主筋周囲拘束補強型RC梁(CCM-RC梁)工法 の評定取得

2024/05/28  飛島建設 株式会社 

主筋周囲拘束補強型RC梁(CCM-RC梁)工法 の評定取得

-大地震時の損傷低減が可能なRC梁部材の開発-

2024年05月28日



(b) CCM-RC梁

写真1 部材実験の最終破壊状況(1/30rad)

本工法の付着割裂強度の増大は、付着要素実験で確認を行いました。図2に示す通り、付着割裂強度が増大するとともに、靭性能も向上します。
また、付着割裂強度が増大するため、大変形時の主筋の付着抵抗力を保持し、スリップ挙動が小さい、荷重-変位履歴特性を得られることも部材実験で確認しました(図3参照)。
さらに、部材のエネルギー吸収性能を表す等価粘性減衰定数heqは、部材変形角1/100radの2サイクル目から従来RC梁との違いが現れ始め、1/67radの3サイクル目以降は、最大24%増大する結果となりました(図4参照)。
これらより、本工法は従来RC梁と比較し、大地震時の損傷を抑制するだけでなく、エネルギー吸収量を高める効果を得ることができます。

図2 CCM筋による付着強度増大

図3 CCM-RC梁の荷重‐変位履歴特性(1/50rad)

図4 等価粘性減衰定数heq

CCM-RC梁の構造規定

図5にCCM-RC梁の全体図を示し、以下に構造規定を示します。
(1) CCM筋は、梁端部から梁せいDの区間に配置する。
(2) CCM筋は、1つのCCM-RC梁において、梁端部の両側又は片側、その上端もしくは下端のそれぞれについて、任意の位置に適用することができる。
(3) CCM筋はせん断補強筋の間に1つ以上配置する。
(4) 軸筋は、柱梁接合部への定着は行わない。

図5 CCM-RC梁の全体図

適用範囲

本工法の適用範囲は、以下の通りです。
(1) 建築物の高さは、60m以下とする。
(2) コンクリートの種類は、設計基準強度Fc=21N/mm2から33N/mm2までの普通コンクリートとする。
(3) 付着割裂破壊に対する安全性の検討において、CCM筋の効果を計算式に算入できる。

評定取得番号(一般財団法人日本建築センター 特別工法委員会)

・飛島建設株式会社BCJ評定-SS0065-01
・株式会社熊谷組BCJ評定-SS0066-01
・鉄建建設株式会社BCJ評定-SS0067-01

今後の展望

今後は、継続使用性の向上を求めるRC造建築物に対して、CCM-RC梁工法の提案を積極的に行っていきます。また、内閣官房が推進する国土強靭化計画に則り、繰り返される巨大地震に対応すべく、継続使用が可能な建物の提供に少しでも貢献できるように、より多くのRC造建築物に本工法が適用されることを目指していきます。

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