2022年 佐々木卓社長新年挨拶

2022/01/04  株式会社 TBSホールディングス 

TBS ホールディングス
社長室広報部
03-3746-1111
2022 年 1 月 4 日

2022年 佐々木卓社長新年挨拶

新年あけましておめでとうございます。昨年はコロナ禍の厳しい環境の中で放送を継続し、ニュース・情報を出し続けた一年でした。その締めくくりに『報道の日』があり、新春早々は『THE TIME,』、今日も見ましたが、全力の生中継、本当に感謝しています。『THE TIME,』と『ラヴィット!』という朝の帯番組が TBS テレビ全体の推進力になっていくということは間違いないと思います。是非、頑張ってもらいたいと思います。

そして、年末年始も、皆さん頑張りました。新ファミリーコアでは、12 月 30 日~1 月 3日までの年末年始は、GP 帯で 15 年ぶりの 1 位。元日から 3 日までの三が日では、GP 帯で 19 年ぶりの単独 1 位となりました。ALL も三が日の GP 帯で 2 位以上になるのは 15 年ぶりという快挙です。スペシャルドラマでは、12 月 29 日の『99.9-刑事専門弁護士』と、1月 2 日の『義母と娘のブルース』がしっかりと立派な結果を残しました。『99.9』は放送翌日、映画『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』が劇場で封切られ、公開からの 5 日間で観客動員 74 万人、興収は 9 億 6000 万円という大ヒットのスタートとなりました。また、年末恒例の『輝く!日本レコード大賞』は新ファミリーコア 6.3%、ALL7.8%。今回も豪華なステージ演出に圧倒されました。フラッグシップコンテンツの 1 つということで、今回の放送には、社内各所から多くの有志が制作に協力してくれたことを非常に嬉しく思っています。初めて編成した 12 月 25 日の『お笑いアカデミー賞 2021』や、1 年前の好成績からさらに数字を伸ばした 28 日の『SASUKE2021 ~NINJA WARRIOR~』、2 日の『バナナマンのせっかくグルメ!!』それに 3 日の『マツコの知らない世界』や『アイ・アム・冒険少年』などが健闘しました。

今年の大きな動きと言えば何といっても舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』が始まること。7 月 8 日開幕が決まりました。ロンドンで始まり、ニューヨーク、サンフランシスコ、オーストラリアのメルボルン、ドイツのハンブルクとこれまで世界各地で大ヒットした舞台が日本で見られます。「キャッツ」のような超ロングランを目指す、TBS の歴史上初めての大チャレンジです。地下鉄赤坂駅を降りてからのサカスエリアの様子が、このあと、まるで魔法をかけられたように一変し、訪れた方々をハリー・ポッターの世界に誘います。

昨年のこの挨拶で、私は「JNN は大切な仲間であり、協力して一緒にできることを考えてほしい」と話しました。そして、この春、JNN のインターネットニュースプラットフォームが誕生します。これは JNN ニュースのデジタル分野でのプレゼンスを高めるとともに、系列局が協力して収益を上げることを目指すものです。名前は「TBS NEWS DIG powered by JNN」。このプラットフォームでは、政治・社会などの報道局のニュースだけでなく、芸能やスポーツなど、幅広いジャンルのニュースも配信する予定です。TBS はじめ JNN の仲間がこぞって、積極的にデジタルニュースを出して行こうという画期的な挑戦と言えます。

そしてもう一つの動きといえば、昨年打ち出した VISION2030 とその中核を成す EDGE戦略が、すでに実際に目に見えて動き始めています。現在進行形の主なプロジェクトは 3つあります。「海外戦略のための新しい会社をつくる」「緑山に“世界標準”に対応できるスタジオを作る」「アニメへの投資を本格化する」

まず海外戦略のための会社。この会社は海外向けコンテンツをプロデュースしてさらに世界中に売り込んでいく会社、専門商社のような役割を果たします。今年の春以降、本格稼働する予定です。

