大学分科会(第162回) 議事録

2021/09/15  文部科学省 

大学分科会(第162回) 議事録

1.日時

令和3年7月21日(水曜日)15時~17時

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 大学設置基準の一部改正について
  2. 大学院設置基準等の一部改正について
  3. 魅力ある地方大学の在り方について
  4. 高校生等が科目等履修生として大学の単位を履修した際の修業年限の通算について
  5. 「大学入試のあり方に関する検討会議 提言」について
  6. その他

4.出席者

委員

(分科会長)永田恭介分科会長 (副分科会長)村田治,渡邉光一郎の各副分科会長 (委員)越智光夫,後藤景子,湊長博,吉岡知哉の各委員 (臨時委員)相原道子,麻生隆史,安部恵美子,大野英男,大森昭生,小林弘祐,小林雅之,清水一彦,須賀晃一,清家篤,髙宮いづみ,千葉茂,曄道佳明,長谷川眞理子,古沢由紀子,益戸正樹,松下佳代,吉見俊哉の各委員

文部科学省

(事務局)伯井高等教育局長,森私学部長,森田大臣官房審議官(高等教育局及び科学技術政策連携担当),川中大臣官房審議官(高等教育局担当),笠原大臣官房文教施設企画・防災部技術参事官,西田高等教育企画課長,新田大学振興課長,武藤高等教育政策室長,西大学改革推進室長,髙橋高等教育企画課課長補佐,堀家高等教育政策室室長補佐,小松﨑医学教育課課長補佐ほか

5.議事録

【永田分科会長】 定刻になりましたので,第162回大学分科会を始めます。お忙しい中,またコロナ禍の中,オンラインですがお集まりいただきましてありがとうございます。残念ながら,今回もまたウェブ開催ということになりました。
いつも申し上げておりますが,オンラインでも,委員の先生方は自由に発言できる環境にあると認識しております。それから,ユーチューブでこの会議の模様はライブ配信されているということは御承知おきいただきたいと思います。
では,議事に入る前に事務方から事務連絡をさせていただきます。

【髙橋高等教育企画課課長補佐】 本日はウェブ会議及びライブ配信を円滑に行う観点から,御発言の際には挙手のマークのボタンを押していただき,分科会長から指名されましたら,お名前をおっしゃってから御発言いただきたいこと。また,御発言後は再度挙手のマークのボタンを押して表示を消していただきますようお願いいたします。また,発言時以外はマイクをミュートにしていただくよう御配慮いただけますと幸いでございます。
本日の会議資料については,事前にメールでお送りしておりますので御確認ください。
一点,御報告でございます。参考資料2でお配りさせていただいておりますが,今月の13日に地域連携プラットフォーム等の構築促進に向けたシンポジウムを開催いたしました。シンポジウムでは,大学,自治体,産業界の方を中心に,約600人の方に御参加いただきました。萩生田文部科学大臣の方からも,大学が地域にとってかけがえのない存在となっていくことへの期待を込めたメッセージを頂いております。
また,分科会委員でいらっしゃる永田分科会長,渡邉副分科会長,大森委員,清水委員,村岡委員にはプログラムにも御参加いただきまして,大変有意義なシンポジウムとなりました。御礼と併せまして御報告させていただきます。
以上でございます。

【永田分科会長】 ありがとうございます。早速一つだけ確認ですが,音はちゃんと聞こえていますでしょうか。前回システムの調子が悪かったので,今回からシステムを変えています。今回は声が拾いやすくなっているのではないかと思いますが,もしお聞き苦しいことがありましたらおっしゃってください。
本日は大きく分けて5点,議論させていただきます。最初は医学部の入学定員増に関する大学設置基準の改正の諮問。2つ目は,大学院における履修証明プログラムについて。3点目は,魅力ある地方大学を実現するための支援方策,またその具体策について。4点目は,高校生などが科目等履修生として大学で修得した単位についての制度改革について。それから5点目,大学入試の在り方に関する検討会議の提言がまとめられ公表されたということで,こちらについては,意見を伺うというよりは状況を共有したいと考えています。
それでは最初の議題に入らせていただきます。医学部の入学定員増に関する大学設置基準の一部改正についてです。
医学教育課長補佐の小松﨑さん,お願いいたします。

【小松﨑医学教育課課長補佐】 ありがとうございます。それでは,医学教育課より御説明を差し上げます。資料1-1を御覧いただければと思います。「令和4年度医学部入学定員増について」と題されているものになります。
1ポツにこれまでの経緯を書かれていますが,これは今回割愛させていただきます。
2ポツに,平成22年度以降の増員の枠組みが令和4年度以降も同様と書かれておりますが,これまで医学部入学定員については3つの枠組みをもって定員・臨時定員の増加を行ってきました。1ポツ目に書かれておりますのが地域枠,2ポツ目に研究医枠,3ポツ目に歯学部振替枠というものがございまして,今回諮問させていただく内容ですが,この3つの枠組みを維持して,引き続き令和4年度までの間,臨時で増員を暫定的に維持するというものになります。
3ポツに入学定員の推移が書いてありますが,おおむね増員をしてきたというものがグラフにおいて示されています。
増員期間が4ポツに書かれていますが,今回諮問させていただく案にありますのは令和4年度までの間ということで,令和4年度以降は令和元年度の医学部総定員総数9,420人を超えない範囲で,その必要性を慎重に精査しつつ,暫定的に現状の医学部定員をおおむね維持するというものになります。
1枚おめくりいただければと思います。若干,経緯というかこれまでの方針について補足させていただきます。
これまで医学部定員については,2018年のいわゆる骨太の方針で,2020年度・2021年度については2019年度の医学部定員を超えない範囲で必要性を慎重に精査しつつ暫定的に維持するとされておりまして,これまではこの規定に基づいてやっておりました。
昨年,令和2年度8月31日の厚生労働省の有識者会議,医師需給分科会において,コロナの影響を見極める,精査する必要があることから,暫定的に令和4年度の医学部定員に関してもこれまでの枠組みを維持するということについて合意がなされました。
それを受けて,下の方の令和4年度の医学部臨時定員の暫定的な維持について,厚生労働省の医政局長と文部科学省高等教育局長の通知で,暫定的に維持すると示させていただいております。
今回の省令改正についてですが,1枚おめくりいただいて,その方針に基づいて,大学設置基準及び大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則の一部を改正する省令ということでまとめさせていただいております。詳細についての御説明は,技術的なものになりますので割愛させていただきたいと思います。
私からの説明は以上になります。

【永田分科会長】 ありがとうございます。毎年のようにやっていることではありますが,御質問,御意見等はございますか。よろしいでしょうか。
この案件につきましては,今回令和4年度の医学部の入学定員増ということで,地域の医者の数が足らないということもあり,こういう形で認められました。ここで情報を共有するという意味で申し上げたいのは,先ほど厚生労働省医政局長と文部科学省高等教育局長の両方の名前が出ておりましたが,この件に関しては,文部科学省の方では,今説明いただいた医学教育課が主に担当しています。
一方で,厚生労働省の方も当然この点について関わってきています。その中で,今回の令和4年度の定員については,既に医学部をお持ちの大学の先生方は多分御存じだと思いますが,やがて地域枠を定着させるという方向を厚労省は考えております。大体医学部の定員はもともと100人程度ですが,その100人のうちの半分を地域枠で,残り半分を今までと同じような形の入学試験でというような,少なくともそういうたたき台はあるように聞いています。
この問題については,医学部をお持ちの各大学からは反発があるのではないかと思います。というのは,入学試験として,この地域枠だけ,なぜそういう枠をつくってしまうのか,不公平感があるだろうと思います。ある一定の措置として,100人の外枠にこういう地域枠を設定していますが,今度はもともとの定員の内枠の中にそれが設定されるということになります。これは医学部定員を決めたときの,もともとの各大学の定員を決めたときの議論から変わってきてしまうと思います。
そういう意味合いで若干懸念がありまして,理屈を述べて説明したいとは思っています。
多くの大学病院では,地域で分けられるものだけではなくて,当然,中には特定機能病院や中核病院もあるわけですから,町の医者のみならず,研究をするような臨床医をつくっていくというのも極めて重要な問題です。そういうところに定員問題が関わってきてしまうと問題があると思っております。ただ今年はそういうことはなく,例年どおりの令和4年度の医学部定員ということでございます。
御質問や御意見はよろしいでしょうか。
越智委員,どうぞ。

【越智委員】 今回のことに関しては私も全部問題はないというよりも,既定路線ですので,これで受験生にも親御さんにも影響はないと思いますが,先ほど会長が述べられたように,地域枠のことに関しては,地域医療構想と地域包括ケアが一体となってどういうふうに地域医療に取り組んでいくかということがやはり重要ではないかと思います。半数ぐらいを地域枠というようなことをやられている大学病院もあるのかもしれませんが,いかに医師を地域に定着させるのかということで,実効性のある形で地域枠を設定していく必要があるのではないかと考えますので,そこの地域医療構想と医学教育の在り方まで含めた形での総合的な議論が今後必要になってくるのではないかと思います。
それともう一点は,働き方改革で,大学病院の医師がどういう形になるのかということが非常に危惧されます。もしアルバイトという形で,山間部とか島嶼(とうしょ)部を支えているような医師が出て行けなくなるということになると,地域医療が崩壊します。逆に,出て行くのを制限させないような形はちょっと難しいと思います。ただ,今の給与で大学病院の中でずっと雇用し得るかというと,やはり給与的な面で大学病院には残らないということになると,大学病院の先端的・高度な医療の崩壊に繋がります。そういうところもあわせて,医師をどの程度育てていくかというのはもうちょっと総合的に考えていく必要があるのではないかと考えております。
以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。皆さんもよくお分かりになったと思います。地域枠の問題についての御意見がありました。それから働き方改革を,今特例事項として病院は対応していますが,大変シリアスな問題です。率直に言いますと,臨床医の先生たちは,たとえ労働基準法が変わっても仕事内容が変わるわけではなく,医療に従事しなきゃいけない。極端なことを言えば,解決方法で一番良いのは,大学附属病院の医師の数を増やせるようにすることです。
予算の問題もありますし,そういうふうにはなかなかできないわけですが,少なくとも今のままで行くと,今,越智先生がおっしゃったように地域医療も崩壊するし,時間換算で,研究時間を削ってでも診療をやらなきゃいけなくなると,今度は研究力が下がってしまう。良いことが1つもないため,重々,深い議論をした上で,そういうことをやっていきたい,またはやっていただきたいというのが越智先生の御意見でした。ありがとうございました。
そのほか,よろしいですか。
それでは,この案件は諮問事項となっておりますので,決を採らせていただきます。このような大学設置基準の改正に関わる事項については,大学分科会の議決をもって中央教育審議会全体の議決とすることができるということになっておりますので,まず,定足数の御報告をお願いします。

