新中期経営計画「Move On5」の決意(トップメッセージ)

2024/05/23  フジテック 株式会社 

トップメッセージ

新中期経営計画「Move On5」の決意

2024年度から2028年度までの5カ年新中期経営計画「Move On 5」について、私の強い思いをお話いたします。

私は昨年6月の株主総会にて株主様からご信任をいただき社長に就任し、新しい経営体制のもと、新生フジテックをスタートさせました。新体制発足直後には、国内とグローバルの事業を技術・生産部門と管理部門が支える形に組織再編を行い、また昨年9月に行いました社長就任会見では「不易流行に基づく、新しいフジテック経営のあり方に関する所信表明」を行った上で、全てのステークホルダーの皆さまとの対話を重視し、ガバナンスの強化にも積極的に取り組んでまいりました。そして、私たちの不易流行の経営を前進させるという意味で、昨年末から「Move ON」というキーワードを使い、社内外での展開と浸透に努めてきました。この度の新中期経営計画は、今年度からの5年間で「不易流行に基づく、新しいフジテックの経営」をやり切るという強い意志を込めて、「Move On 5」と名付けております。

新中期経営計画「Move On 5」は、2028年度までに売上高3,250億円、成長率8%を維持しながら、収益性の向上により営業利益率としては13.5%、売上総利益率としては26%までの改善を、各地域、各事業での横断的な成長により達成いたします。この成長目標を達成するために全社戦略として「3つの柱」を掲げています。
一つ目が、「地域/事業ミックスの選択と集中」です。各地域の戦略的な位置づけを明確化したうえで、各地域、事業の取り組みの方向性を定め、収益改善を目指します。
二つ目が、「高品質と高収益性の両立」です。当社の強みである品質を高めながら、グループの総力を挙げてマージン改善を目指す取り組みになります。
三つ目が、これらを推進する上で必要不可欠な、ガバナンス、ESGをはじめとする「強靭な事業基盤の構築」です。

これら3つの柱の遂行を通じて、新中期経営計画「MoveOn5」の5年間で、事業を更に成長させ、品格高く優秀な人材を集めることにより、当社の企業価値を更に高め、すべてのステークホルダーの皆さまに還元するポジティブスパイラルを作り出してまいります。この内容を聞いて、非常にアグレッシブな目標だなと思っていただけると我々も本望で、新しい経営体制のもと、組織体制の変更、従業員の変革意識の醸成などをしっかりと進めてきており、「Move On 5」を完遂させるべき素地はできあがっております。そして、何よりも私たちには、そのポテンシャルがあると考えています。

私の30年以上前の経験談で恐縮ですが、香港の現地法人であるフジテック・ホンコン駐在時に、世界的に有名なザ・ペニンシュラ様に当社エレベータを納入しました。その際に、このホテルグループのオーナー様から「ペニンシュラは世界一のホテルである。ペニンシュラに関わるものはすべて世界で一番である。つまりエレベータについても世界一のものを指名している」と仰っていただき、我々が世界一であると認められていることに気付かされるとともに自信が溢れ出し、「やる気」と「強い意志」さえあれば、世界で一番だと評価されるのだということを学びました。このことは、今でも、私が仕事をする上での決してぶれない軸になっています。現在においても、ザ・ペニンシュラ様では当社製をご愛顧いただいており、当社は世界一や日本一と言われる場所に多くのエレベータ・エスカレータやサービスを提供させていただいています。

このように私たちは実績とポテンシャルを持ち合わせています。オールフジテックの役員、従業員が一致団結して、「スピード感」と「危機感」を持って取り組むことで、「Move On 5」の目標は必ず達成されると考えております。何よりも私自身が、不退転の決意と強い責任感を持っております。

最後に私から、「Move On5」に対する決意を申し上げます。私は、京都・龍安寺にある「つくばい」に刻まれている「吾唯知足(われ、ただ足るを知る)」という言葉を大切にしています。本来これは、「満ち足りていることだけをしっている」すなわち「物事に満足することの大切さ」を説く、禅宗の言葉ですが、私は、「今ある現状はすべて満足して受け入れる。そのうえで更なる改善に向かって最大限の努力をする」と独自の解釈をしています。「Move On5」を遂行する経営者として、「吾唯知足(われ、ただ足るを知る)」の信念で邁進してまいります。

関連情報
新中期経営計画「Move On 5」

フジテック株式会社
代表取締役社長
原田政佳

新中期経営計画会見の様子

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