セルロースナノファイバー/天然ゴム複合材開発のお知らせ

2022/10/12  王子ホールディングス 株式会社 

2022 年 10 月 12 日
王子ホールディングス株式会社

セルロースナノファイバー/天然ゴム複合材開発のお知らせ

王子ホールディングス株式会社(社長:磯野裕之、本社:東京都中央区)は、木材原料由来であり、当社独自の製法により製造したリン酸エステル化セルロースナノファイバー(以下、CNF)と、同じく木材原料由来である天然ゴムとの複合材の開発に成功したことをお知らせいたします。

天然ゴムは、伸縮性(伸び)や耐摩耗性に優れ、かつ柔らかい特徴を持つ素材であり、世界で年間 1,300 万 t程生産され、タイヤ、ホース、コンベアベルト等各種用途に使用されていますが、その多くの用途において、ゴム素材でありながら、硬さが重要な性能とされております。天然ゴムの柔らかさを改善するためには、一般的にはカーボンブラック(以下、CB)等を混合し、硬さを付与しますが、一方で特徴の一つである伸びが損なわれます。さらに、昨今、地球温暖化対応が求められている中で、化石燃料由来の素材である CB からバイオ素材への転換の要求が高まっております。

この度、当社は CB の代替として、独自のバイオ素材であるリン酸エステル化 CNF と天然ゴムを複合化したゴム素材を、信州大学/野口徹特任教授との共同研究により開発いたしました(図 1)。新しく開発された CNF/ゴム複合材は、天然ゴムの特徴である伸びを損なわず、CB 配合並みの硬さを有しております。(図 2、共同で関連特許出願済)。

CNF 複合ゴム素材は今後、自動車産業をはじめとして各種産業において環境配慮型素材としての活用が期待されており、当社はサンプルの提供を開始いたします。今後もお客様と共に持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

本件に関する問い合わせ先
王子ホールディングス株式会社
イノベーション推進本部 CNF 創造センター
TEL:03-3533-7006 Email:inv@oji-gr.com
サステナビリティ推進本部 広報 IR 部
TEL:03-3563-4523 Email:oji-holdings@oji-gr.com
図 1 天然ゴム複合材の写真 図 2 天然ゴム複合材の硬さ・伸び(相対値)

関連業界