【髙橋高等教育企画課課長補佐】 大学分科会の委員及び臨時委員数は30名であり,現在25名の御出席のため,中央教育審議会令第8条第1項に定める過半数を満たしております。

【永田分科会長】 ありがとうございます。それでは,定足数を満たしているということですので,改めてこの件をお諮り申し上げますが,お認めいただけますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【永田分科会長】 ありがとうございます。御異論はないということで,先ほどの内容について御了解いただいたということにさせていただきます。ありがとうございました。
続きまして,大学院設置基準等の一部改正についてということで,履修証明プログラムの前向きな話題になります。
それでは,大学改革推進室長の西さん,お願いします。

【西大学改革推進室長】 事務局,大学改革推進室長の西でございます。どうぞよろしくお願いいたします。お手元の資料2という中で,「大学院設置基準等の一部を改正する省令について(案)」という資料を御用意いただければと思います。
今回の改正を御説明するに当たって,まず,その履修証明プログラムとは何かというところから御説明申し上げたいのですが,資料の3ページ目を御覧ください。参考,履修証明プログラムとはというペーパーがございます。
この資料の一番上の丸にありますように,大学の社会貢献の一つとして,学位課程よりも短期間のプログラムを学生以外に提供するものとして,平成19年度に創設された制度であります。
3つ目の丸ですが,履修証明プログラムとは,総時間60時間以上で,正規課程の授業のほかに,例えば公開講座なども組み合わせてよいということで,一定程度まとまりのある教育プログラムとしていただく必要があります。
その次の行にありますが,教育水準が各学位課程における教育に相当する水準とは必ずしも限らないものとなっています。
下にイメージ図がありますが,左側の緑色が学位プログラム,124単位を授業科目で履修するというものですが,真ん中に置いてあるのは履修証明プログラムで,講習あるいは授業科目,あるいは公開講座など,内容的にまとまりのあるもので60時間以上ということで構成していただいて,履修者には履修証明書を発行するということになります。
というのが履修証明プログラムの制度でございまして,すみません,1ページ目にお戻りください。
今回の改正の内容ですが,一番上に記載のとおり,グランドデザイン答申を踏まえまして,学部段階においてはこの履修証明プログラムを学位取得に結びつけるために,履修証明プログラムを取りましたよということを,それをもって単位の認定をするということが既に学部では可能となっております。
ただ,そこの次のチェックにありますが,大学院については,学部のように幅広い単位認定を行うということについてはさらなる議論が必要ということで,大学院部会で検討してまいりました。
今回,大学院部会の議論を踏まえまして,中段下の枠囲い,改正概要というところにまとめてあるように改正案がまとまりましたが,文字で御説明するとなかなか分かりづらいので,イメージ図を御用意しております。一枚おめくりいただきまして,2ページ目を御覧ください。
左側から御覧いただきますと,A大学院は大学院教育に相当する水準を有すると認める履修証明プログラムについては単位授与を可能とすることができますよと。単位を与えることができますというのが真ん中のグレーのところの吹き出しに書いてあります。
次に,この履修者がB大学院に入学した場合,このオレンジの右上の吹き出しにありますように,以前A大学院で履修証明プログラム分を,B大学で履修した単位とみなすことができますよということにいたしております。これがオレンジの右上の部分でございます。
また,今B大学院に在籍している学生さんが,図の下側に記載していますが,そのほかのC大学院,B大学院に在籍中にC大学院の履修証明プログラムにより習得した単位についても,当該B大学院の単位として認めることを可能とするということにしてはどうかとなっております。
ただ,このいずれの場合につきましても,B大学院としては,A大学院ですとかC大学院,自分以外のところの大学院での学修が,自分のところのB大学院の学位プログラムの中で単位認定とすることが必ずしも妥当ではないということもあり得ることから,単位認定をしますか,あるいは何単位として認定をしますかということは,B大学院が個別に判断をするということにしております。
なお,正規課程の単位としての認定上限でございますが,科目等履修制度でもございますが,B大学院入学前のA大学院分とか,B大学院に在籍したときに習得したC大学院分,それぞれ上限を15単位として,これを合算した場合でも最大で20単位までとします。ここで30単位としてしまうと,大学院の履修30単位を満たしてしまうので,そこの大学院にいる意味は何かということになってしまいますので,それぞれ持ってくるのは15単位まで,全てを合算したとしても20単位までということにしたいと考えてございます。
このような改正案につきまして,今後パブリックコメントを実施させていただきまして,具体的な改正省令案を作成いたしまして,大学院部会で再度御審議いただきまして,可能であれば今年度中に公布・施行を目指して,リカレント教育の振興に努めてまいりたいと考えてございます。
説明は以上でございます。

【永田分科会長】 ありがとうございます。分かりやすかったと思いますが,御意見,御質問はございますか。

【吉岡委員】 吉岡です。この,それぞれの履修証明プログラムの期限というか,有効期限というのか賞味期限というのは,それはこの図でいうとB大学が決めればいいのでしょうか。その辺はみんなB大学に任されているということでしょうか。
例えば10年前に取ったのがいつまで有効期限があるのかみたいなことって,多分,現実に起きてくると思うのですが,その辺の設計はどんなイメージでしょうかというだけです。

【西大学改革推進室長】 イメージとしては,B大学院で過去に学修した内容が今も学術的に正しいということであれば,Bとして単位として認定することはできるでしょうし,今はちょっと,そのときに学んだことはもう違うよねということであれば,単位としては認定されないのかなと思います。

【吉岡委員】 基本的にはB大学が単位認定のほぼ全面的な権限を持っているということでいいわけですね。

【西大学改革推進室長】 さようでございます。そのB大学院の学位プログラムの中で単位として認めるかどうかという話になりますので,学位プログラムとの関連性を見ながら判断するということになります。

【永田分科会長】 ありがとうございます。村田委員,どうぞ。

【村田委員】 ありがとうございました。これで結構かと思います。確認ですが,昨年度の大学院部会のところで私も申し上げ,今日ここにも書いてあります。マイクロクレデンシャルの提供云々(うんぬん)と書いてありますので,履修証明プログラムを単位化して,そして次の大学院でこれを認めていくことは大賛成です。しかし,3ページの資料にも,社会人向け60時間以上で履修証明書と書いてあります。
私も含め,何人かおっしゃっていた問題で,この時間を60時間でなくてもっと短くするべきだという議論があったのですが,今年度引き続き,これも含めて検討するのか,これはこれで別途検討していくのか,どちらなのでしょうか。

【西大学改革推進室長】 ありがとうございます。村田先生には御指導いただいておりまして,この点については引き続き,既存の制度として今のところである履修証明プログラム,60時間というのを前提に制度改正を行わせていただいた上で,マイクロクレデンシャル等を含めて大学の質保証の議論も踏まえながら,別途検討してまいりたいと考えてございます。

【村田委員】 ありがとうございました。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
曄道委員,どうぞ。

【曄道委員】 ありがとうございます。ちょっと私の理解が足りていないのかもしれませんが,私も御提案には賛成しております。その中で,先ほど単位認定の話が吉岡先生からも出ました。20単位を超えない範囲でということですが,一方で3ページ目には,履修プログラムは教育水準が各課程の学位の教育に相当する水準とは限らないという書き方があります。
単位を認定するという意味合いは,B大学院がこの水準にあるということを認定するという意味とは,また異なるということでしょうか。ちょっとその辺を教えていただきたいと思うのですが。
単位を認定するというのは,私の理解では,学位に向かってその単位はそれだけの水準にあるという認定をしたのかなと思うのですが,いかがでしょうか。

【西大学改革推進室長】 御指摘のとおりでございまして,例えば履修証明プログラムで授業を例えば60時間やりましたと。単純にその時間だけで当てはめると4単位相当かなというふうになると思いますが,この中に公開講座みたいなものが入っているとか,あるいは学部の基礎レベルだよねというものが含まれているということを個別に見まして,例えばA大学院としては,この単位を3単位として認めましたよと言ったとしても,B大学院から見れば,大学院相当レベルとしてはせいぜい2単位ぐらいしか認められないよねとなることもあり得ますので,それは個別に判断をしていくということになると思っております。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
曄道先生,よろしいでしょうか。

【曄道委員】 ありがとうございます。

【永田分科会長】 それでは,そのほか御意見,御質問等はございますか。よろしいでしょうか。
先ほど御説明がありましたとおり,パブリックコメントに回してまた差し戻ってくるだろうと思いますが,その際は,またご議論のほどよろしくお願いいたします。
これについては,それではこのまま先へ進めさせていただきます。ありがとうございました。

【西大学改革推進室長】 ありがとうございました。

【永田分科会長】 それでは次に,これが一番多分大切なパートですが,「魅力ある地方大学の在り方について」を御議論していただきます。
まず資料3-1と3-2,これを基に事務局から御説明いただいた後に議論をさせていただきます。
それでは武藤室長,よろしくお願いいたします。

