環境負荷を最小限に抑制する基礎躯体解体工法を開発・実用化

2021/09/14  清水建設 株式会社 

環境負荷を最小限に抑制する基礎躯体解体工法を開発・実用化

~専用装置1台でマットスラブのブロック切断に対応~

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2021.09.14

清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、マットスラブや地中梁などのコンクリート基礎躯体を近隣への環境負荷を最小限に抑えながら解体できる「シミズ・基礎躯体クールカット工法」を開発・実用化しました。本工法は、押し切り・引き切りの双方に対応できるワイヤーソー切断装置「基礎躯体クールカット」を用いて解体部材をブロック状に切り出し、クレーンで揚重・搬出するブロック切断解体工法です。本工法では部材を破砕しないため、粉塵、騒音、振動の発生を最小限に抑制でき、周辺環境に配慮した施工が可能になります。

建物等の解体工事では、作業中に発生する振動や粉塵、騒音が近隣に与える影響を最小限に抑えるための対策が求められます。特に、マットスラブや大型基礎梁など、圧砕するのが難しい基礎躯体の解体作業では、大きな騒音や振動を伴うジャイアントブレーカーを使って部材を破砕するケースが多く、環境負荷の低減が喫緊の課題となっています。環境配慮型の解体工法として、ワイヤーソーによる切断解体が適用される事例もありますが、通常の引き切り型ワイヤーソー機材は垂直方向の部材切断に対応できず、連続コア削孔を併用する必要があるため、作業手間が多くなるという課題があります。そこで当社は、環境性能と施工性を兼ね備えた基礎躯体切断解体工法として「シミズ・基礎躯体クールカット工法」を開発しました。

本工法の核となる「基礎躯体クールカット」は、部材を縦方向に切断する押し切り機能と部材下面を水平切断する引き切り機能を自在に切り替えられるワイヤーソー切断機構と駆動・制御ユニットを一体化した総重量1.6tの切断装置です。ワイヤーソー切断機構には垂直方向に伸縮するガイドフレームを装備しており、このフレームを上下に移動させることで、ワイヤーソーの作動位置を調整します。

本工法を適用して、例えばマットスラブを床面からブロック状に切り出す場合、まずブロック外周線の3辺を基礎躯体クールカットで垂直切断します。各辺の垂直切断は4㎝程度の間隔をあけて2度行い、続けて底面を水平方向に引き切りし、板状に切り出されたコンクリートを吊り出すことで溝状の空間を設けます。次に、残る1辺の外側に基礎躯体クールカットを配置し、3辺の溝の中にワイヤーソーを落とし込みます。続いて、ワイヤーソーを装置側に引き寄せながらブロック底面を水平切断した後、底面からワイヤーソーを引き上げながら残る1辺を垂直切断することで、部材の切り出しが完了します。本工法で一度に切り出せるブロックの最大寸法は、縦4m・横2.4m・高さ1mです。

本工法の環境性能は、既存建物の解体工事でのマットスラブ解体作業を対象とした実施工により確認済みです。粉塵の発生量はジャイアントブレーカーによる破砕解体と比べて90%減少し、騒音は周辺の交通騒音と同等レベル、振動は無感知レベルに抑制できました。また、施工性についても、ワイヤーソー切断と連続コア削孔を併用する従来の切断解体工法と比べ、作業時間を約40%縮減できることを確認しています。

当社は、地上躯体向けのブロック切断解体工法「シミズ・クールカット工法」も開発・実用化しています。同工法では、アタッチメント式のワイヤーソー切断装置「クールカット」を油圧ショベルのアームに装着し、柱・梁のブロック切断を行います。今後、基礎躯体・地上躯体の解体工事に環境負荷の少ないクールカット工法を積極的に適用し、周辺環境に与える影響を最小限に抑えた解体施工を進めていく考えです。

以上

≪参 考≫

切断装置「基礎躯体クールカット」

シミズ・基礎躯体クールカット工法の施工イメージ

基礎躯体クールカットの仕様

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