天然藻場再生事業においてカーボンクレジットを認証・取得

2023/03/02  ENEOSホールディングス 株式会社 

2023年3月2日
ENEOSホールディングス株式会社
ウニノミクス株式会社

天然藻場再生事業においてカーボンクレジットを認証・取得
~異常繁殖により増えすぎたウニの除去による藻場の修復~


ENEOSホールディングス株式会社(社長:齊藤 猛、以下「ENEOS」) と、ウニノミクス株式会社(社長:武田ブライアン剛、以下「ウニノミクス」)」は、ブルーカーボン※1によるJブルークレジット(R)※2の認証を得て、カーボンクレジットの発行を受けましたのでお知らせいたします。

両社は、2021年3月に藻場再生を通じたブルーカーボン推進事業において協業を開始※3し、地場漁業水産関係者と協力のもと、大分県国東市※4と山口県長門市※5において、異常繁殖して増えすぎたウニを除去することで、海藻の食害による磯焼けの抑止を目指すとともに、環境改善につながるウニの畜養を行っています。

今般、大分県佐伯市名護屋湾および山口県下関市特牛(こっとい)地域において、磯焼けのひとつの原因となっているウニを間引き、天然藻場を回復させる事によるCO2吸収においてカーボンクレジットが発行されました※6。

なお、認証申請を通じて、一般社団法人モバイルラッコ隊※7、株式会社ウェイストボックス※8の協力のもと、人工衛星によるモニタリングと現地潜水調査により、ウニの除去による藻場の変化に関する精密なデータを得ることができました。

本取り組みは、人工物の海中投下や人為的地形改変を伴わず、自然の復元力を十分に発揮できるよう天然藻場が回復する条件を整えることでCO2吸収を促進し、カーボンクレジットの発行を受けた、世界初の試みです。天然藻場はCO2吸収源としてだけではなく、海洋生物の産卵場所やすみかとして機能することから「海のゆりかご」と呼ばれ、生物多様性、持続可能な天然漁業を営む上でも重要な役割を果たしています。

今後も本取り組みを継続していくことで、磯焼け対策を通じた豊かな海の保全と脱炭素社会への貢献を加速させてまいります。

以 上

※1 ブルーカーボン:藻場・浅場等の海洋生生物に取り込まれ、隔離・貯留される炭素のことを指します。

※2 Jブルークレジット(R):いわゆるブルーカーボン生態系のCO2吸収源とするジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)が独立した第三者委員会による審査・意見を経て、認証・発行・管理する独自のクレジット

<フロジェクト名称および発行数量(t―CO2)>

・山口県下関市特牛地先・磯守ブルーカーボンプロジェクト:2.0t
・大分県名護屋湾・磯守ブルーカーボンプロジェクト:0.6t

(参照:https://www.blueeconomy.jp/credit/)

※3 2021年3月30日公表:ウニ畜養事業を通じたブルーカーボン事業推進に向けた協業について

※4 大分県内の漁業者とウニノミクスが共同で世界初となる陸上ウニ畜養事業を行う「株式会社大分うにファーム」を運営。(参照:https://www.oita-uni-farm.co.jp/)

※5 山口県長門市の青海島においてマルヤマ水産有限会社とウニノミクスが共同で世界最大規模のウニ畜養施設「KAYOI UNI BASE」を運営

※6 クレジットの申請に際してENEOS、ウニノミクス以外に、大分県名護屋湾では株式会社大分うにファームとNPO法人名護屋豊かな海を守る会、山口県下関市特牛地先では、山口県漁業協同組合特牛支店とマルヤマ水産有限会社と共に申請いたしました。

※7 一般社団法人モバイルラッコ隊:藻場保全活動・調査を行う非営利環境保全団体(参照:https://rakkotai.org/)

※8 2021年3月18日公表:CO2排出量削減事業の推進に向けた環境価値取引事業の協業について

<参考>

<本件に関するお問い合わせ先(報道機関の方)>

(1) ENEOSホールディングス株式会社 広報部広報グループ
電話:03-6257-7150 E-mail:pr@eneos.com

(2) ウニノミクス株式会社
担当: 山本 雄万(日本事業担当) E-mail: yy@urchinomics.com

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