【武藤高等教育政策室長】 高等教育政策室長の武藤でございます。よろしくお願いいたします。資料3-1で,前回もこれ,ほぼ同じ体裁のものをお配りしておりますが,「魅力ある地方大学の在り方について(論点とこれまでの意見)」という資料でございます。
1ポツからめくっていただくと最後,4,5と来て6までありますが,これは前回と同じ論点が並んでいまして,これまでの意見,1ページに戻っていただくとこれまでの意見というのが四角囲みになっています。
この地の文というか,黒い字で書いてあるのが前期までに出た御意見で,前回出た御意見が赤になっていると,こんな感じで今,整理をしているものでありまして,ページをおめくりいただくと2ページに渡ってきて,3ページが2ポツの魅力ある地方大学,同様に前回の御意見が赤で示されております。
めくっていただいて例えば5ページ,3ポツ,魅力ある地方大学を実現するための地域との連携の在り方,同様に赤で前回の御意見が掲載されているということでございまして,7ページから,前回,比較的意見が少なかった部分について,本日,集中的に御議論いただきたいと思っています。それが4ポツの,地方公共団体や産業界等の役割というところ。それからもう1枚めくっていただいて5ポツで,大学が地方創生の取組を進める意義というところ。そして6ポツ,10ページに参りまして,魅力ある地方大学の実現のための支援方策というところで,ここは比較的多くの意見を頂いておりましたが,11ページ,この赤い字がずっと続いている11ページのボックスの最後に,財政支援の必要性というのがございます。先生方の御意見の中で,取組を進めていく上ではどうしてもやはり財源が不可欠なので確保が必要だと。これに加えて,この8月の予算要求に間に合うように,大学分科会としても魅力ある地方大学の実現のための予算に関するまとめをしてみてもいいのではないか,こういった御意見が前回あったところでございます。
これにつきまして,資料3-2というものを永田分科会長と御相談の上で御用意しております。ちょうど,元に戻ると3-1の最後の6のところの赤い字のいろいろな御意見ですとか,それ以外にも今まで頂いた先生方の御意見などを含めまして,資料3-2を案として取りまとめているものでございます。
「はじめに」にというのは今申し上げたようなことなのですが,大学を取り巻く状況として,デジタルトランスフォーメーション,グローバル化,Society5.0の到来等,あるいは少子化,生産年齢人口の減少,あるいはテレワークやワーケーションなど地理的な制約を超えた働き方の拡大とともに,災害や感染症等に対して強くしなやかな国土形成の必要性が指摘されていると。こういう大きな価値転換を経験している中にあって,地域分散型社会の形成に向けた地方創生の重要性が増しているという,基本的な認識を書いております。
その上で地方大学の役割,このような現状下,地域と知と人材の集積拠点である大学にしか果たせない役割があるであろう。例えば,地方大学には医療,福祉,教育,こういう地域にとって必要不可欠な分野に従事する者を育成する役割がある。
それから,大きな価値転換の中では,地域産業のDXあるいはグローバル化を推進していくための人材育成も不可欠となる。リカレント教育を通じて地域に必要な労働力を育成するという役割も大きいと。
文科省では,これは先生方の御意見,前回もございましたが,COC+ですとかCOC+Rといった事業を通じて,大学が地域の産業界と連携して地域課題の解決に貢献するという取組を推進してきているところでありますが,今後これまでの成果を更に発展させていくことが求められるということを書いております。
それから,魅力ある地方大学とはということで,大学が地域の中核的な拠点となる上では,教育研究を通じていかに社会的な実践を行っていくことができるかが鍵であって,その社会的な実践の場として魅力ある地域の存在が必要になるということですとか,あるいは,アンダーラインを引いてございますが,産学官金連携の成果として,全国各地や世界各国から人材を集めて,また地域への優秀な人材の輩出,大学の知の活用や,社会実装を通じた地域の課題解決や,地域経済の発展によって地域に貢献する大学の在り方が求められるということ。
それから,それぞれの地域にとってどんな大学が魅力ある大学なのか。これは正に地域の関係者によって議論されるべきであると。そのためには,教育研究を含む大学の様々な活動に多様なステークホルダーが関与して,地域社会としてそれぞれの大学の必要性や重要性が明確になることが重要であるといった事柄を整理しております。
ここまでが基本的な考え方というか認識みたいなところなのですが,3ページ以降,魅力ある地方大学の実現に向けてということで,正に前回御提案があったような予算要求に向けた観点として,丸1から丸5まで整理をしているところであります。
まず丸1が,地域社会と連携した地域ならではの質の高い人材育成ということで,大学が地域の中核として機能していくために,様々なステークホルダーと目的を共有する。そして資源の提供を受けて教育研究を充実させていくのが必要だと。これまでは地域の強みや特色を十分に意識しておらず,地元のニーズを捉え切れていないカリキュラムが編成されているというような指摘もあったと。
これは後ほどまた出てきますが,先生方の御議論で踏まえてつくっていった地域連携プラットフォームなどにおいて,地域の産業界や自治体と,様々なデータに基づいて,目指すべき地域の将来像や,そのために育成する必要のある人材像について徹底的に議論を行って,その実現のための教育プログラムを構築していくことが求められると。
そのプログラムを実施するに当たって,自治体や産業界から講師の派遣ですとか寄附金,あるいはプログラムの提供,あるいはインターンシップですとか,さらには自治体や企業が実施する奨学金の返還の支援とか,いろいろな活動があり得るわけですが,こういうものをやっていく中で大学と地域が共同して,その地域ならではの質の高い人材育成に取り組むことが求められると。
また,リカレント教育のニーズに対応するために,地域のニーズを反映した短期集中型のプログラムを構築することが有用である。
また,ポストコロナ社会において,DXの進展によって時間的・空間的な制約を超えた教育の在り方が重要になる。遠隔授業の活用や,地域課題の解決と教育研究とを融合した取組の推進も含めて,地域に所在する大学にとっては大きなチャンスなので,地域ならではの人材育成を推進するに当たって一つの視点になるのではないか。こういう事柄。
あるいは,地域に輩出する学部卒の人材全体の質の向上を図るために,文理融合や分野横断による高度なSTEAM人材育成の取組を進めることも必要である。こういう感じで丸1でございます。
丸2,少しはしょっていきますが,高度な連携推進体制の構築ということで,これまでも,この分科会の提言を踏まえて,学部等連携課程の制度化ですとか,大学等連携推進法人の制度化を行ってまいりました。
また,地域には5年一貫の実践的な技術者教育を行う高専ですとか,あるいは地域密着の高等教育機関として専門学校もございます。こういう様々な高等教育機関が存在するわけで,従来の枠にとらわれずに,こういう様々な機関の連携による取組を進めていくことが望まれるということで,視点として掲載しております。
また,次のアンダーラインのところですが,地域の大学やその他の高等教育機関のみならず,地方公共団体,産業界,金融機関,様々な機関が一体となった恒常的な議論の場として,プラットフォームの構築が求められているというようなことも,少し,前回,丸1とかぶるのですが,ここにも記載しております。
丸3は,出口を重視した取組の重視ということで,5ページに飛びますが,我が国の大学教育は学生に密度の高い学修を促す教育システムとなっていないと。修了時点で必要な能力を身につけることができていないという指摘があると。地域に真(しん)に必要になる人材を育成していくために,修得主義の徹底,厳格な卒業認定によって,この力が身についていると共通の認識を持つことができて,地域の産業界等としても雇用したいと思うような人材育成が求められると。
現在の延長線上で地域産業に役立つ人材を育成するというだけではなくて,地域の産業社会の構造を,グローバルやあるいはデジタルトランスフォーメーションに導いていくような人材の育成も必要ではないかということを記載しております。
丸4に参りまして,地域ならではのイノベーションの創出など研究・社会実装機能の強化ということで,地域社会で活躍する人材を育成するだけではなくて,地域ならではのイノベーションを創出して課題の解決や経済の発展に資する取組を進めることが期待されている。社会のデジタルトランスフォーメーションや脱炭素みたいな,今後我が国にとっても重要になるようなイノベーションについても,より具体的なニーズが身近に存在する地域の大学こそ,その担い手となる可能性がある。そのために優秀な研究者を引きつけ,あるいは学生や若手研究者を育てていくような大学づくりを通して,地域ならではのエコシステムを構築することも期待されていると。
こういう中で,産学官金連携の強化あるいはベンチャーの創業支援,あるいは,下から3つ目のところですが,ジョブ型研究インターンシップですとか,産学官連携拠点の構築ですとか,その中で大学側にマネジメント人材を育成・確保していくとか,そういう様々な事柄。それから6ページに参りまして,アントレプレナーシップの教育みたいなスタートアップ創出機能の強化ということも盛り込んでいます。
最後5番目で,制度的な特例による先導事例の創出ということですが,本分科会において,先日,地方国立大学の特例的・限定的な定員増についておまとめいただきました。併せて同じ月に,大学等連携推進法人についても設置基準上の「自ら開設」の特例が講じられるなど,様々な特例が講じられてまいりました。
こういう特例を活用することによって,従来とは一線を画す先導的な取組をつくっていくということで,大学の持つ力を活用した,新たな地方創生に資する人材育成の可能性にもつながっていくのではないかというようなことでございます。これらの観点から,国において大学の取組を強く推進するための施策を講じることを期待したいというふうにまとめております。
今後については,令和4年度概算要求を前にして,この考え方を示したところであるが,魅力ある地方大学の実現に向けて更に議論を重ねて,本年末を目途に一定の取りまとめを行いたいとしております。
なるべくこれまでの先生方の意見を盛り込んだつもりでございますが,またお気づきの点等ありましたら,是非おっしゃっていただければと思います。
以上でございます。

【永田分科会長】 ありがとうございます。今説明があったとおりですが,前回,少し議論が足りなかった資料3-1の4ポチ,5ポチ,6ポチのところについて積極的に御意見を頂きたいということと,資料3-2で,前向きにこうあるべきというものをつくっておりますので,これに対して意見を頂きたいということです。
もちろん,1ポチ,2ポチ,3ポチに戻ったとしても,それは妨げませんが,主に資料3-1の4,5,6と資料3-2について,どうぞ自由に御発言いただいて結構でございます。
清家委員,どうぞ。

【清家委員】 ありがとうございます。只今御説明いただきました資料3-2にございます,「魅力ある地方大学を実現するための支援の在り方について」について,私立大学の視点から3点,コメントとお願いをさせていただきたいと思います。
まず,このような形で概算要求に向けてペーパーをまとめていただいたことを大変有り難く思っております。また,案に掲げられております地方大学への支援に当たっての基本的な考え方についても,いずれも適切なものと思います。
その上で,まず第1点として,各地域の地方創成のための機能拠点としては私立大学も重要な役割を果たしていることを踏まえて,地域創生に貢献し,求められる役割機能を果たす大学につきましては,国立大学のみならず私立大学に対する支援方策を充実していくことについても,この取りまとめの中で加えていただければと思います。
第2点といたしましては,同様の趣旨から,この資料3-2の2ページ目の第2段落にございますように,大学が地域の産業界等と連携した地域貢献を推進するための文部科学省の施策として,COC+あるいはCOC+Rを例示しておられます。
ここに,私立大学等経常費補助金の私立大学等改革総合支援事業の中でも,地域社会への研究というタイプを設けて同様の大学の地方貢献を推進しておりますので,これをできれば例示に加えていただければ有り難いと思っております。
最後に3点目として,このペーパーを受けて支援方策の具体的な内容も検討されるものと承知しておりますけれども,その際に,次の4つほどの点を考えていただければと思っております。
まず1つは,今申しました私立大学等改革総合支援事業を含む私立大学等経常費補助の確保と充実ということでございます。2つ目は,地域連携プラットフォームや大学等連携推進法人に参加する大学へのインセンティブの付与ということでございます。3つ目に,それを行う上でも大切でございますけれども,寄附金等の外部資金を一層獲得できるような方策についての調査研究等を推進するということでございます。そして4点目に,これらに加えて学校法人への経営相談の充実であるとか,あるいは優れた取組事例の共有,それによる横展開といったようなことを考えていただければと思っております。よろしく御検討いただければ幸いです。ありがとうございました。

