全国的に暑い夏、最も暑かった昨年に匹敵するおそれ

2024/06/24  株式会社 ウェザーニューズ 

2024.06.24

ウェザーニューズ、「猛暑見解2024」を発表

全国的に暑い夏、最も暑かった昨年に匹敵するおそれ

〜ダブル高気圧で暑さのピークは7月下旬から8月上旬~

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、「猛暑見解2024」を本日発表しました。今年の夏(7〜9月)の気温は全国的に平年より高く、観測史上最も暑くなった昨年に匹敵する暑さとなる可能性があります。7月下旬から8月上旬にかけて暑さのピークを迎え、チベット高気圧が日本付近まで張り出した場合は、太平洋高気圧と上空で重なり合って“ダブル高気圧”となり、35度以上の猛暑日が続いたり、地域によっては40度前後の酷暑になったりするおそれがあります。

今年は7月中旬までに東北まで梅雨明けする見込みで、平年より早く暑い時期が始まりそうです。こまめな水分補給などの暑さ対策をしっかり行い、熱中症には十分ご注意ください。最新見解は、「ウェザーニュース」アプリやウェブサイトからご確認いただけます。

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7~9月の平均気温は全国的に平年より高い

7月になると、これまで弱めだった太平洋高気圧の北への張り出しが強まり、7月中旬に梅雨明けするところが多くなる見込みです。梅雨明け後は夏空が広がり本格的な暑さが訪れます。
また、8月にかけてチベット高気圧の日本付近への張り出しが強まる時期がある予想です。このような時期には、猛暑日となる所が現れるなど、暑さが一層厳しくなるおそれがあります。
9月になっても、太平洋高気圧の日本付近への張り出しは平年よりも強く、前半を中心に残暑が厳しくなる見込みです。
このため、一時的に暑さの和らぐタイミングはあっても、7~9月の平均気温は全国的に平年より高く、全国的に暑い夏になりそうです。

図1. 夏の気温傾向

昨年は 7月後半から8月前半にかけて顕著な高温となりました。これは、フィリピン近海の対流活動が活発になって、太平洋高気圧の張り出しが記録的に強まったことや、上空の偏西風が平年より北寄りを流れ、日本付近は暖かい空気に覆われやすかったこと等が影響したとみられます。また、北日本の高温には周辺海域の海水温がかなり高かったことも影響したと考えられます。
今夏の偏西風は平年並かやや北寄りを流れる予想で、日本付近は平年より暖かい空気に覆われやすい時期がある見込みです。また、日本の周辺海域の海面水温は全般に平年より高く、特に北日本太平洋側の沖ではかなり高くなる予想です。このため、大気下層が冷やされにくく、北日本を中心に高温をもたらす要因の1つになる可能性があります。
梅雨明け後の7月下旬~8月上旬を中心に高気圧に覆われて晴れて暑い日が多くなると予想しています。昨年に匹敵する暑さとなり、本州の内陸部を中心に猛暑日を観測する地点数が多くなるおそれがあります。

暑さのピークは7月下旬~8月上旬、8月末頃~9月前半は残暑が厳しい

7月下旬から8月上旬はフィリピン近海の対流活動が活発となり、本州付近への太平洋高気圧の張り出しが強まり、暑さのピークとなる予想です。熱中症には十分な注意が必要です。この暑さのもう一つの鍵となるのがチベット高気圧です。太平洋高気圧とチベット高気圧は広がる高度が違うため、同時期にチベット高気圧が日本付近まで張り出した場合は、太平洋高気圧と上空で重なり合って“ダブル高気圧”となり、二つの高気圧が非常に背の高い一つの高気圧のようになって厳しい暑さをもたらします。35度以上の猛暑日が続いたり、海風の入りにくい内陸部などでは40度前後の酷暑になったりすることがあります。
また、8月末から9月前半も太平洋高気圧の日本付近への張り出しは平年よりも強めで、残暑が厳しい見込みです。暑い期間が長くなるため、夏バテにならないよう体調管理が大切です。

図2. 今年の猛暑ピーク時の天気図イメージ

2つの高気圧とラニーニャ現象の見解

(1)太平洋高気圧:7月以降本州付近への張り出しが強まる
7月以降、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まります。このため、西日本から北日本を中心に暖かい空気に覆われやすくなり、気温が高くなる見込みです。
ただ、フィリピン近海の対流活動が弱まる影響で、太平洋高気圧の張り出しも弱まり、8月には暑さが和らぐ時期もありそうです。

