推進していきます。

(注)

*1 IMT-2020
“International Mobile Telecommunications-2020”(国際移動通信2020)の略。いわゆる5G。

*2 無線インタフェース
通信方式や多重化方式、多元接続方式、変調方式などを定めた無線通信の方式のこと。
3Gにおいては、以下の六つがITU-R勧告M.1457として勧告されている。

  • IMT-2000 CDMA Direct Spread (日本・欧州提案、W-CDMA)
  • IMT-2000 CDMA Multi-Carrier (米国提案、cdma2000)
  • IMT-2000 CDMA TDD (中国等提案、TD-CDMA、TD-SCDMA)
  • IMT-2000 TDMA Single-Carrier(米国提案、EDGE)
  • IMT-2000 FDMA/TDMA (欧州提案、DECT)
  • IMT-2000 OFDMA TDD WMAN (IEEE提案、Mobile WiMAX)
4Gにおいては、以下の二つがITU-R勧告M.2012として勧告されている。
  • LTE-Advanced (3GPP提案)
  • WirelessMAN-Advanced (IEEE提案、WiMAX2)
“RIT”は、”Radio Interface Technology”(無線インタフェース技術)の略。
“SRIT”は、”Set of RIT”(Set of Radio Interface Technologies)の略。

*3 3GPP
“3rd Generation Partnership Project”(第3世代パートナーシッププロジェクト)の略。3G以降、移動通信システムの仕様を検討・策定することを目的として1998年に設立された日米欧中韓印の標準化機関(SDO)によるプロジェクト。
今回のITU-R勧告における3GPPの技術仕様の対象は、リリース15及び16。
なお、我が国の提案は3GPPの提案技術に含まれており、中国、韓国からの提案は、ITUにおける勧告案の編成過程において3GPPの提案技術と同等であるとして、3GPPの提案に組み込まれている。
また、インドTSDSIの提案技術については、3GPPの技術仕様とは一部互換性がない部分があったため、ITU-R勧告に別の無線インタフェースとして反映されることとなっている。

*4 標準化機関(SDO:Standards Development Organization)
標準規格の策定を行う機関。3GPPに参加するSDOは、ATIS(米国)、ETSI(欧州)、CCSA(中国)、TSDSI(インド)、TTA(韓国)、一般社団法人電波産業会(ARIB)、一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)の計7機関。
連絡先
総合通信基盤局 電波部 移動通信課 新世代移動通信システム推進室
担当:田中課長補佐、丸橋係長、稲葉官
電話:03-5253-5896(直通)
FAX: 03-5253-5946
E-mail:nm_concept_atmark_ml.soumu.go.jp
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