【永田分科会長】 ありがとうございます。大変分かりやすい意見表明だったと思います。
大野委員,どうぞ。

【大野委員】 ありがとうございます。東北大学の大野です。取りまとめいただきまして誠にありがとうございます。特に資料3-2はすばらしく,概算要求の前にこのような取りまとめをされたということは高く評価し,かつ有り難いと思っております。
その中でもう1つだけ,書いていただいた方がよりいいと思う点について,発言させていただきます。
それは,「脱炭素」という言葉は使われていましたが,カーボンニュートラル,あるいはもっとレジリエントということも含めたグリーン,そういうものが世界的・国家的課題になっているわけですので,是非それを,前の方の見える形でお書きいただくと,もっとインパクトが増すのではないかと思います。
特にカーボンニュートラルなどは,これからの成長のエンジンでもあります。そして,国全体として取り組むことに加え,地方地方で,地域地域でそれぞれ工夫しながらカーボンニュートラルを目指さない限りは,2050年の大きな目標というのは達成できません。
そういう意味で,地方でも多様なアプローチをするべきだと思いますし,地方大学がその中核になり得ると信じておりますので,是非,そういう書き方を御検討いただければと思います。
以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。カーボンニュートラルも今のポイントですが,国際公約に近い提案ですから大変重要なポイントだと思います。
益戸委員,どうぞ。

【益戸委員】 益戸です。どうもありがとうございます。私はいつも,新しい施策が始まるときにはしっかりした予算取りが必要だと申し上げておりますが,今回,8月の概算要求に向けてこのペーパーが出すことは,非常に良い判断だと思っています。
前回,6月8日に中央教育審議会の大学分科会がありましたが,その後,6月18日の閣議決定で,菅政権下で初めての骨太の方針が出ました。
この骨太の方針を見ますと,やはり目玉になっているのは成長を生み出す4つの原動力の推進と思います。その中に,「日本全体を元気にする活力ある地方づくり,地方への新たな人の流れ,多角的連携,分散型国づくりを行う」ということがはっきり書かれています。
ある人口労働統計を見ますと,全国47都道府県の労働人口のうち,上位9県で全体の50数%の方が働いている。言い方を変えると,残りの38の府県で全国の労働人口の約半分弱の方が働いているということになるわけです。やはり活力ある地域連携,活力ある地方をつくっていくためには,それぞれの地域の特色を考えて推進していかなければいけないということも,この労働人口統計を見ても分かると思います。
先ほど事務局から御報告のあった,先週7月13日の地域連携プラットフォームの構築促進に向けたシンポジウムを初めから最後まで聞きました。それぞれ特色ある地域の事例が紹介されており,大変興味深いものでありました。また,シンポジウム冒頭の伯井高等教育局長の挨拶の中で,「それぞれの大学は何をすべきなのか」という話が出ましたが,改めて私たちはキーワードとして考えなければいけないとも感じました。
このシンポジウムの参加者というのは,御報告があったとおり,ほとんどが教育関係者や行政機関の方です。私自身は,文部科学省との関わり合いがなければ,このシンポジウムは知らなかったと思いますし,当然参加もしていなかったと思います。今後の魅力ある地方大学づくりのためには,教育関係者,行政機関や関連する産業界だけでなく,これからは,多くの地域住民の方々に興味を持っていただくことも非常に大切ではないかと考えます。そういった方策も私たちは是非考えるべきです。
以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。極端に言えば,骨太の方針を引用したら良いのではないかと。それからもっと広くステークホルダーを捉えたら良いだろうということかと思います。
次に小林雅之委員,どうぞ。

【小林(雅)委員】 ありがとうございます。私の場合,少し戻ってしまうのですが,魅力ある地方大学ということについて,地域の高校生が入学するということ,これは教育機会を提供するという意味で非常に重要だということはよく分かりますし,これについては前回の中教審で参考資料として高等教育基礎資料というのがあって,県内からどれぐらいの高校生が入っているかというような資料も出されています。
それに対してもう1つの,今度は出の方ですね,地域に就職するかどうか。これについてはいろいろな意見があると思います。もちろん地域で活躍する人材というのも重要ですが,日本全体で活躍する人材というのも地方の大学も創出するというのがあっていいと思いますので,いろいろな考え方があると思います。
いずれにしても,どちらかだけになってしまうとバランスが悪いというふうには私は思っていますが,問題は,出の統計的な把握がされていない。この中教審の場でも,大学と地域の関連について,大森委員とか,あるいは千葉委員,それから高知大学だと思いますがいろいろな非常に優れた事例というものは出されていますが,残念ながら,では大学を出た人がどこの地域に就職しているかということについて,全体的なエビデンスというのは今のところ出されていない。
これは,学校基本調査にそういうものがありませんので難しいということは承知なのですが,先ほど益戸委員が言われたように,例えば県の労働局とかそういうところで結構そういうデータを持っていたりすることがありますので,全部のデータをこれからそろえるというのは難しいかもしれませんが,今年度中にこれをまとめるということでしたら,是非エビデンスをつけていただきたいということです。
前回の高等教育基礎資料が非常に参考になると思いますので,事務局にはちょっと頑張っていただきたいなと思います。
以上です。

【永田分科会長】 それでは小林弘祐委員,どうぞ。

【小林(弘)委員】 ありがとうございます。1-2の資料の中で,ちょっと的外れだったら申し訳ないのですが,魅力ある地方大学をつくるというそもそもの一つの理由は,やっぱり18歳人口がどんどん都市部に集中して地方が消滅するのではないかという,たしか,今,日本郵政の社長をやられている増田氏が以前書かれた本「地方消滅」にかなりインパクトがあって,このまま東京都がブラックホールのように若い人たちを吸収して地方にいなくなってしまうと,都会に来た人たちはほとんど結婚しないので人口がどんどん減ってしまうというような警鐘を鳴らされていたというので,地方をもっと活性化して,若い人たちをもっと地方に引き寄せるべきだというのがもう1つの理由になっているのではないかと,想像しているのですが,そのときに,今日の答申書で丸3として,4ページ目ですね,出口を重視した取組というのはかなり大事だと思うんです。
つまり,せっかく若い人たちを地方大学に引きつけても,卒業してから結局都会に就職してしまったら,余り意味がなくなってしまう。それで,この中でちょっと表現方法として,五,六行目ぐらいに,地域の産業界が雇用したいと思うような人材育成,これも大事なのですが,やはり就職したいという産業育成も逆の意味で大事,つまり,卒業した人たちが地方の産業界に入りたいと思うような,そういう取組も必要ではないかと思います。
大学分科会ですので,その辺の視点が盛り込みにくいのかもしれませんが,それも入れていただければ,バランスが取れるのかと思います。
もう1つ言うならば,正規雇用を是非入れてほしいというのが希望です。
私からは以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。もっともな御指摘だと思います。
吉見委員,どうぞ。

【吉見委員】 今の御意見とかなり重なるのですが,半分意見,半分質問になりますが,魅力ある地方大学というのは,やっぱり魅力ある地方の大学だというふうに私は思います。
それで,今回質問させていただきたいのは,1つは総務省とか国交省との関係になるかと思いますが,国土計画と大学振興の計画のすり合わせといいますか,その辺はどうなっているのかというのが質問の趣旨です。
例えば,1940年代の後半に新制大学ができるときには,文部省は1県1大学構想という国立大学構想というのをしましたが,当時やっぱり多極分散型の国土計画というのが同時並行でございましたし,1970年代でいえば三全総でしょうね,三全総は地方分散を強く志向したわけですが,それと1970年代の大学の,80年代以前の大学の在り方というのがあって,今回,こういう方向に向けて大学側から出していくときに,国土計画や,それから魅力ある地方とは何かというところの強調ということを,質問と同時に,もうちょっと出していただけるといいかなと思いました。
冒頭のところでは,災害や感染症等に対して強くしなやかな国土形成とか,地域分散型社会形成というのが出ているわけなので,その地域というものにもう一歩踏み込んで,何か示していただくといいかなというふうな気がいたします。
以上でございます。

【永田分科会長】 貴重な御意見ありがとうございます。
村田委員,どうぞ。

【村田委員】 ありがとうございます。今,吉見先生がおっしゃったこと,あるいは小林先生がおっしゃったことと関係しているのですが,基本的に大学だけで地方の創生はできないわけです。やはり企業,産業をどう育成するかということが重要で,そのときに,④でしたか,イノベーションの創出があるのですが,ここのところに,例えばイノベーション,社会実装が書いてあって,新しい産業の誘致だとか新しい企業の誘致というようなことを含めてイノベーションを起こしていく,というような文言が入らないのかなということが1つ目でございます。
もう1つ目は,これも先ほどどなたかおっしゃったのですが,ゼロカーボンだとかSDGsというようなキーワードをどこかに入れることができないのかなということ。
それからもう1つ,それと関係ある,今申し上げたことと関係ある3つ目なのですが,②のところで,1行下に「高度な連携推進体制」とあるのですが,この「高度な」という言葉が,言葉としてはそうなのですが,もう少し具体的な形で書かないとちょっと分からないのかなと。そこで,例えばイノベーションだとか社会実装だとか,産業の育成というような意味,あるいは,ゼロカーボンを書くかどうかは別ですが,もう少し具体的な言葉で表現した方がいいのかなと。
同じようなことは,これ何回か同じような文章が出てきているのですが,6ページのところに,「従来とは一線を画す」とか,現在とは違うというようなことがよく出てくるのですが,じゃあ質的にどう違ったものを目指すのかということが,もう一言踏み込んであった方がいいのかなと。そのことは,一つは先ほど吉見先生もおっしゃったように産業の育成を含むようなことではないのかな。
要するに,ポストコロナ,Society5.0というのは,いわゆる産業の集積ではなくて,あるいは人口の集積ではなくて,逆に集積がデメリットになる。逆に集積しなくてもいけるようなものを,正に地方でどうしていくか,すみ分けていくかということが中心的な課題ですので,そこをちょっと踏み込んで書いておいていただいたらいいかなという気がしました。
以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。ごもっともかと思います。
安部委員,どうぞ。