(2)チベット高気圧:7〜8月に日本付近への張り出しが強まる時期がある
チベット高気圧とは、北半球の夏季にチベット付近を中心に広範囲に広がる上空の高気圧です。今夏は、日本付近で太平洋高気圧の勢力が強まる7月から8月に、チベット高気圧も日本付近に張り出しを強める時期がある見込みです。
これらの太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが重なる時期は、猛暑となりやすい見込みです。

(3)ラニーニャ現象の発生で残暑が厳しくなる可能性も
夏から秋にかけてラニーニャ現象が発生する可能性があります。その場合はフィリピン近海の対流活動が活発化する影響で太平洋高気圧の勢力が強まり、9月になっても日本付近は暖かい空気に覆われやすく、平年よりも気温が高くなることが予想されます。
その他、全球の平均気温が高くなっていることや、北日本周辺の海水温がかなり高いことも、暑さの要因になりえると考えられます。

図3. ラニーニャ現象の模式図

※本予報は6月24日時点のものです。最新の見解は「ウェザーニュース」アプリまたはウェブサイト(https://weathernews.jp/?fm=header)からご確認ください。

エリアごとの見解 7~9月の平年との気温比較

エリア

平均気温

7~9月の暑さ見解

北日本

平年より高い

7月:
気温は平年より高い予想です。北海道は晴れて暑い日が多い時期と、天気がぐずつき、暑さが収まる時期とがあります。東北は中旬にかけて梅雨空の日が多いですが、下旬には夏空の広がる日が多くなります。梅雨明け後は安定した晴天と暑さがしばらく続く予想です。
8月:
気温は平年より高い予想です。前半は北海道を中心にぐずつく時期があり、蒸し暑い日が多い見込みです。後半は東北を中心に高気圧の影響で、晴れて暑い日が多くなります。
9月:
気温は平年より高い予想です。季節の進行が平年より遅く、暖気に覆われやすい見込みです。ただ、前線や湿った空気の影響で東北を中心に大雨となる日もあるとみられ、暑さの収まる日もある予想です。

東日本

平年より高い

7月:
気温は平年より高い予想です。前半は梅雨前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多くなりますが、晴れ間が出て蒸し暑くなる日もあります。後半は夏空が広がり、暑さの厳しい日が多くなります。まだ身体が暑さに慣れていないため、暑さ対策をしっかりと行ってください。
8月:
気温は平年より高い予想です。晴れて暑さの厳しい日が多くなり、熱中症に注意が必要です。にわか雨や雷雨が発生しやすいため、天気の急変にもご注意ください。
9月:
気温は平年より高い予想です。前半を中心に高気圧に覆われて晴れて残暑の厳しい日が多くなります。ただ、前線や湿った空気の影響で強い雨の降る日があり、暑さの収まる日がある見込みです。

西日本

平年より高い

7月:
気温は平年より高い予想です。上旬は梅雨前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多くなりますが、晴れ間が出て蒸し暑い日もあります。中旬以降は、次第に夏空が広がり、暑さの厳しい日が多くなります。まだ身体が暑さに慣れていないため、暑さ対策をしっかりと行ってください。
8月:
気温は平年より高い予想です。晴れて暑さの厳しい日が多くなり、熱中症に注意が必要です。にわか雨や雷雨が発生しやすいため、天気の急変にもご注意ください。
9月:
気温は平年より高い予想です。前半を中心に高気圧に覆われて晴れて残暑の厳しい日が多くなります。ただ、前線や湿った空気の影響で強い雨の降る日もあり、暑さが収まる日もある見込みです。

沖縄

平年より高い

7月:
気温は平年より高い予想です。高気圧の影響で、晴れて暑い日が多いですが、湿った空気の影響で天気がぐずつき、暑さの和らぐ日もある見込みです。
8月:
気温は平年より高い予想です。前半を中心に強い日差しが照りつけ暑い日が多いですが、台風や湿った空気の影響で、暑さの和らぐ時期がありそうです。夜間も気温が下がりにくく、寝苦しい日も続きます。こまめに水分を補給するなど熱中症対策をしっかり行ってください。
9月:
気温は平年より高い予想です。台風や湿った空気の影響で暑さが和らぐ時期がありますが、晴れて暑い日が多くなります。

※本見解の対象期間は7~9月としています。

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