AI Lab、人工知能分野のトップカンファレンス「IJCAI 2024」にて共著論文採択

2024/06/18  株式会社 サイバーエージェント 

AI Lab、人工知能分野のトップカンファレンス「IJCAI 2024」にて共著論文採択

―オフライン学習におけるハイパーパラメーター最適化の影響を新たに解明―

広告 |2024年6月18日

株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋、東証プライム市場:証券コード4751)は、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」研究員の野村将寛およびコーネル大学兼半熟仮想株式会社の齋藤優太氏による共著論文が、「IJCAI(International Joint Conference on Artificial Intelligence)2024」※1に採択されたことをお知らせいたします。

「IJCAI」は、人工知能分野における世界最高峰の国際会議のひとつで、「NeurIPS」「AAAI」「KDD」※2などと並んで、人工知能分野で権威ある国際会議の一つです。このたび「AI Lab」から採択された論文は、2024年8月に韓国の済州島で開催される「IJCAI 2024」にて発表を行います。

■研究背景

例えば検索内容と関連の深い商品の推薦など、インターネット広告などの多くのウェブサービスにおいては、ユーザーに対して適切なコンテンツを推薦することが求められています。これを実現するための推薦システムの学習が、産業分野においても近年高い注目を集めており、本領域の多くの実務者たちは過去データから機械学習モデルを学習させる「オフライン学習」により、高い推薦精度を達成する推薦システムの構築を目指しています。

機械学習モデルには、分析者が事前に設定・チューニングする「ハイパーパラメーター」と呼ばれるパラメーターが存在します。さらなる推薦精度の達成のためには、ハイパーパラメーターを適切にチューニングすることが重要です。このような課題から、当社では「AI Lab」において積極的にこの領域に関する研究に取組んでまいりました ※3。

■論文の概要

この度採択された「Hyperparameter Optimization Can Even be Harmful in Off-Policy Learning and How to Deal with It」では、オフライン学習におけるハイパーパラメーターのチューニングにおいて、手元のデータにおける検証では一見モデルの精度が改善しているように見える場合でも、実際には真の精度が悪化する場合があることを実験を通じて新たに発見し、この現象に対する理論的な説明も行いました。
加えて、このような状況に対処する方法を提案し、数値実験により提案法の有効性を検証しました。提案法を用いることでハイパーパラメーターのチューニングを安全に実行できるようになり、より信頼できる推薦システムの構築に繋がると考えられます。

■今後

今回論文で提案した手法は、人工知能分野における研究開発の基礎技術になるとともに、当社のグループにて運営する新しい未来のテレビ「ABEMA」※4をはじめとした実サービスへの活用等が期待されます。「AI Lab」は今後もAI技術を取り入れたより品質の高い広告配信技術の実現を目指し、研究・開発に努めてまいります。

※1 「IJCAI」International Joint Conference on Artificial Intelligence
※2 「NeurIPS」 Neural Information Processing Systems
「AAAI」Annual AAAI Conference on Artificial Intelligence
「KDD」International Conference on Knowledge Discovery and Data Mining
※3 AI Lab、人工知能分野のトップカンファレンス「AAAI 2021」にて共著論文採択 ー 事前情報を活用した効率的なハイパーパラメーター最適化手法を提案 ー
AI Lab、データマイニング分野の主要国際会議「CIKM」にて共著論文採択ー 正解情報のないデータに対するハイパーパラメーター最適化手法を提案 ー
※4 「ABEMA」



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