【安部委員】 ありがとうございます。この3-2に示されている,予算請求のためのおまとめをいただきましてありがとうございました。その中で,2つお願いというか要望を述べさせていただきたいと思います。
まずは4ページの丸2の一番下のところのアンダーラインのところに,「高大接続は重要な観点となる」という文言がございますが,地域では初等中等教育の段階で,地元についての理解を深めて地元に貢献しようとする心情を育む学習というのが,各教育委員会等の指導の下で展開されていることがあります。その一例として,私の住んでいる地域では地域振興のキャッチコピーに,帰るための地域,いわゆるUターンする地域ではなくて,変える地域,つまり変化をする地域でなければいけない,そのための人材を育てたいというのがございます。それを実現するには,地域の高等教育機関と高等学校等の中等教育機関との接続と連携の強化は重要な観点だと思っております。
特に,高等学校段階から地域の大学や短期大学,そして専門学校につないだ地域産業界の将来を担う人材養成を,大学間連携の下に自治体や産業界のニーズに沿って,地域が必要とする人材の養成,採用受入れ,そして就職後の研修のシステム化というのが,その地域の人材の質と量の確保と,地域全体の労働生産性の向上につながるのではないかと思っております。
今回,資料4には,高大接続の見える化を図るためか,高校生が科目履修生として大学の単位を履修したときの履修年限の通算に関しての緩和措置について提案されておりますが,いわゆる高等専門学校のように,優れた実践的で創造的な技術者を中等教育と高等教育段階を結んで養成するようなシステムに倣って,地域で必要とされる多分野の職業人養成を行う仕組みまで持っていければいいなと考えております。
次に,5ページの丸4の下の部分なのですが,地域産学官連携拠点の構築や,拠点内での大学間マネジメントを専門とする人材の育成は急務であると考えております。地域連携プラットフォームや連携推進法人という箱をつくっても,それを実質的に動かす人材がなかなか地域では見つけにくいし,見つけたとしてもその人のスキルアップというのはなかなかできにくいというのを感じます。そうした専門人材の発掘と育成は,地方大学が地方創生の要としての役割を果たすための最優先課題であり,活性化のための必要十分条件ではないかと思っております。
以上,2つの意見を述べさせていただきました。

【永田分科会長】 ありがとうございます。最後の観点は,リカレント教育のところで資料3-2丸1にも書いてありますが,言われたことはよく分かります。
長谷川委員,どうぞ。

【長谷川委員】 長谷川です。支援の在り方の,資料3-2の魅力ある地方大学とはというところの何行目かに,「産学官連携の成果として全国各地や世界各国から人材を集め」というのが書いてあるでしょう。だから,やっぱりいろいろ流動することは大前提ですよね。地方のどこかから持ってきたら,どこかは穴が空(あ)いているわけですから,丸々県に生まれて,そこで就職してそこで死ぬというのが一生の一番いいやり方だと言っているわけではないでしょう。
だから,それを考えると,魅力的なものがあり,そこを魅力的だと誰が思うか。それはいろいろな人の人生のあれですから,そこに行きたい人がいろいろなところから出てくる。そういう魅力があるということなのだと思います。
先ほど小林先生でしたっけ,言われた,地方に定着してくれる人と,いろいろ流動化する,グローバルに出ていく人とのバランスを考えなきゃとおっしゃっていたのは,私はそのとおりで,この全体を読むと,どっちを重視しているのかというのが何か見えない気がしました。
それで,そこの4ページの「出口を重視した」という中に,地元の産業界が雇用したいと思うような人材が育っていないと。地元の産業界が雇用したいと思わない人は,ほかに行ったって雇用したいと思う人はいないのではないかという気もするので,そういう意味での,まともな人材を育てるということと,その地方のある種の産業に魅力的なものを特別につくるというのは,やはり分けて考えた方がいいのではないかと思いました。以上です。

【永田分科会長】 はい。同様な意見が先ほどもあったと思います。
大森委員,どうぞ。

【大森委員】 ありがとうございます。3点です。1点目は,さっき小林雅之先生がおっしゃったエビデンスについて,私も同感です。自治体では,県内大学から県内企業に就職した割合みたいなデータって持ち合わせていないですよね。うちでもプラットフォームを組んで,大学がそのデータを出し寄って,それをまとめることができた。
なので,もし,ほかの省庁でそういうデータをお持ちのところがあるのだとすれば,それは是非見てみたいというか,有り難いデータだと思うので,もし探していただけるのであればすごく有り難いなと思っています。それが1点です。
2点目,今お話があった出口の部分なのですが,うまく言えないのですが,やっぱり一般的にデータを見ると,地元の高校生が地元の大学に行き,その地元出身の学生が地元の企業に勤めていくという流れがあって,地元の大学に多く入学できるといいよねということがあります。それはちょっと鶏が先か卵が先かみたいなところはあるのですが。地元の企業さんが必要としている人材を大学が育てていないのではなくて,育っているのだけれど,そこのマッチがうまくいっていないという方が現実に近いのではないのかなというのは感じているところです。
いろいろな取組をすると,学生も地元の企業を知っていって,そこでビジョナリーな企業も見つけ出して勤めたいと思っていくのだけれど,そこのまだ距離があって,知らないが故にという部分の方が多いのではないのかなという気がしているところです。
むしろ地元の企業さんは人が欲しいとおもっているところなので,育っていないというか,これから育てましょうというよりも,もう育っているのだけれど,そこが定着する道筋というものをどうするのかという感じかなと感じています。
最後に,これは具体的なお話なのですが,資料3-1の4ポツのところで地方自治体の関係を書いていただいていると思うのですが,今回の文章の中では,プラットフォームとかそういうものをつくるときに,地方自治体も一緒にという表現としては入れていただいているのですが,資料3-1の方では,もうちょっと地方自治体の皆さんの主体性みたいなものに期待するような議論をしていたかなというふうに感じます。
文科省としてはそこがちょっと書きづらい部分があるのかもしれませんが,もし可能ならば総務省さんとかとも少し下話をした上で,やっぱり,専門学校さんとか県立大学さん,そして私立,国立,そういった高等教育機関,さらには高大接続ということをやっていこうとしたときには,それこそ大学単体でそのしくみをつくっていくのはかなり難しい部分があって,やっぱりそこのまとめ役としての自治体の役割はすごく大きいのではないかなというふうに感じていて,自治体も,大学を自分事化して動いていけるような仕組み,これは大学にとっては間接的な支援ということになるかもしれませんが,地方自治体にもインセンティブがあるような,そういった支援や自分事化できるような支援というようなことがやっぱり必要じゃないかなと思っていて,もう一歩踏み込んだ書きっぷりがあると有り難いなと感じたところです。
以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
吉岡委員,どうぞ。

【吉岡委員】 ありがとうございます。今までのお話と重なるところも多いのですが,1つは地方大学といっても,地方大学とは何か,東京じゃないということだ,という話が昔ありましたが,東京以外の大学,地方大学にしても,大都市にある大学から中都市,小都市,それから都会から少し離れたとこにある大学までものすごく種類があって,ひとまとめに地方大学というのはなかなか難しいだろうなというのが前提です。
その上で,やはり地方大学というのを考えていくときの重要なことは地域の活性化ということだと思うのですが,最初にそもそものところで,この文章の最初のところにも出てきますし,武藤室長からの説明にもありましたが,例えばDXの進展であるとかグローバリズムの進展であるとか,少子化であるとか,それからSociety5.0とかというのは,単純に考えた場合には,地方にある大学にとってはなかなかプラスの面はないと思う。テレワークが進んでいってしまい,授業がオンラインでできるようになった場合に,何も地域の大学にいなくたっていいという,一方でそういう議論というのは当然出てきているわけです。そこでどうするのかということがすごく重要なことだろうと思います。
どうすればいいかということについての具体的な意見はないのですが,4ポツに関わることですが,4ポツで地方公共団体や産業界等というものの役割ということですが,これまでのお話の中にもありましたが,やはり地方で考えるときの一つのイメージは,地方の高校生が地方の大学に入って,地方の企業に就職するというのがデフォルトのイメージなのではないかと思います。
でも,今申し上げたようなDXであるとかグローバル化だとかということが進んだ場合に,そして現にうまくいっているとか新しいことをやっている大学というのは,地元出身ではない学生が自分のところに来て海外に出ていくとか,海外の学生が地方の大学に来て地元に就職するとか,そういうことが起こってくる。それが起こってこない限りは,多分地方の大学というのは,非常に特色があるといえば特色があるかもしれませんが,余り未来が見えなくなってくるのではないかと思います。
それで,4ポツの地方公共団体や産業界は,是非自分のところの高校生などを自分のところの大学に入れて,自分のところに還流するのがプラスの価値だというところは脱却していただきたいと思います。
キャンパスがいいキャンパスで,そこの学生生活が充実していれば,そこで暮らした学生は,海外に行ったとしても東京に就職したとしても,何らかの形でそこに戻ってくるだろうと思います。そういう意味では,地方の大学を魅力的にするというのは,単に地元の企業に就職するとか地元の高校生を集めるとかいうことよりも,もう少し大きな視点で考えていくということを,是非地方公共団体や地方の産業界というのがイメージしていただきたい。地元にある大学の学生に,例えば奨学金を出してもいいですし,いろいろなプロジェクトを組んで,学生たちが取りあえずは東京に就職しても,あるいは海外に出かけていってもいいけれど,戻ってくる価値を見せてあげるということを目指す。そういう方向で考えないと,多分難しいだろうなと思います。
以上です。

【永田分科会長】 後藤委員,どうぞ。

【後藤委員】 この資料を読ませていただいたときに感じたことは,すでに何人もの方がおっしゃいましたが,地方創成に大学が取り組むのだったら,現実的には入り口と出口をきっちり押さえていくということが重要かなと思いました。入試枠とか地元の雇用創出とかにターゲットを当てることが必要かなと思いました。
もう1つは,連携していくためにはソフト的なものだけではなくて,例えば集いの場になるスペースとか,ハード的なものが重要で,その観点での記載があまりないと思います。それは別のところで議論されるのかもしれませんが,やはり何か場が要るのかなという印象を持っております。
以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
次,相原委員,どうぞ。

【相原委員】 私が言いたかったことを吉岡先生が全ておっしゃってくれたと思います。
この資料を見ますと,これを高校生や大学生が読んだときに人生に希望が持てるかといったら,何か暗たんたる気持ちにならないかなというのがちょっと心配されました。地方の人をいかに地方から出さないかではなくて,先ほど長谷川先生もおっしゃいましたが,いかに世界の人や,東京からだけではなくて日本中の人を地方に引きつけるかということの施策を考える,そのための支援があるべきかと思いました。
簡単ですが,言いたいことはもうほとんど吉岡先生がしゃべってくださったので,これで終わりにしたいと思います。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
髙宮委員,どうぞ。

