3D OPPORTUNITY MASTER FUND様が公表した提案資料に関する当社対応方針について

2024/04/17  株式会社 東北新社 

2024年4月17日
株 式 会 社 東 北 新 社

3D OPPORTUNITY MASTER FUND 様が公表した提案資料に関する当社対応方針について

当社は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)が 2023 年 3 月 31 日付で公表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を受け、2023 年 9 月 29 日付「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」により、資本コストおよび収益性に関する現状分析や、当社の企業価値向上に向けた基本方針について公表しました。さらに、当社は、2024 年 2 月 9 日に、当該基本方針を踏まえた全社戦略として、2025年 3 月期から2029 年 3 月期における中期経営計画を公表しております。中期経営計画の詳細は、同日付で公表した「中期経営計画策定に関するお知らせ」をご参照ください。

そのような中で、当社株主である3D OPPORTUNITY MASTER FUND 様(以下、3D Investment Partners Pte. Ltd.と併せて「3D 社」といいます。)は、2024 年 2 月 19 日付で「3D の考える東北新社の企業価値向上策」と題するプレゼンテーション資料(以下「3D 社プレゼン資料」といいます。)を公表しました。

3D 社からは、3D 社プレゼン資料において、大要、以下の 4 つの指摘を受けているものと理解しております。

1. コア事業における収益性の向上(広告プロダクション代理店営業の強化/衛星放送の無償化・広告収入化)
2. 自社付加価値を活かした新規事業による成長の実現(Netflix 向け案件等の新規領域の強化)
3. 過剰資本の解消(株主還元による自己資本の適正化)
4. ガバナンス体制の整備

かかる3D社の指摘には、当社と見解が一致している点もあるものの、当社の見解とは前提・認識等が異なる点もありますので、3D社の指摘に対する当社の見解及び対応方針について、以下のとおり、お知らせ致します。

(1) 3D 社の提案全体について

3D 社プレゼン資料に記載されている通り、当社の強みはコアスキルである広告事業を主力とした映像制作能力であり、それらを軸に事業改善を行っていく点や、資本効率の改善・売上成長率の改善が課題である点については、当社と 3D 社の認識が一致していると考えられる一方で、改善に向けた施策案の前提条件やその内容については、当社と相当程度見解が異なっている点がございます。例えば、事業環境について、3D 社は「今後もテレビの需要やそれに付随する制作需要が残存し続ける」と捉えているのに対して、当社は「テレビ関連事業の縮小傾向は継続していくことを前提に、テレビメディアに依存しない方向へも新たな事業拡大を目指すべきである」と考えております。

(2) 上記 1.について

「広告プロダクションの代理店営業強化」に関し、3D 社プレゼン資料に記載がある「コンサル営業強化」については、当社が主要取引先に対してコンサルティングを実施することは取引の実態にそぐわないため、構造改革による収益力改善を目指すべきと考えております。

また、「衛星放送の無償化・広告収入化」については、テレビ需要の縮小が継続すると想定される中で、低視聴率の衛星放送チャンネルでテレビCMを放送する広告主を見つけることは極めて困難であると考えております。また、3D 社プレゼン資料において、比較対象とされているBS11 チャンネルや BS12 チャンネルなどの他チャンネルの事例は、テレビショッピングが主力事業とみられる事例のため、無償化・広告収入化モデルにおける黒字化の例証にはならないと考えております。

(3) 上記 2.について

「Netflix 向け案件等新規領域の強化」については、当社も 3D 社と同様に強化の重要性を認識していることから、当社の映像制作事業部や当社の完全子会社である株式会社オムニバス・ジャパンにおいて重要プロジェクトとして推進しており、同様にライターズ・ルーム(注)の体制構築についても既に着手済みの状況です。

(注)「ライターズ・ルーム」とは、[ドラマの脚本制作を担当する複数の脚本家が集い、脚本を作り上げていく体制]のことをいいます。

(4) 上記 3.について

「株主還元による自己資本の適正化」については、当社もその重要性を認識しており、自己資本部分の余剰部分については株主還元を強化する方針です。一方で、当社は、本日現在、東京証券取引所への上場の継続を前提とした事業改善に取り組んでいるところであり、3D 社が主張する、2027 年 3 月期までに ROE(自己資本利益率)10%を達成するための大規模な株主還元策を実施すると、既存事業の構造改革のために必要な投資や新しい事業投資余力を損なうことになり、当社の中長期的な企業価値の低下につながりかねないと考えております。当社としては、中長期的な企業価値の継続的な向上を目指しており、当社が公表した中期経営計画に従った株主還元を実施する方針です。

(5) 上記 4.について

「ガバナンス体制の整備」については、当社の取締役 14 名のうち 5 名が独立社外取締役であり、これらの独立社外取締役は、取締役候補者の選定プロセスを含め、少数株主の利益を保護する観点から、支配株主と少数株主との利益相反のリスクを監督する機能を適切に果たしておりますので、当社のガバナンスは有効に機能していると考えておりますが、今後も引き続きガバナンス体制強化に努めて参る所存であります。

当社は、3D 社からの提案内容も真摯に検討させていただきつつ、当社策定の中期経営計画に従って企業価値向上策の詳細な検討を進め、必要な施策を適時遂行することによって、引き続き上場会社としての社会的信用を前提に中長期的な企業価値の継続的な向上を目指して参ります。

以 上

関連業界