JSTが進める経済安全保障重要技術育成プログラムにおける「海面から海底に至る空間の常時監視技術と海中音源自動識別技術の開発」を受託 - 水中音響技術とAI技術を用いて「海洋の見える化」を実現し、海洋環境の把握に貢献

2024/06/06  沖電気工業 株式会社 

2024年6月6日

JSTが進める経済安全保障重要技術育成プログラムにおける「海面から海底に至る空間の常時監視技術と海中音源自動識別技術の開発」を受託

水中音響技術とAI技術を用いて「海洋の見える化」を実現し、海洋環境の把握に貢献


鉛直断面観測システムのイメージ図
https://www.jamstec.go.jp/smartsensing/j/projectstart.html

OKIは、国立研究開発法人科学技術振興機構(埼玉県川口市、理事長 橋本 和仁、以下JST)が進める経済安全保障重要技術育成プログラム「先端センシング技術を用いた海面から海底に至る海洋の鉛直断面の常時継続的な観測・調査・モニタリングシステムの開発」における研究開発課題「海面から海底に至る空間の常時監視技術と海中音源自動識別技術の開発」を受託しました。これにより、水中音響技術とAI技術を用いたスマートセンシング(注1)の研究開発を開始し、「海洋の見える化」の実現に向けた「海洋プラットフォーム」の構築を進めて、海洋環境の把握に貢献します。なお、本研究開発課題は、国立研究開発法人海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市、理事長 大和 裕幸、以下JAMSTEC)が研究代表機関となり、共同で研究を進めていきます。

日本は海に囲まれた海洋国であり、海運業や水産業などの海に関わる事業を通して、多大な恩恵を受けてきました。しかし、近年では、日本の領海や排他的経済水域(EEZ)を取り巻く情勢は厳しさを増し、海洋温暖化や漁業資源の減少といった海洋環境の変化が見られます。このため、海洋環境の状況を見える化(可視化)させる重要性が高まっていますが、海の中では光や電波は減衰してしまうため、海の中を可視化するには、より遠くまで届く「音」を利用する必要があります。

OKIは、長年培ってきた「音」に関する技術をベースに、海中の音響センサーや各種信号処理の開発を継続しており、近年では、独自のAI技術による「音」の識別に関する研究(注2)も行っています。本研究開発課題ではそれらの技術を結集し、海底から海面に至る空間の常時監視を実現する「鉛直断面観測システム」の構築をJSTのもとでJAMSTECと協力しながら進めていきます。この「鉛直断面観測システム」は、音響センサーを取り付けたケーブルを海底に敷設することで、海底から海面までをカーテンを引くように海中音を常時観測し、海面や海中を移動する船舶や生物などを識別検知するシステムです。これにより、海中音による航行船舶の識別を可能とし、海上輸送の監視や港湾作業に携わる人々の安全確保へ貢献していきます。また、漁獲対象種を含む海洋生物の分布の情報を提供することで新たな漁場の創成、海洋生物の生息確認や行動生態等の情報を提供することで海洋生物の保護の研究などにつながるものとなります。

今後もOKIは、海洋に関わる人々の生活を支える「海洋の見える化」を実現する「海洋プラットフォーム」の構築を後押ししていきます。

用語解説

  • 注1:スマートセンシング

    光、温度や音といった情報を検出し数値化する処理機能が組み込まれたスマートセンサーによるセンシング技術。スマートとは、高性能や多機能などを意味する。

  • 注2:独自のAI技術による「音」の識別に関する研究

    収集・蓄積(カタログ化)された船舶などの音情報を用いて識別を行うOKI独自のAI技術研究。

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