【髙宮委員】 ありがとうございます。今回は試みとして,概算要求を念頭に置いてということで,非常に有り難く存じます。本当にありがとうございました。
内容について,今,吉岡先生のお話にもありましたように,いかに本当に地域は魅力的になるか,引きつけられる場所になるかということを非常に念頭に置いているところです。できればこれからでも入れていただきたいと思っている点を,それに関連してお話しさせていただきたいと思います。
今までいろいろなテーマが取り上げられてきたのですが,全体を挙げて,産官学と協働して地方発展を考える,地方創成を考えるというフレームワークだったと思います。学のお話をしたときに,ここが大学分科会でございますので,大学のお話と,せいぜい高大接続という形で積極的に高校との連携が語られてきただけだったように思います。
ここは文科省であることもありまして,むしろ教育の視野というのは初等教育・中等教育も含めて,早くからのいろいろな子供の教育に,大学がコミットするというフレームワークが入った方がいいのではないかということを提案させていただきたいと思います。
と申しますのも,例えばICT,DXの話がたくさんありますが,これは年齢は関係なく,小学生あるいは中学生のうちから非常に高度な能力を発揮する学生さんもいらっしゃいます。科学やその他でも同様でございまして,これまでの教育フレームワークでは,日本の中ではなかなか,そういう若年のところで能力を持った方が大学にアクセスしていろいろな能力を伸ばす機会は少なかったように思います。
この地方創成の機会に,そのような機会を大きくつくることによって,根源的に,非常に卓越した人材を地方につくることが可能になるかもしれず,ひいては,その方がいずれどこかに出ていったとしても,その地方で育ったということだけでも非常に名誉になるような,そのような地域的な文化なり土壌なりができるのは,長い目で見ると非常にすばらしいことなのではないかと思って,今の件を提案させていただきました。
以上でございます。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
千葉委員,どうぞ。

【千葉委員】 ありがとうございます。皆さんのお話をお聞きしておりまして,やはり大学教育,地方の大学で非常に有効な学修をしたとしても,なかなか地元に残らず出て行ってしまう。こういう現実を考えますと,やはりターゲットとするのは人材ではないかと思う。やはり人材,大学を出てきた人材がいかに地元を活性化するのかという,そういう優れた仕組みづくりを考えなきゃいけないのではないのかと思う。
これは大学だけで考えていきますと,皆さんがおっしゃっているような状況になっていくのではないかと思います。そのためには,後期中等教育の高等学校と大学との,やはり地方の場合にはさらなる連携を進めて,その地域ならではの,例えば林業掛けるICTとか,あるいは観光掛けるICTとか,そういうとがった,その地元に必要なヒューマンリソースを自分たちがつくっていく,その地方でつくっていくということを実現することが重要じゃないのかなと思う。
アメリカなどでは企業も高校現場に出ていって,ICTの教育が高等学校だけには任せられないということで,どんどん出ていっているわけです。私どもの運営している専門学校でも,P-TECHということで,日本IBMさんとセールスフォースドットコムさん,シスコシステムズさん,町田工業高校,そして東京都の教育委員会ということで,とがったICT人材を,小さなスタートですけれども教育がスタートしております。
特に地方都市の場合には,そういうICTの基本的なところをなるべく早く高校生に伝えて,大学の4年間で更に伸びしろを増やしていくというか,そういうようなことに取り組んでいく必要があるのではないかと考えております。
もう1点は,大学は知の集積場として重要であるということが書いてあるのですが,やはりもう1つ必要なのは志,パーパスだと思う。やはりそういう学生さんたちが,自分が身につけた技能を使って,例えば秋田の山の中で,料理屋で使う植物の葉っぱを集めて首都圏に送り届ける,大変すばらしいビジネスをやっている方もいらっしゃいますし,漁業者と首都圏の家庭をつないで流通を革命しているような人もいますし,そういう意味では,もう1つのキーワードは,生きる力というものを高等教育機関で身につけさせる,こういうことが一つのキーワードになるのではないかと思いますので,知に加えて志,また生きる力ということを盛り込んでいただけたら有り難いなということで発言をさせていただきました。ありがとうございます。

【永田分科会長】 ありがとうございます。現在手が挙がっている方々は,松下委員,越智委員,渡邉委員,須賀委員,髙宮委員。髙宮先生は二度目でしょうか,挙がっております。時間の関係上,今,手が挙がっている方々に御発言をお願いしたいと思います。
それでは松下委員,どうぞ。

【松下委員】 ありがとうございます。今回のこの定義,とても重要だと思うのですが,今のお話を伺っていましても,地域の産業との連携とか人材養成というところはかなり詳しく述べられているのですが,大学が地域の中核的な拠点になるという場合はそれだけではないように思います。
私は以前,日本学術会議のある委員会で,熊本大学の永青文庫研究センターが,熊本の震災後に,震災でもうぐちゃぐちゃになってしまった歴史の資料をレスキューするという,資料レスキューの取組をやったというお話を伺ったのですが,そういう地域の歴史とか文化を守っていく,更に豊かにしていく,そういう拠点でも大学はあると思います。
先ほど吉見先生が,まず魅力ある地方をつくると,そこの地方の大学という意味が出てくるのではないかというようなことをおっしゃっていたのですが,魅力ある地方,地域という場合に,産業ですごく活性化しているということも重要なのですが,やはり文化,知の拠点としての大学も重要だと思います。STEAMということも言われていまして,Aはリベラルアーツという意味も含まれているということですので,是非そういう文化とか歴史とかそういったところでの大学の意味ということも強調していただければと思いました。
以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
越智委員,どうぞ。

【越智委員】 ありがとうございます。3-2の資料なのですが,私もよく書かれていると思います。ただ,「はじめに」部分の最後とかにあるのですが,「ことを期待したい」という文章です。
最後の「今後の論議に向けて」の直前も「期待したい」とか「求められる」という表現になっているので,もう少し踏み込んだ表現を考えていただければと思います。
それに加え,もう皆さんがほとんど言われたのですが,例えば優秀な人材を地方に集めて教育する,確かにすばらしいことなのですが,やはり研究者なり教育者なりが循環するような仕組みというものがないと,いい人材も地方で育ちにくい。やはりインブリーディングだけでは,大学全体として国立大学は駄目なんじゃないかと,私立も含めて思います。
ですから,地方に来たいような人がたくさん集まれるよう,まず研究所なり企業なりに地方へ来てもらう。国立の研究所などもある程度分散していく方法も一つではないかと思いますし,企業は税制面での優遇とか,規制面での緩和とかがあると思います。そういうところを考えていくのが,私は必要ではないかと思っております。
以上です。ありがとうございました。

【永田分科会長】 具体的な御提案をありがとうございます。
渡邉委員,どうぞ。

【渡邉委員】 どうもありがとうございます。吉岡委員のおっしゃるように,グローバル化やDXを自然体で進めてしまうと,ストロー現象のように大都市に人が吸収されて,地方は過疎になるというのが,恐らくコロナ前の一般的な認識だったと思います。
しかし,このコロナ禍で情勢は変わった。様々なところで指摘されているように,ニューノーマルの到来に向けて企業構造も変わっていますし,地方の在り方も変わってきています。
私は産業界としての活動をする中で,地方の経済団体と一緒に大学の先生方のお話を聞く機会が非常に多かったのですが,その度に潜在的には地方に魅力的な大学は存在していると感じていました。国公私立を問わず,そこにはありとあらゆるシーズが眠っている。一方で,そのようなシーズを世の中に見える化できていない,あるいは産業界に知られていないという点が問題です。
資料3-2で整理していただいている魅力ある大学は既に存在している。魅力ある大学をどう実現するかについては,この資料に指摘されているように地域連携プラットフォームなどで見える化をする,あるいは産学連携の中でそれを顕在化させることで,そのシーズを活かしていくという行動こそが重要です。現状ではシーズが十分に活用できていないため,非常にもったいないと思います。
シーズを掘り起こして,産学が連携してそれを社会実装化すれば魅力ある地域になり,魅力ある地域連携プラットフォームが形成される。そうなればそこに人が集まり,世界からも呼び寄せられるようになる。資料3-2に記載されている「『魅力ある大学』とは」,あるいは「『魅力ある大学』の実現に向けて」ということを,あとはどう実践していくかという問題なのではないでしょうか。
余りにも寂しい意見も出ておりますので,必ずしもそうではないと言いたいところです。既に存在しているものも潜在化しており,これをどう顕在化するかという視点をもう少し強く出した方がよいのではないか,という印象を持ちました。
以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
それでは須賀委員,どうぞ。

【須賀委員】 どうもありがとうございます。私も,読ませていただいて非常によくまとまっていると思ったのですが,1つどうしてもよく分からないところがありました。それは,「地域」という言葉が頻繁に出てくるのですが,それが一体何を意味しているのか分からないということです。場所によっては県を単位にしている,あるところでは市を単位にしている,あるいはあるところでは歴史・文化のまとまりを意味している。いろいろな形で「地域」という言葉が使われていて,具体的に何をするかというときになると,この「地域」というのは一体どこで誰が中心となってどんなことをやるのかという,肝腎な主体を見つけようと思うと全く分からなくなってしまう。
というようなことがございまして,地方出身の人間から見ると,自分の生まれた場所に戻るだけの魅力があるということが恐らく一番重要なのだと思うのですが,そういう魅力をどういう形で引き出すかというときに,大学が中心ということは,どういう意味でしょうか。例えば一つ県を単位として,そこで必要な人材を養成するというときに,その方々が見ているのは,その県内全体なのでしょうか。
それはどうもそうではなさそうで,恐らく産業という言葉を使っても,あるいは文化を使っても,範囲が限定されないと具体的な実装の話というのはできないのではないか。
そういう中で,個別に,その県の中心にある大学が何をするかというと,それは,その中心付近にある情報を用いてやるだけで,地域全体を見ているというふうにはとても言えないのではないかという感じを受けてしまいます。まとまりのない話で申し訳ないのですが,結局,単位を明確にしていかないと具体的に何をしなければいけないか分からなくなってしまう。そうしますと,地域で養成しなきゃいけない人材というのも,これも全く分からない。むしろ,これまで我々が養成しようとしてきた人材こそが,どこに行っても役に立つ人材なのだというふうに考えると,そのような人材が向かっていく地域をどうつくるかということの方が重要で,大学が何をするかよりも,どのように魅力ある地域になるべきかというところの議論が先だろうなと思います。
そういう意味では,吉岡先生がおっしゃっていたようなことと非常に近いところに結論はなるのですが,そんな感想を持ちました。
以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
御意見をたくさん頂戴いたしました。私が思っていたことと近いことがたくさん出てきたと思っていますが,具体的な諸所のポイントについてはこちらでメモしておりますので,うまく使わせていただきます。
少しだけ意見を申し上げますが,実は数年前に,とある提言をまとめたときに,「地方」と言っているときには,どちらかというと物理的,地理的な意味でのまとまりと捉えていました。「地域」と言うときは近い地方を意味しますが,機能的なまとまりと考えてまとめていたことがあります。
今回の提案では,そうは書いていないので読みにくいかもしれませんが,必要ならば書く必要があるかもしれません。
それから皆さんの御意見の中で圧倒的多数だったのは,魅力ある地方大学ではなく,私もそう思いますが,まずは魅力ある地方なり地域というものがあるかないか,ない場合はどうするかという問題,これがまずプライオリだということはよく分かったと思います。
ただ,ここは国土交通省ではないので,そういう魅力ある地域にどう貢献していくかという観点を見ると,先ほど大森委員が言われましたが,例えば地方自治体がどう関与すればいいのかというような問題も出てきます。考え方を少しだけずらすと,魅力ある地方・地域をつくるということ自体に直接大学がどこまで関与できるか,または,おのずとその他のものが寄ってくるような場所,あるいはその特性が発揮できるものとなるように,どう助けることができるかだと思います。
先ほど熊本の事例もありましたが,例えば東京から遠いところにある大学が国際的な窓口として,例えばJTBのようなことをやってみたらどうかと思います。それは,大学の基本的な性格の一つとしてやっていることが,地域によっては今までなかったような窓口ができました,というようなことが起こり得るだろうと思います。
少し分かりにくい例えでしたが,要するに,地域づくりをこうやってやりましょうと言ってもなかなか難しいですし,魅力ある地域はこうやってつくりますと言ってもそれもうまくいかないのであれば,その場その場の今の出来事そのものの中で,そのような意識を持たないといけないのかなと思って聞いておりました。
実は,渡邉委員の方でやっていらっしゃる産学連携の話合いの中にも,意見書としては,魅力ある大学ではなく,魅力ある地方そのものではないか,という意見を書かせていただいておりました。
大変たくさんの意見を頂きまして,これをうまく活かして,さらにモディファイしていくということをお任せいただき,また書き直したものをお見せしていくということになります。