そして緑山の新スタジオ。Netflix などの世界配信では、ドラマに 4KHDR などの高精細映像や 5.1 サラウンドサウンドなどのハイスペックが求められます。緑山で 6 番目になる新スタジオは、世界標準のスペックで対応し、世界に向けたドラマ作りを実現します。

最後はアニメへの投資を本格化することです。まず子会社の「マンガボックス」。昨年のドラマ『リコカツ』は金曜ドラマとして地上波放送すると同時にコミカライズして大きな話題となりました。逆にマンガボックスの IP『にぶんのいち夫婦』は TBS スパークルが連続ドラマ化しています。そこで、この 1 月から連結子会社化し、TBS グループの有力な仲間となってもらうことになりました。さらに、子会社のアニメ制作会社「Seven Arcs」についても、グローバルに通用する高品質・ハイエンドな作品が作れるよう、3D や人材に対して 25 億円を投資することにしました。アニメで本気に勝負します。

さて、お正月だから初夢の話、というわけでもないのですが、私には夢があります。憧れと言ってもいいかもしれない。それはウォルト・ディズニー・カンパニーです。TBS グループがウォルト・ディズニー・カンパニーのように、世界中の人々の生活の様々な場面で、ブランド力を発揮することです。今から 90 数年前にウォルト・ディズニーがその仲間とともにミッキーマウスを誕生させました。ウォルト・ディズニーが亡くなってから久しい今もその精神は引き継がれ、「アナと雪の女王」の歌声は世界の人を魅了しています。大変な信頼感と品格が存在する。テレビアニメだけではない。アニメ映画、スターウォーズのような実写映画、オリジナル音楽、テーマパーク、更にはぬいぐるみやTシャツ、マグカップに至るまで、その IP 知的財産は計り知れない。しかも企業としておよそ 100 年間も続いている。まさに EDGE 戦略の手本、大先輩と言えると思うのです。

それでは TBS グループはエンターテインメントだけをやっていくのか?答えは、違います。ウォルト・ディズニー・カンパニーのかつての弱点はメディアをもっていなかったこと。そこで彼らはアメリカのテレビ 3 大ネットワークの一つ、ABC を買収することになるのです。メディアはどうしても必要です。私たちはすでに放送局としてニュースを流し社会的使命も果たしています。EDGE 戦略を実現するための根っこにある大事なものは、今の放送局としての社会的使命を果たし、その上で、今後もしっかりと収益を上げていくということです。その根っこがあるからこそ、EDGE 戦略が生きてくると考えています。

VISON2030 では、2030 年には放送事業の売り上げとそれ以外が 4:6 になることを目指しています。それぐらい EDGE 戦略を頑張る、ということです。誤解のないように改めて強調しておきますが、これは地上波放送が収縮していくことを意味していません。逆に収益がジリジリと拡大していく前提です。では、どうするか。バラエティです。この挨拶の冒頭、朝の帯番組がテレビ全体の推進力になると申し上げましたが、もう一つ、放送局の収益を考える上では、GP 帯の表案が大切です。その中でも圧倒的に放送枠の数が多いのはバラエティ、TBS テレビを支える根幹とも言えます。視聴者をワクワク、ドキドキさせ、明日への活力につながるようなバラエティを是非つくってほしい。是非とも見たい。TBS テレビでは 4 月改編で、新規バラエティ開発の為の新たな枠を検討していると聞いています。そこで若いクリエーターたちが未来の大ヒット番組を夢見て、新しいバラエティ企画をつくり出します。その仲間たちには思い切ってチャレンジして下さい。バラエティに革命を起こして下さい。そして、TBS の未来を支えてもらいたいと思っています。

ウォルト・ディズニー・カンパニーを目指そう、といっても、実は大変残念なことがあります。それは社長が私であって、ウォルト・ディズニーではないこと。私は彼のような才能を全く持ち合わせていない。しかし TBS グループには皆さんがいる。皆さんのクリエイティビティと熱意を持ち合わせればきっと、その日は実現する、と信じています。

TBS グループの皆さん、一緒に頑張りましょう。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

以上

【本件問い合わせ先】TBS ホールディングス広報部 03-3746-1111(代表)

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