【武藤高等教育政策室長】 概算の時期との兼ね合いがあるので……。

【永田分科会長】 要するに概算においても使えるように,少しマイナーな部分も含めてモディフィケーションするということでございます。ありがとうございました。
これは年内には最終版にするということなので,できれば早めにまとめます。たしか聞いたところ9月に最終的なまとめの文案を出して……。

【武藤高等教育政策室長】 はい,まず案として。

【永田分科会長】 その後,10月ぐらいには最終版になるかと思います。ありがとうございました。
それでは次の議題,4番目ですが,「高校生等が科目等履修生として大学の単位を履修した際の修業年限の通算について」ということで,事務局の新田大学振興課長から説明をお願いします。

【新田大学振興課長】 大学振興課長の新田でございます。資料4を御覧いただければと思います。資料4,高校生等が科目等履修生として大学の単位を履修した際に,その入学後の修業年限の通算についてということでございます。
1枚おめくりいただきまして,2ページでございます。現状のところでございます。
まず1つ目のポチですが,大学の学生以外の者が科目等履修生として大学で一定の単位を修得し,その後,当該大学に入学した場合,その当該大学が定めるところによりまして,修得した単位数,それからその修得に要した期間等を勘案して,大学が定める期間について,入学後の修業年限に通算することが可能ということになっております。これは平成10年の改正によりまして,学校教育法の88条によって可能となってございます。
ただしということで,2つ目のポチでございますが,このときに修業年限の通算が可能となる単位というのは,施行規則の146条におきまして,大学入学資格を有した後修得したものに限るとされておりまして,一般に,大学入学資格を有さない高校生が科目等履修生として大学の単位を修得した場合には,当該修業年限の通算を行うことはできないとされているものでございます。
例の方を御覧いただきますと,2つ例がございますが,上の方の社会人です。大学に入学する前に,科目等履修生として例えば15単位程度を履修して,その後,当該大学に入った後ですが,この15単位について大学の単位として認められた場合について,この15単位といいますと,124単位を4年間で割りますと1年当たり31単位と。その半分ほどになりますので半年程度とカウントし,入学前の半年と入学後の3年6月を足して通算4年ということで,修業年限を満たしたというふうに大学が認めることができるということでございますが,高校生,つまり大学入学資格を得ていない段階での単位数については,単位を認めることは可能なのですが,修業年限の方の特例については適用されないというのが現行制度となっているということでございます。
3ページ目を御覧ください。今回,これを改正してはどうかということでございます。
1つ目のポチにありますとおり,学年・学校段階を超えた学び,それから高校教育と大学教育の円滑な連携・接続の観点から,高校生による大学での単位修得は学びの多様化の推進に資するということがございます。
そして2つ目のポチにありますとおり,グランドデザイン答申でも,初等中等教育段階の変化も踏まえまして,アドミッションやその後の高校教育にどう生かしていくのかという高大接続の観点から,学びを再構築することの重要性ということが指摘されて,その中でも高校生による大学の授業科目の履修の推進ということが提言されているという地合いがございます。
3つ目のポチですが,先ほどの制度が創設された平成10年当時は,我が国の学校教育制度におきまして,基本的に相当年齢主義の考えに基づいておりまして,一般学生よりも若年での大学の卒業を認めることは適当ではないという考えの前提がございましたが,この改正の後に早期卒業制度の創設――これは平成11年,それから海外の高校を卒業した者に大学入学資格を付与する際の年齢制限,18歳以上であるという年齢制限の撤廃――これは平成31年――など,政策目的に応じまして相当年齢主義の例外というのが認められてきておりますので,学びの多様化という目的の実現に向けて,一律に制限するという地合いが薄まっているかと思っております。
これを踏まえまして,今回,学校教育法の施行規則を改正して,高校生等の大学入学資格を有さない者が,過去に科目等履修生として単位を修得した場合,当該入学後に修業年限の通算を大学の判断によって可能とするという方向で,年度内,速やかに制度改正をしたいと考えているというものでございます。
事務局からは以上でございます。

【永田分科会長】 ありがとうございます。クリアだったかと思いますが,いかがでしょう。御意見等はございますか。
吉岡委員,どうぞ。

【吉岡委員】 念のためですが,これは当該大学に限るということですね。
つまり,先ほど最初にあったように,B大学の科目等履修生で,他大学で科目等履修生を取ったけれども,その科目がきちんとしていた場合にはA大学はそれを認めてもいい,みたいなところまで踏み込むつもりはないということでよろしいですね。

【新田大学振興課長】 さようでございます。後ろの方に参考条文をつけておりますが,期間の通算ができるのは当該大学に限定されてございます。

【永田分科会長】 吉見委員,どうぞ。

【吉見委員】 ありがとうございます。これ自体はこれで結構だと思うのですが,ちょっと場違いかもしれないのですが,少し大きいことを質問させていただきたいのですが,こういう議論をしていくときに,現行の6・3・3・4に賛成というか,つまり6年・3年・3年・4年・2年・3年という,この仕組みは将来的にもずっと維持されるというふうなお考えでしょうか。それとも,6の初等教育のところは6なのでしょうけれども,それから最後の3のところはもうフレキシブルになっていると思いますが,中等教育・高等教育の3・3・4・2というのは,これは将来的によりフレキシブルになっていくとなったときに,そこはどうデザインしていけばいいのかという,そういう議論はいずれなされるのかどうかというところが知りたくて。
先ほど議論が出た年齢主義というのが日本の教育をいろいろな形で拘束していると思うのですが,この年齢主義から脱却していったその先に,教育課程をどういうふうにデザインするのかという,結構すさまじく大きな問題が,向こうの方にはちょっと見えているというか,そんな感じもいたしますので,もちろん,お答えは別にいいのですが,そんなことをこういう議論をしているときに議論はされるのかされないのか,それだけちょっとお聞きしただけです。

【永田分科会長】 吉見先生,ありがとうございます。
6・3・3・4ですが,最近の兆候から考えると,6・3・4・5や6・3・2・2・4だってあるだろうと思います。要するに,修得する内容から考えたときに,今の6・3・3・4が本当にプロパーかという問題は,多分,吉見先生は持論としてもお持ちだと思いますし,教育業界でも当然,考え始めているのだと思います。
ただ,文科省として,考えていますというのは今言いにくい状況にあると思うので,今言ったような中で,学習にとってのベストな配置,フォーメーションを考えていくという御提案だと思いますが,今日はちょっと回答が難しいと思います。いずれまた,皆さんで御議論をさせていただく内容かと思います。
千葉委員,どうぞ。

【千葉委員】 ありがとうございます。1つお聞きしたいのですが,こういう単位認定がされた場合に,124取ってはいけないということではないわけですよね。
その有効な時間を,できればインターンシップであるとか,若いうちから研究に取り組むとか,何か有効にその時間を使っていただきたいなということで,質問をさせていただいたのですが,いかがでしょうか。

【新田大学振興課長】 この問題は実は2つございまして,まず1つは,過去に取った単位を大学入学後の単位とみなすという,単位の互換,単位のみなしの部分と,それから,その際に期間として認めるかどうか。今回の話は後者の方の話になります。
ですので,前者で単位を認めた場合に,認めて余裕ができた分でほかのことをしてもらう。ただ,修業年限には影響させないという考え方。あるいは,単位を認めた上で,その期間の分の修業年限が実質短くなるわけですが,それによって社会との関係で時間を有効に――要は,早く出してしまう,早く出ることを可能とするということ,いずれかの観点で,大学の方でお認めになるかならないかということでございます。

【永田分科会長】 ありがとうございます。最終的には「当該大学の判断」ということになります。
清水委員,先ほど挙げていらっしゃったのではないかと思いますが。どうぞ。

【清水委員】 この制度改正は大変意義深いと思います。学びの多様化だけではなくて,学びの連続性というところに関連する改正で,私は賛同しております。
これを普及といいますか,制度を広めるための何らかの工夫が必要だと思う。科目等履修生というのは国立大学でも今,1単位1万5,000円ぐらい。私立ではもっと2万以上,3万近いところもありますし,あと入学金も取られかなり高い。これでは高校生が,すぐにそちらの方を選択しますというわけにいかないです。
だから,何らかの経済的な特別措置といいますか,それを考えてあげないといけないと思います。例えば,通信制の課程では1単位が5,000円ぐらいで安く設定されておりますし,公開講座の中にこういう科目を組み込んで,高校生が取る場合は公開講座の科目にするとか,そうすることによって安く設定できます。そういう何かしらの措置をしないと,この制度はいい制度で改正しても活用されないと思います。是非その辺のところを考えてもらいたい。
また,このように修業年限について弾力化・柔軟化してきて,これが単位の修得と併せて卒業制度の見直しにつながっていくと思う。今,日本の大学の卒業制度というのは,単位修得と修業年限という量的な規定だけです。今や学修成果とか出口の管理,成績評価の厳格化,こういうものが進んでおります。
是非,卒業制度の改革では,卒業制度の中に質的な規定,例えば各大学が今活用しているGPAなどの規定を盛り込むような卒業制度に変更していくということが次の段階だと思う。
今回は量的な面での柔軟な改正だということですので,将来的には質的な卒業制度への変更というのを期待しております。
以上です。

【永田分科会長】 清水先生,ありがとうございます。ある意味,先ほどの吉見先生の御意見と似ているのですが,ちゃんと学修できているというなら良いのではないか,という,ざっくばらんに言えばそういうことだと思います。それを物理的に縛るかどうかということになるかと思います。
最後に,麻生委員,どうぞ。

【麻生委員】 ありがとうございます。この制度は納得いたしましたし,よく分かりました。ただ,私が頭に浮かんだのは,4年制大学を持つ附属高校があって,その附属高校がこの科目等履修生の授業単位分を中等教育のカリキュラムの中に恒常的に入れるということがあれば,その附属高校から入学し,大学を3年間で卒業できるという構造的なシステムに変わってしまう懸念はないのでしょうか。質問でございます。

【新田大学振興課長】 そこは先ほどの,当該大学に入学した後においてということで限定されているということとの関係でもあるのですが,あと,入学前,高校時代に取った単位というのが,果たしてどれくらい取ることが可能なのであろうかということでございます。
先ほど2ページの方の図で,15単位でお示ししましたが,15単位ほどですと,要は6か月分ぐらいに当たりますが,実際に高校生が3年間で,高校の教育以外に,又はその中での一環として大学の授業科目を取ったときに,数単位までは可能かなと思うのですが,ある程度の,例えば3か月といいますと8単位まで行きますので,8単位以上の履修のところまで,どこまで果たして高校教育の枠組みでできるのかなということもありますので,その辺のまた実態も踏まえて,ちょっと見てみないといけないかなというふうには思っております。

【永田分科会長】 ありがとうございます。この件については,今頂いたような御意見を参考にしながら,細部にわたりケーススタディをしていけば,また,制度改正を進めるために出てくるのではないかと思います。そういう認識でいていただきたいと思います。今日はここまでにさせていただきます。ありがとうございました。
それでは,予告しておりました5つ目ですが,「大学入試の在り方に関する検討会議の提言」ということで,今日は御説明を聞くという観点でこれを進めたいと思います。
それでは新田大学振興課長,お願いします。

【新田大学振興課長】 それでは資料5-1,それから5-2を御覧いただければと思います。大学入試の在り方に関する検討会議の報告でございます。
5-1を使って御説明をさせていただければと思いますので,よろしくお願いいたします。資料5-1でございます。
1枚目でございますが,大学入学英語成績提供システム及び大学入学共通テストにおけます国語・数学の記述式に係ります今般の一連の経過を踏まえまして,一昨年12月に,文科大臣の下にこの検討会議を設置いたしまして,昨年1月から1年半にわたりまして,大学入試の在り方について検討いただいたということでございます。
この検討会議では,大学入試におけます英語4技能,それから思考力・判断力・表現力等を適切に評価することの重要性を踏まえながら,令和6年度実施の新学習指導要領の下での最初の入試をターゲットとして,改めて検討し直していただいたものでございます。
同会議におきましては,当初,昨年末頃に結論を出す予定でしたが,英語4技能・記述式などに加えまして,コロナ禍での様々な社会の変化も踏まえまして,新たにウィズコロナ・ポストコロナ時代の入試の在り方についても追加で検討することとなったということでございます。
これによりまして,1回目の大学入学共通テストも含めまして,令和3年度入試の実施状況も踏まえて議論していただいたというものでございます。
同会議での検討におきましては,大臣臨席の下,月2回ペースで28回にわたって議論され,議論は全てネットで同時中継し,公開で行われた。会議では外部有識者からのヒアリング,初の取組となる選抜区分ごとの詳細な実態調査,それから全大学学部へのアンケート調査,広く国民からのウェブによる意見募集等の結果を踏まえながら,過去の問題の分析と今後に向けた在り方の検討を両輪としながらの検討を行いまして,7月8日に取りまとめられたというものでございます。
2ページ目を御覧いただければと思います。同会議の委員名簿になりますが,この大学分科会からは,川嶋太津夫委員,益戸正樹委員,小林弘祐委員のお三方に御参加いただいております。
スライドの3枚目を御覧いただければと思います。ここからは提言の章ごとに説明させていただきます。
第1章につきましては,大学入学の在り方と改善の方向性についてまとめております。
まず,大学入学者選抜に求められる原則として,丸1,丸2,それから丸3という3つの原則を整理していただいております。2におきまして,これまでの教訓を踏まえまして,大学入学者選抜の改善に係ります政策の意思決定の在り方として,議論の透明性やデータの重要性,実現可能性の確認を掲げております。
3で状況の変化を示し,4で入試システム全体に目配りした総合的な検討の重要性ということを示しております。特に,異なる選抜区分が持つ意義・特性,共通テストと個別テストの関係,大学入学選抜と入学後の教育との役割分担等,これらを含めた検討を行う必要があるとされております。
各大学において,各々の入学者受入れ方針に基づきまして異なる入学区分の望ましい組合せの追求,それから入学者選抜で問うこと,入学後の諸年次教育で育成すべきこと等の仕分について検討していくことが求められているということでございます。
スライドの4枚目,5枚目でございます。ここが記述式問題の出題の在り方について提言をされております。
1で,記述式問題の意義・特性について,自らの考えを理論的・創造的に形成する思考力・判断力,それを的確に,さらには効果的に表現する能力は,大多数の大学でも入学後専門分野を学んでいく上で必要でありまして,高校教育においてもその育成が重視されているということが整理されております。
2で,共通テストの記述式問題の見送りの段階で指摘された課題が整理されております。
この検討会議では,全大学におけます入学者選抜の実施状況の実態等について分析を行っております。3に記しておりますとおり,実態といたしまして,国立大学で99%の入学者に対して,それから私立大学でも55%の入学者に対して,一般入試で記述式問題が出題されております。また,大学の意見としても,記述式は共通テストよりも一般選抜で充実すべきであるという大学が多いという調査結果が出ております。
5ページ目でございますが,こうした記述式問題の実態,それから大学の意見等を勘案しまして,諸課題の克服の困難性を考えると,共通テストでの導入は困難と言わざるを得ないとした上で,各大学の個別試験や総合型学校推薦選抜において,このような自らの考えを理論的・創造的に育成する思考力・判断力,それを的確に更に効果的に表現する能力等を丁寧に評価して,記述式問題の出題を推進していくということが提言の結論部分ということになっております。
具体的には,国公私の違いも踏まえまして,国公立大学ではより高度な記述式の出題を,私立大学では記述式の出題増に努めていただくということなどが期待されております。
また,これについて,文部科学省としても優れた事例の認定等を進めていくことが提言されております。
6ページ目を御覧ください。6ページ目,7ページ目が,総合的な英語力の育成の評価の在り方についてでございます。
1にありますとおり,読む,書く,聞く,話すのバランスの取れた総合的な英語力が不可欠であることを前提に,資格検定試験の活用の意義について整理をされております。
2で,大学入試英語成績提供システムの見送りの段階で指摘された課題が整理されてございます。
3に記載しておりますとおり,一般試験におきましても,英語の資格検定試験の活用ありといった区分が,国立大学で9,私立で16ございます。また,大学の一般意見としても,各大学の一般選抜や総合型・学校推薦型で活用すべきであると考える大学が多いということでございます。
7ページ目にございますとおり,資格検定試験の実態,それから大学の意見を勘案しまして,諸課題の克服の困難性を考えますと,共通テストの枠組みにおいて英語資格検定試験のスコアを一元的に活用する仕組みの実現は困難であるとした上で,各大学の個別試験や総合型・学校推薦型で4技能の総合的な英語力の評価を推進していく必要があるということが,提言の結論部分ということになってございます。
スライドの8ページ目でございますが,今回,地理的・経済的事情,それから障害のある受験生への合理的配慮についての対応についても提言をされているということでございます。
スライド9,10でございますが,ウィズコロナ・ポストコロナ時代の大学入学者選抜についてということでございます。
最後,全体を通じてでございますが,文部科学省では本提言を踏まえまして,大学入学者選抜協議会を開催しまして,まずは令和6年度実施の7年度入試に関わります予定の通知,公表を行う予定でございます。その上で,提言いただいた内容に関わります中長期的な課題も含めまして,大学・高校と連携しながら入学者選抜の改善を推進してまいるということでございます。
以上でございます。

【永田分科会長】 ありがとうございました。
これは御意見というよりは御質問になると思います。もしあれば,1つ程度はお受けできますが,いかがでしょうか。
また読んでいただいて,これは次回以降でもいいかなと思いますが,より深く理解するための質問があればお願いいたします。ただこれはすでに提言として出ていますので,これに対して意見ということではないと思います。
よろしいでしょうか。益戸委員は検討会議の委員として,何か今の説明に追加はありますか。

【益戸委員】 過去経験した委員会の中で最も活発な議論が最後までされた委員会ではなかったかなと感じています。
三島座長と座長代理である川嶋先生と私で最終案をまとめさせて頂きました。各委員からのご意見を反映した為に総花的にはなったかもしれませんが,皆様の御意見はきっちり取り上げたものとなっております。どうかよろしくお願いいたします。

【永田分科会長】 ありがとうございます。努力の最終まとめということだと存じますが,それではじっくり読んでいただきまして,またもし御質問等ありましたら,問合せいただくか,また何かの折に議論させていただきたいと思います。
それでは,どうも御協力ありがとうございました。若干時間が押して,最後短くなってしまいました。
最後に,次回の日程などについて事務局より御説明いただきます。

【髙橋高等教育企画課課長補佐】 本日は活発に御議論いただき誠にありがとうございました。次回の大学分科会は10月12日,火曜日16時から18時を予定しております。実施方法と会場については調整中ということで,追ってお知らせをさせていただきます。
本日,時間の都合上御発言いただけなかった内容につきましては,事務局の方までお送りいただければと思っております。
以上でございます。

【永田分科会長】 ありがとうございます。10月はオンラインになりますでしょうか。フェース・トゥー・フェースでしょうか。あるいはハイブリッドでしょうか。そのときの状況を見て決めざるを得ないと思っておりますが,暑い夏ですし,蒸し暑い中マスクもしなくてはいけないわけですが,健康に留意されまして,次は秋の兆しの10月ということでございますので,それまでお健やかにお過ごしください。
それでは,今日はこれでお開きとさせていただきます。御協力ありがとうございました。

―― 了 ――

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